合併説明会を傍聴しました
八月九日から道志村との合併の「住民説明会」が開かれています。十八日までに盛里、宝、三吉、開地、谷村(二回)で開かれました。引き続き東桂、禾生、それに道志村(四回)で開かれます。
国いいなりを証明しただけ
約一時間の挨拶と説明(経過報告、合併スケジュール、協議の方法及び状況、新市将来構想など)のあと、質疑が行なわれます。前号でも書きましたが、説明はまったく一方的で、肝腎の「何のために合併するのか」についての説明は質問に答える形でされました。
…合併せずに単独で行ければよいが、交付税も補助金もどんどん削られている。都留市も道志村も交付税の割合が非常に高く、市村税は人件費で消えてしまう。そこで合併して特例債や交付税の上乗せ分で消防庁舎、火葬場などの建設に充てたい…
「単独で行ければいいが」は枕言葉、本音は後半の部分です。合併で入るお金で事業をしたいのでしょう。何度も言うようですが、地方交付税も補助金も国が一方的に、しかも限りなく減額できるというものではありません。ましてやまったくゼロになどできるものではありません。今は「綱引き」という状態で、今年度の大幅な減額には地方から憤激の声が高まり、政府も譲歩せざるを得ないという情勢です。そういう情勢のもとで交付税や補助金が来なくなるから合併しかないと市民を説得にかかるのは「国」を喜ばせるだけであり、「地方」の立場を忘れたものです。しかも合併特例債や交付税の上乗せ分は、そのまま交付税の代わりにはなりえないものです。
さらに合併協から離脱した西桂町についての質問に「公共事業費と職員も大幅に減らせばやっていけると考えているのではないか」と説明しましたが、合併しない自治体は全国にはいくらでもあります。合併しても都留市より小さい町もあります。合併しないと決めた市町村は「国いいなりの合併はしない」という立場で自治体の将来像を描いています。
核心を突いた質問も…
少ない参加者を取り囲むように説明員や協議会委員が座り、質問者は自治会名と氏名を名乗るという運営に、「気軽に発言しにくい」という声もありました。そのせいか一晩に二人程度の質問者でした。それでも発言した中には核心をついた質問がありました。
…「新市の将来構想」で「農林漁業の担い手育成対策」というが農業で喰っていけないのにどうやって後継者を育成するのか。市内の森林は伐期に来ているが「出し」に金がかかり誰も手をつけない。「林業施設の整備」というのはそのための林道建設を意味するのか。
…道志の村長はトンネルを強調したが、トンネルはできるのか。トンネルができなければ合併はしないのか。
いうまでもありませんが、確たる回答はできません。説明員の回答は「将来構想のパンフレットは両市村の長期計画をまとめただけ」でした。まったく不真面目です。最後には「道州制が決まれば合併なんか問題でなくなる」という投げやりな説明さえ飛び出しました。
理屈よりも「合併ありき」の説明会でした。