職員給与は低いほど良いか

 先週お知らせしたとおり、十一月二十七日の臨時議会で職員給与の引き下げが決まりました。以下、私の質問と反対討論の要旨です。

七市で最低の給与
 問 不況と民間格差を理由とした賃下げは何年目になるか。
 答 五年目になる。
 問 市職員のラスパイレス指数(国家公務員を100とした場合の比較)はいくつか。旧七市での順位は。
 答 ラスパイレス指数は94・1。旧七市では最下位。

賃下げ・不況の悪循環に
 私は三点について反対の理由を述べます。
 その第一は、今回の賃下げが単に市職員だけの問題でないことです。
 今回の措置は全国では七百五十万人の公務員と公務関連労働者の暮らしに打撃を与えるだけでなく、年金や恩給の給付削減、生活保護の給付削減など、数千万人の暮らしに影響、打撃を与え、困難にするものです。
 さらに民間から公務員、公務員から民間へと繰り返される賃下げの悪循環を、社会的な規範性をもつ公務員賃金の性格を利用して促進することとなります。これを認めることは全ての労働者賃金のいっそうの引き下げにならざるを得ません。
 度重なる職員給与の引き下げは地域の民間労働者の給与の引き下げに連動する危険性大です。また、地域の消費、購買力の低下をもたらし、地域経済に大きな打撃を与えることになります。
 第二は質問で明らかなように市職員の給与水準が決して高くないことです。
 政府は国家公務員の賃金を上回る地方公務員の給与を引き下げるよう圧力をかけていますが、百歩ゆずってこれを認めるとするならば、国家公務員を下回る地方公務員の給与は引き上げるべきではないでしょうか。
 第三は、「不利益不遡及(不利益となる処分・措置はさかのぼって適用されない)の原則」に反するとともに、地方自治、地方議会への不当な介入であり、地方分権の精神にも反するという点です。
 「不利益不遡及の原則」は行政に関わるものの常識です。市職員にこの原則が適用されないことは極めて不当であります。さらに、期末手当の支給に関する措置ということで、十二月議会の開催を前に、この臨時議会が召集されましたが、議会の召集は地方の権限に属することです。地方議会の開催時期に介入する結果になった今回の給与改定は単に議会の問題にとどまらない地方自治への介入にほかなりません。
 私はあらためて、かつてある市長が「職員給与を上げたい。職員がはりあいを持って仕事をできるようにしたい」と語っていたことを思い出します。
 小林市長が、国の方針のままに、また市の財政再建のために職員給与の引き下げを実施することに、安易過ぎないかという思いを抑え切れません。地域経済の強化、経費削減に、もっと衆知を結集できないかと思います。今後の検討を求め、反対討論とします。