PENTAX  SP        世界初のTTL測光

世界初、TTL測光の実現

ペンタックスというメ−カ−は一眼レフの開発で世界初ということが得意である。まずクイックリタ−ンミラ−、そしてレンズの自動絞り、そして今回のTTL測光である。しかし、その割に地味なメ−カ−で、ニコン、ミノルタ、キヤノン等と比べると宣伝がへたくそである。まじめ一辺倒で通している。
あれは何のCMだったろう?「ペンタックス、、ペンタックス、、望遠だよ、広角だよ、、」というセリフでアニメの黒い人が歩いていくというものである。ペンタックスのCMで覚えているのはこれ一つである。

さて、このTT測光方式、開発には大変な苦労があったらしい。ボディにSPOT MATIC と
書かれている。これは今の時代に見ればおかしい。今ならスポット測光とはピンスポットのことを指す言葉。ところがこのSPは平均測光である。何故こうなったのかというと、開発当初は黒いしゃもじがファインダ−の中に出てきて測るという本当のスポット測光であったのである。しかし使い方が難しくて一般向けではないということで結局平均測光で落ち着いたということである。
平均測光にしたことで誰でも使えるようになったという点で大正解であったと僕も思う。というのはスポット測光は、写真がよくわかっている人しか使えない。どの部分を測るかによって露出値が大きく変わるからである。

このカメラのマウントがプラクチカスクリュ−マウントであったことが爆発的な売り上げの原因の一つにもなっている。当時の一眼レフのマウントは半数以上がプラクチカマウントであったのではないだろうか。当然世界のプラクチカマウントのレンズが装着できる。しかも絞り込み測光である。どんなレンズも正確に露出値を測る事ができて誤差がすくない。

ボディの大きさは見た目はそれほどではないが、手に持ってみると意外とスリムであり、しっくりと手になじむ。う〜ん、一眼レフ、そんな感じのカメラである。

みのかんのSP
露出計が壊れているということで7000円だったと思う。ブラックボディということで迷うことなくこれを求めた。もちろん水銀電池の液漏れだったのですぐに修理した。問題は水銀電池の入手であるが、いろいろ調べたらLR41がなんとか収まるということがわかった。露出補整はもちろん必要であるが。
このカメラが当時F1.4の標準付きで51000円。決して安くはない価格である。発売は1964年、といえば東京オリンピックの年である。大学での初任給が12000円くらいではないかと推定すると、げげっやはりとんでもなく高いカメラである。


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