樅の木:交響曲フィンランデァで知られるジャン・シベリウス(1965〜1957)の作品。<樹の組曲>とも呼ばれる<5つの小品>の1つで、1914年<アイノラ壮>にこもり樹々との対話によって生まれた。フィンランドは北欧の森と湖の国である。

2004年          
4月14日 3年前にJS 先生の弟子のH先生に教えていただいたことがあるが、もう少し練習したら何とかなるかもというところで終わってしまったので心残りがしていた曲の1つである。(H先生は若かったので、いろいろな曲に挑戦させてくださった。が、どの曲も力が及ばず、...という感じだった。)レッスンの最後の5分というところで<樅の木>の譜読みをした。
4月21日 エルガーの<愛の挨拶>で失敗して以来、小心者であがり症ということを自覚し、発表会の曲だけは暗譜するようにしている。不思議なことに発表会の曲は気合が入り暗譜ができる。(忘れるのは早いが...)<樅の木>ももちろん暗譜をして発表会に望むつもりでいたが、先生に暗譜はいつまでできるかと聞かれた。暗譜を強要されたのは初めてである。しっかり教えているJS先生はご自分の生徒として恥ずかしくない演奏をさせたいのだと思う。さすがである。有難い事である。できる限り、早く暗譜しよう。
4月28日 先生が<樅の木>を通して演奏してくれた。同じピアノで同じ曲のはずなのになめらかで別の曲に聞こえた。先生はこの曲は暗譜されているようだ。一歩でも先生の演奏に近づきたいものである。
5月12日 発表会の曲として、<樅の木>を選曲したのは和音が少ないこと、つまり音符の数が少ないので暗譜が楽ではと思ったからだった。流れるように弾くところは右手と左手のどちらを使っても良いのだが、どちらの手で弾いているかわからないようにということ...わたしの演奏は「左手です。右手です。」というように聞こえてくるそうだ。この曲に対する認識も甘かったようだ。<シルエット>はおしまいになった。
5月19日 ペダルは踏み方(浅く、深く)によって効果が違うらしい。私には浅く踏んだ時の音と深く踏んだ時の音の区別がつかない。英語のRとLの発音の区別と同じように全くわからない。浅く踏むことがむずかいことだけはわかった。浅く踏み続けることができないので、深く細かく踏んでもよいことになった。どのように違うかはわからないが深く細かく踏むことは何とかできるかもしれない。聴覚の発達はかなり以前に止まってしまっているのだから仕方がない。
5月26日 <8小節のツェルニー:20番>左手の3度重音のレガート(滑らかに)の練習曲、指の移動を上から行った場合、下から行った場合、どちらがレガートに弾けるか試した。上からのほうが自然な感じだった。<樅の木>の方も重音ではないが指使いを直された。使う指を少し変えただけで、めりはりのある音になった。今日も密度の濃いレッスンだった。
6月9日 ピアノは歌っているのだから息継ぎが必要らしい。先生のようにピアノと身体が一体になれば自然に息継ぎの場所もわかるのかもしれない。修行の足りないわたしはわからないのでどこで息継ぎをするのか教えていただいた。アルペジオ(流れるように弾くところ)の下りが転がっているのを直すようにもいわれた。上り部分を休んで何度も何度も練習するのが宿題となった。能力のない者は地味な努力があるのみである。
6月16日 <樅の木>の聴かせどころアルペジオの部分は音がしっかりしてきたのでテンポを上げるように言われた。スタッカートで弾いたり、符点で弾いたり、いろいろなリズムを変えて何度も練習する以外方法はないそうである。
6月23日 発表会が近づいてきた。先生に暗譜ができているのだから楽譜を持たずに出たらどうかと進められた。暗譜はしているものの楽譜を置かずに舞台に上がる勇気が出ない。40年前の私なら、暗譜ができているのに楽譜をお守りとして持ってでるなど考えなかったと思う。舞台の上では楽譜は眺めていても見ている余裕もないのも事実であるが、お守りが必要である。年々気が弱くなっているのを感じる。
7月5日 ピアノの先生をしている友人の家に行き、<樅の木>をみてもらった。メロディが響かず、フィンランドの樅の木の壮大さが伝わらないということだった。ペダルに頼り、符点二分音符のところを離していたのが原因だった。忙しいのに2時間近く教えてくれた。(手作りのケーキもおいしく、久しぶりのおしゃべりも楽しかった。)感謝!!まだまだではあるが、なんか一歩前進した気分である。
7月7日 久しぶりのJS先生のレッスン。JS先生よりももっともっと実力のある友人の指導で2週間前よりもずっと上達していたらしく、どういう練習をしたのか尋ねられた。友人の指導を受けたことに気がつかれたかもしれない。(今までの先生たちとは違い、友人に教えてもらったことはJS先生には言えなかった。)符点2分音符を押さえたままで他の和音を弾くのは難しいからペダルでと思っていたけれど、押さえたままの方がメロディもはっきりするし深みも出るので、できるようなら、押さえて弾くようにということになった。
7月14日 リズムの乱れを指摘された。どんどん<樅の木>が難しい曲になっていくようである。
7月21日 <Lento:緩やかに>というところだが、友人の教えのとおりの速度で、シベリウスの雰囲気を出しながら弾いていたつもりだったが、ゆっくり弾くのは速く弾くより難しく、メリハリがつかないので、符点2分音符を伸ばす前の速度で弾くことになった。友人の演奏法の方がこの曲を理解していていると思うし、そうしたいが、速度はJS先生のおっしゃるとおりに弾くことにした。JS先生はシベリウスをあまりご存知でないかもしれない。持っているCDも友人の弾き方である。それとも、私の演奏が未熟なので、ゆっくり弾くことで粗が目だつのを心配されているのかもしれない。発表会は来週の木曜である。
7月28日 発表会、前日。最後のレッスン。今日は指の訓練も、ツェルニーもせずに<樅の木>のみの練習となった。いつもは小さな防音室でレッスンを受けているのだが、今日はホールが空いていたのでそこでリハーサルをした。先生に「本番!!」と一言言われただけで、緊張してしまい、思わぬところでミスをした。本当に困ったものである。
7月29日 この1年、基礎練習を積んだので、去年よりもうまくなっているかもしれないなどと期待していたのが、災いし、最初から最後まで震えていた。テンポも速く弾いたのか遅く弾いたのか何がなんだかわからないで終わってしまった。しかし、ビデオを見たら、それほどひどい演奏ではないのが不思議である。(甘い自己評価!!)