(前号より)
しかも、いま東北アジアでは北朝鮮を取り巻くすべての国が参加する六ヵ国協議が進められようとしており、そのなかで中国が積極的な役割を果たそうとしています。この協議がどう進展するかは予断を許さないものがありますが、北朝鮮は戦後処理を終わっていない唯一の国ですから、日本がそのことをきちんとふまえて対応をするなら、北朝鮮の核問題、無法な拉致問題の解決にも展望が出てくるのではないでしょうか。
平和こそ世界をリードする力
見てきたように、「国連憲章の平和の精神を機軸」とする世界の本流から見ると「安保機軸」はまったくの逆流、よどみです。そして世界の平和の流れに合流しているのが日本共産党だということがはっきりしてきています。
このように日本共産党の「自主独立・平和」の野党外交は力を発揮し、話し合いの平和外交が急速に広がっています。このうえに日本の国そのものが、「安保」から抜け出し、憲法の精神で「自主独立・平和」の外交をすすめるなら、日本の前途、21世紀にはこの上ない明るい展望が開かれるでしょう。
逆流だからこそ必死
現実は、逆に自民党政治のゆきづまりを打開しようと財界主導で「安保機軸」の「保守二大政党」がつくられました。これは逆流だからこそ、追いつめられているからこその延命策なのです。憲法改悪や消費税引き上げなど、アメリカと財界を主人公とした体制のいっそうの強化で乗り切ろうとしているのです。
それでも逆流はあくまでも逆流であり、国民との矛盾、ゆきづまりを根本的に打開できるものではありません。平和の問題、経済の問題、とりわけ国民生活の問題で矛盾を激しくせざるを得ません。それはいま、まともな解決の道筋を示せない年金問題一つみてもあきらかです。
そのうえでなお言えば、私たちはこの体制が「国民にすぐ見抜かれ崩壊する」と楽観的に見るとか、逆に「定着し永久に続く」と悲観的に見たりするような単純な見方はしていません。それは私たちの努力次第だからです。
ただ二大政党体制が続いているアメリカ、イギリスと違い、日本には歴史と実績のある日本共産党があります。草の根で国民と結びつく党の存在、これは大きな違いです。
逆流阻止の張り合いある仕事
いま私たちは一喜一憂せず、草の根から逆流を食い止める力を築き、世界の流れに合流する日本を二十一世紀の早い時期に実現することが求められていると思っています。その実現には時間がかかるかもしれないし、案外早いかもしれません。はっきりしていることは初めに書いた「ベトナムとイラクの違い」に示されるように、紆余曲折はあっても歴史は必ず「前に進む」ということです。そしてそのために働くことは張り合いがあり、楽しいものです。
「赤旗」読者のみなさんと力をあわせて、新しい年をそういう展望へ足がかりをつくる年にしたいものです。
夏の参院選はその第一関門です。ぜひ、大きなご支援をお願いします。(了)