九月議会報告 一般質問

不自然な合併の中止を求める1


 都留市と道志村の将来にかかわる合併、とりわけ道志村は村が無くなるかという深刻な問題です。都留市民としてはどう考えればよいのでしょうか。九月議会の一般質問は「合併」に絞りました。今週から全文を連載します。ご意見をお寄せください。


 合併問題に絞って一般質問を行ないます。
 過日行なわれた住民説明会を傍聴し、疑問に思ったことのいくつかについて市長に答弁を求めます。
大義のない合併促進
 今回の合併の本質は、同時に進められている「三位一体の改革」と併せて地方に配分するお金を減らそうというものであり、地方交付税、負担金・補助金の削減を目的としたものです。しかし、地方交付税、負担金、補助金はそれぞれに性格の違うものであり、補助金の一部に不適切なものがあったにしても、地方交付税や負担金は税収の少ない地方の小都市や山村でも国民として必要な行政サービスが受けられることを保障する国の責任を果たすためのものです。その意味で補助金と負担金はまったく性格の違うものであり、これを同列に扱い負担金を削減することなど、本来許されるべきものではありません。とくに、いま問題になっている義務教育費の国庫負担金の削減はまさに国の責任を放棄するものであり、都留市議会はこれまで毎年、国に対して削減をやめるよう意見書を送ってきました。山本知事が知事会の席でこれに反対したことは当然の態度表明でした。
 市長も「この合併は国・地方併せて一千兆円にものぼる借金を減らすためであり、明治の合併、昭和の合併と違って大義名分がない」と言明したように、この合併は地方にとって明るい展望を見出す積極的な意義をもちえないものです。
トンネルだけが問題か
 いうまでもなく、私はこれまで何回もこの問題を取り上げてきました。市長は答弁でも所信表明でも厳密な意味では自らの意志として合併に積極的な姿勢は示しませんでした。今議会でも「両市村の将来像をしっかりと見据え、合併に関するあらゆる研究、協議を尽くし、最良の選択ができるよう取り組んでまいりたい」と述べるにとどまっています。
 ところが市長は、住民説明会では「合併しなければやっていけない」と、内容は消極的ですが、かなり強固な合併促進の意志を示しました。その上で市長は「合併は県道のトンネル建設で決着する」と見ているようですが、はたしてそうでしょうか。道志村の説明会では「違う文化と歴史をもった市と村だ」という発言がありました。また「平らな地域である国中とは条件がちがう」という発言もありました。これは重要な指摘だと思います。間に千メートルを超える道志山塊が横たわり、都留市は桂川とその支流に、道志村は道志川にそって発達した地域です。行政のコストだけでは論じられない、論じてはいけない文化、歴史があるのではないでしょうか。地形的にムリな合併だというのは素朴ではありますが、核心をついた疑問ではないでしょうか。