OLYMPUS  35SP、UC  

オリンパスレンズシャッタ−機の最高峰

 

当時のスペックをすべて詰め込んだカメラ
発売は昭和44年(1969年)4月。UCは昭和48年(1973年)10月。

この時代、オリンパスはハ−フサイズの終わりにさしかかっている。この前に発売されたモデルがトリップ35だが、これとてハ−フが売れなくなるという意見も出たくらいであるが、それからちょうど1年後、フルサイズでレンズシャッタ−の最高級カメラを作っているのだから、オリンパスという会社は実に小回りのきく会社である。
さて、スペックであるが、当時の最先端スペックをすべて組み込んでいる。
まずこのカメラ最大の特徴であるスポット測光である。ちょうど距離計二重像合致部の面積がその範囲となっている。次にフラッシュマチック。AEはプログラム式でマニュアル露出は当然可。ライトバリュ−もやりやすくできている。僕の持つオリンパスのレンズシャッタ−の中では一番好きなカメラである。

レンズは準広角42mmでF1.7である。割合使い易い焦点距離である。全体的なデザインも無駄がなくよくまとまっている。何よりも名前がいい。SPである。SPといえばペンタックスの一眼レフ、それから恐れ多いニコンSPなどがあるが、やはりここは庶民のカメラ、オリンパスSPが一番である。
4年後にオリンパスUCという同じカメラを外観変更のみで9000円高く価格を設定して発売しているところを見るとやはりこのカメラはいいカメラであるといえるだろう。

みのかんの35SPとUC
実はこのカメラは3台目である。一台目はシャッタ−粘りで修理しようとして逆に壊してしまった。今ならそんな馬鹿な事はしないが、粘っているシャッタ−羽にクレ556を吹き付けてしまったのである。もちろんさらに粘ってしまい、そうこうするうちにジャンク。
2台目は十日町のちんころ市で、雪の中での撮影。やがてみぞれになって見事にカメラを濡らしてしまい、シャッタ−そのものが駄目になってジャンク。そして今の3台目もジャンクを買って、今までのジャンク2台の部品を使って一台の完動品を作り上げたもの。いってみればサンコイチみたいなものである。

UCのほうは、何かのついでに買ったもので、実はSPと内容が同じだとは知らずに買ったものである。外観はまったく違うカメラに仕上がっているのだから無理もないのだが、SPと同じスペックと知ったときには本当に嬉しかった。
どういうわけかUCのほうがすべてにおいて調子いいが、デザイン的にはやはりSPのほうが好きである。
持ったときにわくわくして心がときめくようなカメラというのは、そうざらにあるものではないが、このSPはそんな気分にさせてくれるカメラである。

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