2010/2/17(水)
【まぁつまり、そういうこった】
いや〜…
あけましておめでとうございます。
まぁちょっとばかり遅くなっちゃったかもしれないけどもね、ほら、ヒーローは遅れてやってくるとか言うじゃないか。そんな感じの、アレよ。いくらなんでもお前遅れすぎだろ、とか色々あると思うんですが、そういうことで納得してはもらえないだろうか。
というのもね、まぁ、何から話せばいいのかねぇ。
最近ちょっと色々ありましてね、ほら、俺、彼女いるじゃない。その彼女とのね、ん〜、言っちゃっていいのかな、照れるねどうも。まぁその、石田純一的なニュースって言えば分かってもらえるんじゃないかな?
そう、破局です。
結婚?あぁ、石田純一がそんなのも最近したとかいう話も聞いた気がするけど、そうかいそうかい、そいつぁめでてぇや。
というわけでね、参っちゃってたわけなのよ。しかも新年早々よ。そりゃ回復するのに一月くらいかかっちゃうってなもんでしょうが。正月のおみくじは大吉だったし、商店街の福引きでは3等賞あてたし、去年末の友達との麻雀大会ではまさかのダブルリーチ一発面前チンイツドラドラという鬼アガリを経験したというのに、まさかの転落。あれか、大吉の効力を上回って良いことが起こったから神が精算に来たとでもいうのかね。
しかしまぁ、柳沢慎吾的に言うならば、良い夢見させてもらったよ!っつってテンガロンハットを大空に投げあげるみたいな、そういう気分にまでもう今は落ち着いたわけわけだけどねテンガロンハットを大空にわけだけどテンガロンテンガロン落ち着いてますテンガロンわけわけ落ち着いてますます僕はテンガロン。
いやでもね、わけあって詳細書くわけにもいかんのだけれども、大筋を言えば大体皆察してくれると思うからざっと書くとね。
彼女が俺の話を実家でしたところ、親が「じゃあ正月連れてきなさい。一緒に酒でも飲もうじゃないか」と言われたらしく、行くことに。
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正月、彼女の家にお邪魔する。
玄関入ってすぐの棚のところに、びっしりと説法みたいなことが書いてあるA4くらいの紙が額に入って飾ってあったのだが、気にせず居間へ。
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人の良さそうなご両親が「ゆっくりしていってね」のAAよろしく奥へ案内してくれる。
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新年の挨拶をしたのち、お酒を少しいただく。
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朗らかな昼下がり。お母さんが焼いたというチーズケーキをいただきながらお話。
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お父さんが、「キミは今、失業中なんだよねぇ」発言。やはり来たかと思う。
だがそんなのは想定の範囲内。「恥ずかしながら。しかし実務経験もありますので、贅沢を言わなければなんとかなると思います。アテもありますので」
アテなんぞはまるでないのだが、そこは強がっておかないといかんと昔なんかの本で読んだことがあるんだぜ。
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「でも、この時勢じゃ難しいだろうね。あのリーマンブラザーズだって破綻したんだ、大丈夫って根拠なんてものは、この世にほんの一握りしかないもんだよ」
さすがに人の親で年長者だけあって、言葉に含蓄が含まれているなぁと感心する俺に、キツイことを言ったことを後悔してのフォローか、「いや、私は失業してるからどうこうというつもりはないよ。幸いにも日本は、贅沢さえ言わなければ大抵の環境でも生きていけるし順応できるからね。キミが失業してても、それを責めたりする気はないから」
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なんと良き理解者かと感動する俺。
今日からお義父さんと呼ばせていただきたい!
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「しかし、職がないというのはやはりキツイこともあるだろう。そういうときなんか、コミュニティーに入っていると助かるものだよ」
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………ん?
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父「キミは人生において、大丈夫と言える根拠を持っているかい?」
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俺「は…いや、難しいですね…」
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父「世の中にそんなものは一握りしかないんだよ。興味あるだろう?」
ちょっと待ってなさい、そう言って父が入っていった部屋がちらっと見えたのだが、その部屋はね、その、非常にアレなんだ。その辺は察して欲しいわけよ。
で、戻ってきた父が小脇に抱えてきたのは数冊の本。この世の救いがうんたらかんたら、人類に光がなんたらかんたら、とか、そういう類がテーブルの上に厳かに並べられて、父が言うんだ。「これが、救われるという根拠だよ」と。
アワワワワとなった俺が「今こそ俺を救ってくれ!」と彼女の方を見ると、「あらあらウフフ、パパったらはりきっちゃってもう」と、この事態に何の疑問を抱いてないのよ。
本能が告げる。
これはヤバイ、と。
彼女がどういうつもりだったのかはこの時点の僕には知る術もなかったので、とりあえず脳内の「タダチニ帰還セヨ!」というアラームに従うしかないと判断。「すみません、ちょとトイレお借りします…」と席を立ち、鍵を閉め、池山に即メール。
件名:HELP
本文:5分後、電話くれ。頼む!
トイレから戻ってきた俺を、満面の笑みで迎えてくれるご両親。
母の「コーヒーおかわりいれますね」という言葉に「あ、すみません。お願いします」と自然に返しつつ、バイブレーションにした携帯をさりげなくフローリングの床にセットする。頼む池山!と祈り続けて約5分後、ヴィー!ヴィー!!と携帯が激しく着信を主張。俺はわざとらしくならないよう注意しながらびっくりするフリをしつつ、しかしすぐには携帯をとらない。そこで待っていた彼女の一言
「藤月くんの携帯じゃない?」
よし!これで俺の自作自演が多少なり誤魔化せたはず!※テンパッてたせいで作戦が非常に粗いのは見逃すと良いでしょう。
「あ、ほんとだ!すみません、電話が来ちゃって…。少しだけ失礼します」と言いつつ部屋の隅の方へ。
池山「おぅ、メール見たけどどしたん?」
藤月「どしたん?父さん」
池山「ん?フハ、誰が父さんやねん」
藤月「…えっ母さんが!?大丈夫なん!?」
池山「あぁ…、大惨事や…」←ちょっとピンときたらしく、声をひそめる
藤月「で、状態は…?」←大惨事って言葉に吹き出しそうになるのをこらえる
池山「大…惨事や…」←完全に悪ふざけ
藤月「病院は?どこ?」
池山「大惨事病院」←藤月真剣に笑いそうになるのをこらえる
藤月「分かった!すぐ行く!」
2,3秒しっかり深呼吸して気持ちを落ち着け、
「すみません、母が救急車で病院運ばれたらしくて!せっかく歓迎していただいたのに申し訳ありませんが…!」
とまくしたて、俺はもう絶対に帰るんだぜ!というオーラを出しながらいそいそと帰り支度を整える俺。さすがの父もここで俺を引き留めるわけにはいかないと判断したらしく、「そうか、それは急いで行ってあげなさい!そうそう、この本だけでも読んでみると良い」といって俺のかばんに強引に一冊ねじ込んできました。とはいえ、一刻も早くこの場を去りたかったので「ありがとうございます、またお伺いします」とだけ告げ、駅まで全力ダッシュ。
というのが、正月の話なわけよ。
具体的に父が俺に勧めてきたものが何だったのかに関しては伏せますけども、まぁ俺の気持ちとしては、「恐ろしいものの片鱗を味わったぜ」というポルナレフ状態。
結局、後日彼女さんを呼び出して、あれはどういうことだったのか聞いてみたところ、
・彼女は別に熱心な信者ではないが、父と母が熱心な信者
・両親は俺に信者になってもらいたがっている
・彼女はそれで両親が喜ぶのならと、俺に信者になってもらいたがっている
・俺が信者にならないのなら、親はひどく悲しむので付き合えない
そりゃ破局もするわ。
いやね、彼女寝取られたとか、そういう破局よりかはまだ傷は浅いと思うんだ。
今思えば、これだけ良い娘に彼氏がいないっていうのも腑に落ちるってもんだけどさ。しかし凹んだね。無職になったときの数倍凹んだんじゃねぇかと思うもの。
というわけで、藤月の恋物語は幕を閉じちまいやがりましたよ。
はぁーもうゲームだFF13だ。
ヴァニラのパンツみて今日もまた頑張るとするぜー! |