D テーマ: なぜヨーガでは呼吸法を大切にするのでしょうか

呼吸法は“プラーナヤーマ”とヨーガでは呼ばれています。

“プラーナ”とは宇宙に遍在する生命エネルギーです。私たち人はもとより、あらゆる動植物、熱、電気、動くもの、生命あるすべてのものは、すべてプラーナによって存在しています。

プラーナが肉体に宿るときに生命が誕生し、プラーナが肉体から消滅するときに死が訪れます。

人間には、目に見える粗雑な物質で形成された肉体と、目に見えない微細な物質で形成されたアストラル体があるとされています。アストラル体などと言われると、見えないだけに、そんなものが存在するのかという疑念が湧いてきます。

しかし、プラーナを“気”と捉えると、もう少し身近な存在として感じられるのではないでしょうか。たとえば指圧やハリ治療などの、ツボや気の通りみちである経絡はプラーナの集まっている場所と理解することができます。今だかつて、人体を解剖して、ツボや経絡が発見されたという事実はありません。しかし、実際にすぐれた整体師の方にマッサージをしてもらうと、グイグイと刺激がいわゆるツボと思わしき場所に肌で感じますし、鍼灸師の方に足指にハリを刺してもらうと、なぜか腰に響く、などという不思議な感覚を体験します。特別な訓練を受けずとも、目には見えませんが、私たちはプラーナを感じることはできます。

では、この生命エネルギーであるプラーナと呼吸の関係はなんでしょう。それは、呼吸こそが、粗雑な現象として存在するプラーナなのです。私たちは呼吸により、肉体とアストラル体にプラーナを取り入れることができるのです。呼吸をコントロールすることで、微細な存在であるプラーナをコントロールすることが可能になります。

そして、プラーナをコントロールすることが、こころ(マインド)をコントロールすることになるのです。こころはプラーナの助けなしに、働くことはできません。プラーナがこころを動かすのです。

私たちはときどき、“あの人にはオーラがある”などと、エネルギッシュで活力にあふれた人を表現することがあります。また、お釈迦さまやキリスト像にも必ず背後にプラーナである光輪が描かれています。

生き生きとした生命力あふれる人生を生きるためには、プラーナを活性化させることが不可欠です。偉人や成功した方々は、無意識的にせよ、活発なプラーナを必ず内在させています。反対に、どうも気力がでない、体調がすぐれない、というとき、プラーナは減少、停滞しています。

呼吸をコントロールすることで、プラーナをコントロールすることができるのです。

プラーナヤーマとは、プラーナを“アヤーマ”(コントロールする)という意味です。

ヨーガでは、プラーナヤーマがこころと身体に与えるプラスの影響を意識的に積極的に利用することで、エネルギッシュな人生を生きることを可能にします。

最近、日本でも食事をとらずに生きることができると主張する方々がいますが(詳しくは「不食」という本をお読みください)、インドでは何十年もプラーナのみで生きている女性ヨギもいます。おもしろいですね。 


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