フジカ G690BL、GM670プロフェッショナル

  

         G690BL 65mmF8付                 GM670 100F3.5付                   

レンズ交換できる69カメラ

記念写真や観光写真を撮る写真家からの要望がきっかけで作られたカメラである。距離計連動で透視ファインダ-、レンズ交換ができるということは、いわゆるライカと同じである。違うのは35mmフィルムの代わりに120のブロ−ニ−を使うという事である。
機動性を考えれば誰でもが当然のように考えるカメラである。しかしどこのメ-カ-も作らなかった。それは何故か?まつたくわからない(笑)。
ライカのように横走りファ−カルプレ−ンシャッタ-にすれば簡単そうだが、なにしろ69のサイズである。恐らく幕速の精度が出ないのではないだろうか。しかしペンタックス67では67サイズとはいえ、これを実現している。こちらは一眼レフではあるが。

フジカではこれをレンズシャッタ−で実現した。観光写真の需要に応えて、ロ−ルフィルムとシ−トフィルムの両方が使えるというものである。当然、観光地の観光写真では団体さんが見学し帰るまでに写真を渡さなければならないから、一枚ごとに現像できるシ-トフィルムはありがたいわけである。しかも、フジはフィルムメ-カ-である、こちらはお手の物。こう考えてみるとフジがこのカメラを開発したのは必然的ともいえるかもしれない。

G690BL
発売は1969年10月。
このカメラは初代G690の改良型である。G690ではレンズ交換の際に遮光幕を引かなければならないという警告マ−クが出たが、ロック機構はなく、うっかりするとそのままレンズ交換をやってしまうというミスがあった。これを改良しロック機構をつけたもの、つまり遮光幕を引かなければ絶対にレンズ交換ができないようにしたものである。
フィルム巻き上げレバ−は2回巻き上げ、B、1〜1/500秒、交換レンズはバヨネット専用マウントで、レンズは標準100mmF3.5、広角65mmF8、望遠150mmF5.6、180mmF5.6があった。
発売の翌年が大阪万博。このカメラはよく使われたらしい。この万博は日本人の半数が出かけたというから、日本人の2割が、もしかしたらこのカメラの前に立っていたのではないだろうか。

GM670
発売は1974年1月。
上記G690BLを67サイズにして精度その他の点で信頼性を高めている。同時発売として露出計を組み込んだAE100F3.5と広角50mmF5.6、65mmF5.6がある。

みのかんの2台距離計中判カメラ

最初のG690BLは大阪の人から買ったものである。もしかしたら大阪万博で使われていたのかもしれない。付いてきたレンズが65mmであったのは嬉しかったが、開放F値が8である。ちょっとした曇り空の日陰では手持ちが無理になり、いつも三脚につけた690BLを担いでいた。これは重くてしんどかった。

標準の100mmF3.5が欲しかったが、レンズのみの単体はなかなか無くて、半年くらい前にヤフオクでGM670の100mmの付いているのをみつけて、ぎりぎり入札して手に入れたものである。
690のボディに100mmというのは沢山あるが、こんなに大きなボディである、同じボディ2台は要らない。ところが今度のは67である。安かったし本当に嬉しかった。恐らく市販の半値であろう。

本当はマキナ67が欲しかったのだが、この670も似たようなものである。レンズがニッコ−ルとフジノンの違いでしかないわけである。

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