11日付「赤旗」日曜版1ページで、井上ひさしさんが言っています。「結党から八十二年間、戦争に反対しつづけてきた骨太さも貴重な資源です。この資源を私たちが活用しない手はない」と。この表現、納得です。
戦前に戻してはならない
甲府駅前の演説で小池晃比例候補は言いました。「国会に日本共産党がいなければどうなっていたでしょうか。年金法案のウソも分からず、他の野党が欠席した国会で、国民の立場にたった反対討論もなかったでしょう」と。
日本共産党がいなかったら…。それは戦前の議会です。戦前、政友会と民政党は侵略戦争の積極的な推進者でした。社会大衆党も、中国への全面戦争の開始を支持しました。そして社会大衆党、政友会、民政党の順に解散し、戦争遂行のための協力組織「大政翼賛会」に合流していきました。その時、日本共産党は弾圧によって党中央の機能を破壊されていました。獄中で、戦時下の法廷で果敢にたたかっていましたが…。
いま、戦前回帰、九条敵視勢力は自・公・民の与野党にわたっています。この選挙ではあからさまに改憲を主張しています。社民党が最後まで踏ん張れないことは、かつて安保を認め、いま憲法を変えるという民主党の候補を推薦していることで分かります。
戦前との違い、それは日本共産党が公然と活動していることです。「戦争をする国にしてはならない」の思いを受けとめる党として…。
「九条の会」を無視した新聞
政党で「護憲」をつらぬいているのは日本共産党だけです。しかし、ここに力強い味方が現われました。改憲に反対する国民運動の中核となる「九条の会」です。六月十日でした。
メンバーは加藤周一、大江健三郎、小田実、鶴見俊輔、奥平康弘、三木睦子、澤地久枝、梅原猛、井上ひさしの九氏。いずれも日本の知性と良識を代表する第一級の人たちです。
「会」発足と「アピール」を発表した同日の記者会見には、新聞、テレビを中心に約八〇人の取材陣がつめかけたといいます。
もちろん「赤旗」は日刊、日曜版ともトップで最大の扱いでした。ところが、大新聞はこれをまったく無視したのです。私は目を疑いました。その後知ったところでは「朝日」と「毎日」はごく小さく取り上げたようです。しかしその扱いはまるで「だれも見ないように、見つからないように書いた」のではないか(ジャーナリスト金子奎氏)というほど目立たなかったそうですから、私が見落としたのは当然かもしれません。
こうして、「憲法」で報道の公正さを投げ捨てた大新聞が、選挙終盤で「憲法が問われている」とは書かず、「自民対民主」を大きく突き出した報道をしています。とんでもない世論操作です。
党派を超えて支持を
小池さんは「党派を超えて支持を」と訴えました。党派が争う選挙なのに、です。しかし、憲法と年金・消費税=平和と暮らしの根本が問われていると考えれば納得できます。狛江市民は一対八の力関係をはねのけて共産党員市長を再選させました。正念場の選挙です。どうぞ最後まで支援の輪を広げてください。