桂川特別委員会が方針討議



 八月二十七日、桂川流水利用特別委員会の二回目の会議が全員出席のもとで開かれました。
 会議では小俣武委員長・熊坂栄太郎副委員長から以下のような行動計画(案)が提案されました。
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 最終的には議会として国土交通省と交渉するが、その前に以下のような調査をし、その過程で市民へのアピール活動を計画する。
★国土交通省と東京電力の流水占用契約の内容確認
★発電施設所在市町村交付金の交付条件の確認と経緯調査
★交付金についての早川町の見解
★家中川その他農業用水の利用権限の規定確認
★東京電力の施設と周辺住民の関係
★川上自治体と川下自治体の関係=道志村と横浜市、丹波山村・小菅村と東京都、上野原町と神奈川県など
★富士川水系と東京電力の関係
★全国の類似自治体の動向
★国・東京電力の動向
★水資源と水環境についての世論の動向
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 会議ではこの提案に沿って討議をし、必要な資料の収集を市の担当課に要請しました。これから特別委員会の活動が本格的に始まります。
不破議長と辻町長の出会い

 ダム所在自治体全国協議会山梨県支部の支部長(全国理事)は早川町の町長です。ご存知のように県内で唯一、「合併しない」宣言をしている、骨のある首長です。
 この町長辻一幸さんが、不破哲三議長と会っています。以下はちょっと長くなりますが不破議長の著書「回想の山道」の中の「白峰三山――展望と花と歴史と」からの抜書きです。

 第三日、今日は最後の下り。…大門沢はもう堂々たる流れになっている。最初の吊橋に出ると、そこが発電所の水の取り入れ口。…大門沢はまもなく野呂川(早川)に合流、その合流点に西山発電所がある。
 野呂川沿いの車道を歩いてびっくりしたことは、大門沢にくらべ河原の幅は十倍にもなった感じなのに、さきほどまでとうとうと流れていた水がどこかへ消えてしまったことだ。長い橋を渡りながら河原を見下ろしても、水の流れの筋がない。…発電所ということで、水はもっぱらダムに貯められ、地下の水路に流し込まれ、河原の表面にあらわれるのは、それこそ特別の放水のときぐらいのものなのだろう。
 野呂川の渓谷といえば、白鳳渓谷の名で知られる名勝のはず。それが、水なしの渓谷とはと、おたがい慨嘆して歩く。…
 その夜は宿で熟睡。翌朝、ワゴン車で出発しようとすると、所用で宿を訪ねてきた早川町の町長と玄関先でばったり。私とわかって声をかけてくる。…短い会話でしかなかったが、「早川町の人口は開発の進行とともに何分の一にも急減してきた。発電所はいらないから、川に水をかえしてほしい。自然をかえしてほしいというのが、みんなの気持ちです」という嘆きの言葉は、水のない河原を見た昨日来の感慨をもあわせて、奈良田を去る私たちの胸に残った。

 一九九一年、詩心と郷土愛の偶然とは思えない出会いです。