銀カメ文学と写真>父との思い出 3

 

 

 

父の思い出(3−3)

 父が亡くなったという知らせが母の元に届けられたとき、母は黙ってその手紙を割烹着のポケットにしまった。

 そして何事もなかったように、今晩は勤めを休むからとそそくさと夕食の支度を始めた。

 その晩、母は妙に僕達に優しかった。そのやさしさは遠い街で僕に、ラ−メンでも食べないかと言った父のやさしさにどこか似ていた。


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