九月議会報告 決算認定反対討論
スウェーデンの年金2 市民の立場から1
違いすぎる高いレベル
さらに、1954年以降に生まれた人が加入するプレミアム年金があります。その資金も事業主負担で、支払った人件費の2.5%が充てられます。ここにも運用のリスク管理は自己責任とされる制度が取り入れられました。これらの公的年金のほかに非公的年金があり、その一つは労使協約年金です。全国で組織されている労働組合と雇用主の間で成立している年金で、公的年金ではありませんが、組合加入率が90%ですから、ほとんどの労働者に支給されます。その資金も事業主負担です。年金額は賃金の10%相当とされています。それらのほかに民間の年金保険があります。
政治の中心的課題
ヨーロッパや北欧での年金についての関心の高さは日本とは比べ物にならず、年金による老後の生活保障は政治の当然の責任とされています。内容が改悪されるようなことがあれば政変につながりかねない重い課題です。
スウェーデンの場合、従来の年金には上限があり、労働組合に入らない上級管理者や長い年月働くブルーカラーの不満解消などにこたえる目的で実施されたのが2003年の改革で、一部にハイリスク・ハイリターンのしくみが導入されたとはいえ、全体として受ける印象はあくまで「改善」です。日本のように老後の生活を保障できない年金額や制度の信頼が揺らいでいるといったレベルとは根本的に違うと考えたほうがよいと思います。
前段が長くなりました。決算審査で取り上げ、委員長報告には反映されていないテーマもありますので、いくつかについて述べます。
交付税減額に怒りを
第一は地方交付税の減額にもっと怒りを表明すべきだということです。市税の滞納が増えていますが、これは市民生活の困難の表れです。それでも法律や条令で決められた税の滞納は許されません。ところが国は、それ以上に許されるべきでない地方交付税の削減を強行しているのです。国につごうよく法律や制度を変える身勝手を許さず、ムダな公共事業や軍事費を減らし、空前の利益を上げている大企業からキチンと税金をとるよう強く要求すべきです。
カタカナ多用の弊害
パブリック・コメント制度でよびかけたユニバーサルデザインに市民の応募がありませんでした。それはしようがないとしても、たくさん意見がありそうな火葬場についての応募も一件しかなかったのは首をかしげざるを得ません。カタカナ多用の弊害ではないでしょうか。市民の市政参加のために分かりやすい方法、制度を検討すべきではないでしょうか。
交通弱者の足確保を
市民の足としてのバスの、便数の減少で困っている高齢者がいます。地域の連帯を作り出す好機として新しい足の確保のための方策を検討するよう求めます。