第28回「肝寿会」肝臓教室

講演2:肝臓病の医療サポート

2014.11.29

講師:垣地 彩

要旨

私は、普段は医事課という1階の総合受付の裏にある事務室におり、今からお話しするような「公費」の申請についてお手伝いをさせていただいています。この業務の担当になってから、約3年半経ちますが、先ほど先生が言っておられたように、肝炎治療の助成制度の充実については、目にみはるものがあり、新たな治療が保険診療で認められるようになれば、すぐに医療費の助成も受けられるような体制が整ってきています。今日は、皆さんもすでにご存知のことも多いと思いますが、肝臓病の医療サポートということで、肝臓病の方が受けられる医療費の助成制度についてお話したいと思います。

まず「肝炎治療特別促進事業」についてです。平成20年4月から始まった国の事業で、B型肝炎、C型肝炎の治療費の一部を助成してくれる制度です。申請先は、住所を管轄する保健所又は厚生センターです。 現在対象となっている治療は、インターフェロン治療、核酸アナログ製剤治療、インターフェロンフリー治療の3種類あります。それぞれ認定基準があり、診断書をかける医師が肝臓専門医に限られるものもあります。助成の内容としては、対象となる治療内容について、月額自己負担額を限度として医療費を支払うもので、月額1万円又は2万円までの自己負担で高額な治療を受けられます。治療を受ける病院や薬局を指定し、それぞれの支払い額を自己負担上限管理票に記載して管理します。

申請する際には、医師の診断書や保険証の写し、住民票の写し等が必要ですので、管轄の厚生センター等にお問い合わせください。申請後、1〜2か月後に受給者証が交付されます。受給者証が交付されるまでは会計を保留にすることもできますので、診療費の支払いについては、医事課にご相談ください。 次に「特定疾患治療研究事業」についてです。昭和47年から開始された国の事業で、国が指定した難病(現在56疾患)の治療費の一部を助成してくれる制度です。申請先は、住所を管轄する保健所・厚生センターです。医療費のうち、病院や診療所では月額自己負担額まで支払いますが、調剤薬局や訪問看護についての負担はありません。

申請する際は、医師の診断書や保険証の写し住民票の写し等が必要ですので、管轄の厚生センター等にお問い合わせください。申請後、2〜3か月後に受給者証が交付されます。こちらも会計保留にすることもできますので、医事課にご相談ください。

特定疾患治療研究事業は「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が平成27年1月1日に施行されることにより、対象疾患のほとんどについて新たな医療費助成制度へ変更となります。対象となる疾患も現在の56から110へと増加し、医療費助成の内容も変更となります。肝疾患では、現在の原発性胆汁性肝硬変、バッド・キアリ症候群に加え特発性門脈圧亢進症、原発性硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎が追加となります。 申請先は、保健所・厚生センターですが、必要書類も一部変更となりますので、該当の方は申請前に保健所・厚生センター、又は医事課にご相談ください。

次に「身体障害者手帳」についてです。平成22年4月から肝臓機能障害での身体障害者手帳取得が可能となっています。障害の原因を問わず認定基準を満たせば取得可能ですが、基準を満たすことはなかなか難しいようです。申請先は、市町村役場の福祉課で、医師の診断書や写真等が必要となります。手帳の等級によっては、医療費の助成を受けられたり、税金の減免、公共料金の軽減等があったり、他にも様々な福祉サービスを受けられるようになります。

最後に「肝炎ウイルス検査事業」についてです。平成22年から開始された事業で、肝炎ウイルス検査が無料で受けられます。保健所や厚生センターで受付し、委託された医療機関で検査を受け、結果も医療機関の担当医から説明されます。検査費用は医療機関から市や県へ直接請求し、その際に検査結果も通知することになっています。

以上、肝臓病の主な医療サポートについてお話させていただきました。今後も何かお問い合わせの際には、医療福祉サポートセンター(内線7798)、医事課公費担当(内線7090)までお気軽にご相談ください。 ご清聴ありがとうございました。

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