2009/6/13(土)
【アイム・ロスト】
いやあのね、俺はあきらめたよ。
何がって、財布ですよ。財布。出てこねぇんだもの。警察から一向に連絡ねぇんだもの。紛失届出して3日くらいはいつ携帯に連絡あってもすぐ対応できるように神経はりめぐらせてたのよ。携帯鳴ったら即チェック。少し離れた場所に置いてたりなんかしたら、ダイビングキャッチよ。一秒が惜しいと見てみたらモバゲーのマキです!ってやかましいわ!
でも、一週間も過ぎればもう駄目ですよ。こりゃ出てこない。
というか、1ヶ月後とかに出てきたとしてもその間キャッシュカードもクレジットカードも免許証も無いんじゃ不便この上ないんだ。しかもね、最近じゃスキミングとかも結構横行してるみたいだから、とっとと落とした分のは使えなくして再発行したほうが安心じゃないか。というわけで、落とした財布は泣く泣く諦めて新たなスタートを切ることにしましたよ。ちっくしょうめ、人情が恋しいよぅ。。。
というわけで再発行なんだけども、なにはともあれ最初になんとかしないといけないのが運転免許証。別に普段車なんて運転しないんだけども、身分証明書も兼ねてるもんだから、これがないと銀行のキャッシュカード再発行もままならないんだ。すごいね、運転免許証ってやつは。けどまぁこの際だから、免許証の写真を良い写真にする機会だと思ったんだよ。これまでの免許証の写真は下着ドロみたいな顔で写ってたんだけども、そんなもんを身分証明書にするのに嫌気がさしてたもんで、これを機会に格好いい藤月で作ってやろうじゃないかと。服装、髪型、表情までこだわってバシーッと写真を用意したのさ。これで免許証ができるなら、まぁ再発行するだけの価値はあるかな〜とかポジティブに考えないと気が滅入るのよ。
で。この運転免許証を再発行するには警察でもいいんだけども、警察だと結構時間がかかるってんで直接免許センターまで行くことにしたわけだ。俺だと滋賀県の守山市にある免許センターなんだけども、ここまではるばる行ってきたわけ。片道2時間よ。この時ばかりは愛する地元滋賀県を呪いたく思った。
でもこれでとりあえず運転免許証は再発行してもらえるわ〜って思ってたんだ。とにかくこれがないと話にならんからね。で、意気揚々と受付に行ったんだ。そしたらよ。受付のおっさんがこういうわけ。
「先に大津警察に行って手続きしてもらわないと再発行できません」
なんだそりゃ!なんでだよ!って詰め寄っても、再発行に必要な書類は向こうじゃないと準備できない決まりになってるとかなんとか言って門前払いよ。わけがわからん。守山から大津って琵琶湖またぐからメチャクチャ遠いのよ。この面倒くささがわからない人のために例えてみると、ディズニーシーに入って「すいません、ビッグサンダーマウンテン乗りたいんですけど、どこですか?」って聞いたらスタッフに「それはディズニーランドですね」って言われたときくらい面倒くさいんだ。シーに入る前に教えてくれよ!って思うじゃないか。理不尽な怒りだけど、ちょうどそんな感じだよ。
でも仕方ないから、大津警察署にいくことにしたわけ。片道1時間よ。
でね、警察署ついて、事情説明して、書類発行してもらって、時間は14時。免許センターの再発行手続きの締め切りは15時。ギッリギリよ。猛ダッシュで、たまたま電車の連絡とかもスムーズにいったおかげで14時55分くらいに免許センターで受け付けできたんだ。このへん、自分の天運を感じるね。こういうところで間に合うあたり、俺はやはり選ばれた人間よ。そしたらね、受付のおっさんが言うわけ。
「じゃあ免許用の写真とりますから、そこでお待ち下さい」
って。
でも俺はそこは抜かりないわけじゃない。ちゃんと懐から写真を撮りだして、お前さんの欲しがってるもんはここにあるぜって提示したのよ。準備良いわ〜俺。こういう思慮がある男にはいい女が寄ってくるってもんじゃない。なんつって悦に浸ってたらさ。
「写真はここで撮ることになってるんです。それは別の機会にご利用ください」
ん?
んん?
んん!?
「はい、じゃあ撮りますよー」バシャ!
再発行された免許証の中にたたずむ俺は、走り回って髪振り乱し汗だくになった藤月よ。
明日世界が終われば良いのに。 |