後輩 |
:「あれ?どうしたんスか先輩。昼飯それだけッスか?」 |
先輩 |
:「あ〜、ちょっとワケありで金無くてな…」 |
後輩 |
:「コレっすか?」(小指立てて) |
先輩 |
:「ま、まぁ、そんなとこだ」 |
後輩 |
:「ニクイっすね〜先輩」 |
先輩 |
:「はは、まぁ、女は金のかかる生き物だからな」 |
後輩 |
:「だからこうやって稼いでるんスね。かっこいい〜」 |
先輩 |
:「さ、さて、 それじゃあこれからオレオレ詐欺のやり方を教えるからな」 |
後輩 |
:「はいッス。お願いします先輩」 |
先輩 |
:「いいか?まず最初の難関は、相手にこっちの名前を言わせることだ。
「俺だけど」っていう言い方をすれば大抵向こうは「あ、○○か?」っていう感じで返してくるからな。そうなればあとはそいつになりきるんだ」 |
後輩 |
:「はいッス」 |
先輩 |
:「よし、じゃあやるぞ。まずは俺が手本みせるから、お前相手の役しろ」 |
後輩 |
:「はいッス」 |
先輩 |
:「あ、出来るだけリアルにやらなきゃ意味がないから、お前も家の人になりきってやれな」 |
後輩 |
:「分かりましたッス」 |
|
(ジリリリリーン)(ガチャ) |
後輩 |
:「はい、もしもし」 |
先輩 |
:「もしもしお袋?俺だよ俺!」 |
後輩 |
:「え?もしもし?」 |
先輩 |
:「もしもし!お袋?電話の調子悪いのかな?俺だけど!」 |
後輩 |
:「あ、真理子?」 |
先輩 |
:「そう俺真理子!ってオイイィッ!!!」 |
後輩 |
:「な、なんでありましょうか!」 |
先輩 |
:「俺、俺だよ俺って言うたやないか!なんで娘と間違うねん!」 |
後輩 |
:「俺が親なら娘が欲しかったもので…」 |
先輩 |
:「知るかーっバカッ!!こっちは男の声しか出せないんだから、男役限定なんだよ!」 |
後輩 |
:「あぁ、なるほど!了解しましたッス!」 |
先輩 |
:「んじゃもう一回いくから。ちゃんとしろよ」 |
後輩 |
:「が、頑張りますッス!」 |
|
(ジリリリリーン)(ガチャ) |
後輩 |
:「はい、もしもし〜」 |
先輩 |
:「もしもしお袋?俺俺!」 |
後輩 |
:「あ、正太!?」 |
先輩 |
:「うん、正太だけどさ、実は俺しゃっk」 |
後輩 |
:「ちょうど良かった!実はウチのお父さんが借金の保証人になっちゃってて、今日中に500万振り込まないといけないのよ!アンタ悪いけど今から教える口座に速攻振り込んで頂戴!」 |
先輩 |
:「ちょっ…!えぇ!?」 |
後輩 |
:「あぁ!もう時間がないわ!早くお願いね!」 |
先輩 |
:「待て待て待てー!ストップ!ちょっと切れ!」 |
後輩 |
:「おーっと、切って逃げても無駄よ正太!既に逆探知は成功しているわ。あなたが2時間以内に振り込まないと、母さんが雇ったスナイパーがあなたを狙撃するの」 |
先輩 |
:「待てやー!!」 |
後輩 |
:「はい!すみません!」 |
先輩 |
:「アホか!逆に詐欺しかけてくるってどんな親だよ!」 |
後輩 |
:「…えっと、ウチの親ッス」 |
先輩 |
:「………は?」 |
後輩 |
:「この前も「こういう感じでやってみたら相手が金ホントに振り込んで来てラッキーだった。馬鹿な奴がいるものね〜」って笑ってましたです」 |
先輩 |
:「お前の親か」(冒頭へ戻る) |