お題(傷痕)
かさね様


傷痕




  傷が痛む。
  オレたち兄弟に刻み込まれた見えない傷が。
 
  それでも、夜はゆっくりと心を侵蝕する。
 
  わかってるよ兄サマ。
  痛みを忘れるために身体を重ねても
  結局、傷を抉ることにしかならないこと・・・。
 
   癒えない傷痕と
       永遠の苦しみ。
 
  オレたちを支配するのは、負の感情ばかり。
  共に生き、共に求め合う。
  その度に傷は深くなっていくのに。
 
   甘美な夜に抱かれて、躯を闇に沈めていく。
   押し寄せる快楽と絶望は、
   傷痕となって同じ夜を繰り返えさせる。
 
  それでも解放されることは望まない。
  傷痕が深くなればなる程、熱は増していくのだから。
 
 
  これは愛なんていう綺麗なものじゃない。
  ただ、互いの存在が欲しいだけ。
 
  手に入れる手段がないのなら、
   ねぇ兄サマ。せめて、
  その傷痕でオレを縛っておいて・・・。
 



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 コメント

 遅くなって申し訳ありませぬ;
  ダーク目指してがんばりましたが、なんとなくエロいかんじに。
  しかもモクセトっぽく・・・・。(自爆)いやいや、セトモクですよ。念のため;
  ではでは。この小説を読んで下さった方、読み終えたらPCの前でイヤミな笑みを浮かべていただければ幸いです。

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