十二月議会報告A 「自衛隊のイラク派遣反対」請願
「継続審査」に反対
十二月議会最終日、「自衛隊のイラク派遣反対」の請願が継続審査になりました。私はこれに反対し、採択を要求しました。
自衛隊海外派遣は憲法違反
自衛隊のイラク派遣はなによりも憲法違反です。
閣議決定された自衛隊の装備を見た人はだれもが「日本の軍隊がイラクに行く」と見たでしょう。
装備は重装備で、まさに軍隊です。イラクで自衛隊が攻撃され、攻撃する事態は十分に予想されます。自衛隊は自衛のための軍隊で、日本を守るために作られたと、その時々の政府は強弁して来ました。しかし事実は、米軍と一体で行動する役割をもっていることは毎年予算化される五兆円近い軍事費の使い道を見ればあきらかで、自衛隊のイラク派遣は、ついにその本性をあらわにしたことになります。
国民は平和で豊かな生活を望んでいます。小泉首相は国民の生活に痛みを強いるばかりか、今度は平和をも脅かしています。そして、小泉首相はアメリカに協力するのが国際貢献であるかのように言いますが、これはまったくの認識不足です。国際世論は平和志向であり、国連中心の話し合い路線が主流です。その典型は東南アジアです。
東南アジアの大きな変化
ベトナム戦争当時、東南アジアはアメリカ主導のSEATO(東南アジア条約機構)という軍事同盟がありました。その条約の下で、アメリカ言いなりにベトナムに軍隊を派遣していました。しかし、ベトナム戦争が終わりSEATOは解体しました。新たに作られたASEAN(東南アジア諸国連合)の十カ国にはアメリカの基地も軍隊も存在しません。
貧しくとも、アジアのことはアジアで決めるという考え方がASEANの共通の思想になっています。安保機軸といいながらアメリカの州以下の扱われ方をし、金も軍隊もアメリカ言いなりに差し出す日本の政治が、こうしたASEANの尊敬を得られるでしょうか。憲法の平和の精神に立ち返ることこそ世界の信頼と尊敬を得る唯一の道であることをいまこそ確認することが必要です。小泉首相にその認識がないのであれば地方から、その声を上げるべきではないでしょうか。
市議会の歴史と伝統
都留市議会はこれまで平和の問題で重要な役割を果たしてきました。他市に先駆けて核兵器廃絶平和宣言の請願を採択し、市は非核平和都市宣言をしました。議会主導でした。市はこの宣言のもと、毎年原爆パネルを展示し、八月六日と九日には広島・長崎に黙祷をささげています。一昨年、9・11テロのあと、アメリカのアフガニスタン攻撃が憂慮されているさなかの十二月議会では「平和的解決を」という意見書を採択しました。こうした都留市議会の歴史と伝統を考えるとき、今回の、委員会の「継続審査」という結論は憲法を守れという市民世論にも議会の伝統にもそぐわないといわざるを得ません。
私は、自らのこれまでの人生と議員生活において、これほど重大な場面があったかと自問しました。今の憲法のもとで育てられたことを至上の恩恵とする立場から、そして、それ以上に都留市議会の名誉にかけて、自衛隊の海外派遣に反対の意思表示をすべきと考えます。日本の針路を過たせてはいけないという、おそらく議員共通の思いを、請願の採択という形で表していただきたい。それは都留市民の良識の声として必ずや高い評価を得ると確信します。