雰囲気一変、道志村の合併説明会

 合併説明会の舞台は二十四日から道志村に移り、村内四ヶ所で開かれました。都留市と違い村の存続をかけた問題だけに真剣で激しい質疑が交わされました。
よく勉強している村民
 …説明を受けても急には質問できない。村の将来に関わる重要な合併問題、もっとよく村民のなかで話し合ってからこういう作業に入るべきではないか。まったく違う文化を持つ市と村の合併が我々の知らないうちにレールに乗せられ、ゴールから逆算して作業が進められている気がする。
 …平地の国中とちがって千メートルの山で隔てられている市と村の合併はムリ。できるはずのないトンネルができるかのように言って合併を進めるのはサギ的だ。百年のつきあいがあり水で深い関係にある横浜市は道志村が単独で行くことを望んでいるという。村の生き残りのためには神奈川方面との関係を良くする方が現実的ではないか。
 …借金してハコモノを作っても将来が心配。地方交付税が減らされてもそれなりの行財政ができるのではないか。
 …もっと判りやすいメリット、デメリットを示すべきだ。合併した場合の財政シミュレーションを示しておいて合併しない場合のシミュレーションを示さないのは片手落ちだ。
 などなど、多岐にわたる質問、意見が出されました。よく研究していると感心しました。あらためて「認識は反対や異論があってこそ深まる」と痛感しました。道志の村民の本音は合併を望んでいないと見ました。
説得役は市長一人
 市長はあいさつのなかで経済のグローバル化、少子化・低成長時代への備え、交通手段の発達や情報伝達の発達による生活スタイルの変化などの背景説明をし、国・地方の大きな借金を解決するためにサービスを低下させるか税金をあげるしかない、税金を上げるような情勢でないので地方交付税の引き下げは避けられず、合併はそのための究極の行政改革だと語りました。「北欧では上からの合併を強行したが、これは福祉行政をやりやすくするため。いまの合併推進は借金減らしのためで明治、昭和の合併とも違い大義名分がない」と、本音も飛び出しました。
 それでも自治体数を三分の一にする、人口一万人以下の町村をなくすという国の意向を是認する立場に立つなら「合併を迫られているのは(都留市ではなく)道志村」ということにならざるを得ず、市長が一人で質問者を説得するというやり取りになりました。
北欧の国民負担は日本の二倍?
 市長は「規制緩和で競争が求められる新自由主義経済が世界を覆っている。そのもとで福祉先進の北欧でも国民の税・社会保障負担は収入の70%、日本の二倍になっている」と北欧視察の「成果」を披露しました。北欧の福祉にケチをつけて日本の悪政を合理化する、そのための視察だったのでしょうか。福祉先進国のすばらしさでなく、そんなことを勉強に行ったのかとガッカリでした。機会を見て厳密な反論をする予定です。