大きな、大きな組子作品



挿絵1  三月二日、ミュージアム都留主催のイベント「ホテルオークラ『麻の葉文』鑑賞と都内博物館めぐり」の日帰りツァーに参加しました。

女性中心の参加者
 参加者は四十人、女性の参加者が圧倒的多数でした。私にとっては知り合いもいれば初対面の人もいましたが、みなイベントの趣旨にふさわしい落ち着いた雰囲気をもった人ばかりでした。
 八時、ミュージアム都留に集合、佐藤重雄さんの作品や経歴などについて説明を受け、九時前に出発しました。バスの中では「職人衆昔ばなし」(斉藤隆介著)のなかの「二代目源さん組子ばなし」を関口幸恵さんが朗読してくれました。また佐藤重雄さんの仕事ぶりを撮影したNHKライブラリーのビデオがミュージアム都留の伊藤さんのナレーター入りで放映されました。これで参加者の予備知識は十分になりました。

美しい麻の葉の十間
 ホテルオークラに着くと外壁の飾りに組子の紋様が擬してありました。このホテルでは組子を「売り」にしているようでした。見学目的の麻の葉の組子は入ったロビー正面にありました。二間四方の麻の葉の大きな組子、それが横に五枚です。ロビーが広いので一つの単位が二間四方もあるようには見えません。近くに行き見上げました。
 見る角度によってさまざまに変わる光の印象。ほかの施設との調和もよく、「すっきり完璧」でした。写真を二十枚ほど撮りました。
 緞子(どんす)の仕切り壁の向こう側が食堂で、残りの五間分の麻の葉はそちら側にありました。
 これで「六万枚の部品で二十間」のすべてです。
集合に遅れて汗かく
 ホテルオークラを出て、東京国立近代美術館工芸館と同本館を見学しました。
 ここで大失敗。「元国鉄」で時間にはうるさいつもりだったのですが、写真や絵をメモしたりして見ているうちに時間オーバー。気がついたらまわりに同行者が誰もいません。走りに走りました。ようやくバスに着き、乗り込んだとたんにみんなの笑いに包まれてしまいました。汗が止まりませんでした。恥ずかしかったこと。
 こういう「うっかり」は佐藤重雄さんのような「名人仕事」とまったく対極のものです。笑われたのはそのせいかもしれません。