「な、なぁ、本当にするのか…？」

「今更何を言っているのですか。これをするために来たのですよ。」

「…でも…っ、こんなとこ見られるの…、…恥ずかしいんだけど……」

夏侯覇は厠の中で穴に跨ってへたり込むような体勢にされた上、着物の裾が捲り上げられて
いて、その後ろに居る郭淮の手にはイチジク浣腸が入った小箱が握られていた。

何故このような状況になったかというと、腹痛で寝込んでいた夏侯覇を郭淮が尋ねて来た事が
発端だった。

郭淮が「持っている薬で対処できるかも知れない」と言って医者さながらに問診や触診をした結
果、腹痛の原因が判明した為、薬箱を左手に持ち右手で夏侯覇を厠まで引っ張ってきて今に
至るというわけだ。

「恥ずかしがっている場合ではありません。…ちゃんと出さないと痛いままですよ。」

「……わ、分かったよ…。」

夏侯覇が観念したように身体の力を抜くと、郭淮は薬箱から香油を取り出してたっぷりと片手
の指に塗した。

そして、もう片方の手で尻たぶを割り開き、毛を掻き分けるようにして窄まりの部分に触れた。

「ひっ…！？　な、何してるんだよぉ…！」

「ここを解しておかないと怪我をするかも知れませんので。それにしても…、ちょっと毛が邪魔
ですねぇ。」

暗に肛門の周りに生えている毛の事を言っているのだと分かった途端、夏侯覇は顔を真っ赤
にしながら叫んだ。

「…っ！　い、言うなよっ！！」

「あぁ、気にしていたのですね、これは失礼。」

郭淮はそう言って謝ると、香油で滑る指を注意深く夏侯覇の中に埋め込んでいった。

「うぁっ…！？　嫌だ…、気持ち悪い…！」

「あ、動いてはいけません！　我慢していて下さい。」

強ばっている内部を解すようにしながら指を根元まで押し込み、ゆっくりと出し入れをし始める
と、夏侯覇の身体に鳥肌が立った。

「うぅ…」

「…痛いですか？」

「い、痛くはない…けど…、何か、変な感じ…。」

香油のお陰か痛みは全くないものの、代わりに排泄器官に指を入れられる恥辱と違和感が沸
き上がってくる。

しかし、腸内を解すように動いていた指がある一点を掠めた時、今までにない感覚が身体に走
るのを感じた。

「っ…！？」

「…？　どうしました？」

「…い、いやいやいや、何でもないぜ…。」

それが何なのかを考えているうちにまた同じ部分が擦れ、先程よりも強くその感覚が走った。

だが、決して不快な感覚ではなく、寧ろもっと味わいたくなるようなものだった。

「（な…、何だよ、これ…！？　でも…、なんか…いいかも……。）」

夏侯覇は無意識のうちに、指を「その場所」に擦りつけようと腰を揺すっていた。

「ん…うぅ……」

「あ…、すみません、痛かったですか？　もう抜きますから、大丈夫ですよ…。」

夏侯覇が痛がっていると思ったのか、郭淮は焦ったように指を抜こうとする。

すると、夏侯覇は後ろを振り返り、切なげな眼差しを郭淮に向けながら呟いた。

「や、やだ…、何で抜いちゃうんだよぉ…。」

「え…っ！？」

その言葉に驚愕の表情を浮かべた郭淮だったが、一番驚いていたのはその言葉を発した本
人だった。

「あ……、ご、ごめんっ！　俺、何言ってんだろうな……。」

そう言うと夏侯覇は、耳まで真っ赤に染めて俯いてしまった。

その様子を見て、郭淮は自分の頬も熱くなるのと同時に局部に血が集まっていくのを感じた。

「（……！？　わ、私は…、夏侯覇殿相手に何を…！　抑もこれは医療行為のつもりで…！　
いやしかし…、このような反応をされては…、私とて…！）」

郭淮はそんな事を考えつつも、抜き掛けた指を腸内に戻していった。

擦る度にギュッと締め付けてくる内部の感覚は、郭淮にたまらない心地よさを感じさせていた。

「っく…、ぅ……、あっ！」

夏侯覇が大きな声を上げると、郭淮は驚いたように肩を揺らし慌てて指を引き抜いた。

「っ…、す、すみません…。では、これを入れますね…。」

横に置いていたイチジク浣腸を手に取って蓋を外し、先程指で解した窄まりへノズルを近づ
け、そっと挿入していく。

「…力を抜いて下さい。」

「ひぁっ…！」

奥まで潜り込んだノズルから冷たい薬液が滲み出すと、再び夏侯覇の身体に鳥肌が立つ。

「やだぁ…、冷たい……」

敏感になり始めていた腸内に液体が注入され、何とも言えない感覚が伝わっているのだろう。

「…もうすぐ終わります。あ、力んではいけませんよ。」

郭淮はそう言うと、空になった容器を抜き取って夏侯覇の様子を伺った。

まだ薬液の効果は現れていないようだが、これから訪れるであろう痛みに不安気な表情を浮
かべていた。

「…お腹が痛くなると思いますが、少なくとも五分は我慢して下さい。」

「ん…、頑張ってみる…けど……、っ…！！」

痛みが襲い掛かってきたのか、夏侯覇は身体を震わせて尻をもじもじと動かし始めた。

「うぅ…、痛い…、こんなの…、五分も我慢出来ないよ、郭淮…っ！！」

目を潤ませて懇願するその姿を見て、郭淮はまた局部に血が集まるのを感じてしまう。

「（う…っ！　私は何故興奮しているのだ…ッ！？）」

郭淮は狼狽えつつも勃起したモノを着物で覆い隠し、平静を装って夏侯覇に言い聞かせた。

「…まだ、出してはいけませんよ。」

そうは言ったものの、イチジク浣腸の効き目はかなりのものだと郭淮も分かっている。

このままにしておけば、目安の時間より早く排泄してしまう事は明白だった。

「（仕方ない…、こんな方法はとりたくなかったが…。）」

初めに使った香油の瓶を再び手に取り、指に塗していく。

そして、充分滑らせた人差し指と中指を浣腸の刺激でヒクヒクと蠢く肛門にゆっくりと潜り込ま
せていった。

「ひ…っ、あぁっ…！？」

郭淮の指が根元まで押し込まれると、夏侯覇は背筋を仰け反らせて悶えた。

「や、やだっ…！　お腹痛い…！　出させてぇ…！！」

「すみません…、もう少しの辛抱ですから…！」

夏侯覇の内部は指の根元を噛み締めるように締め付けつつも、懸命に異物を押し出すように
動いている。

「っ…、はぁ、はぁ……、苦しい……」

「（この反応…、なんと可愛らしい…。）」

何故自分がここまで興奮しているのかという疑問はどうでも良くなったのか、郭淮は欲望に任
せて夏侯覇の恥ずべき場所を凝視した。

すると、このような状況だというのに反応を示している夏侯覇のモノが視界に入り、その光景に
更に情欲がそそられるのを感じた。

「夏侯覇殿……、貴方、浣腸で感じているのですね？」

郭淮がそう言うと、夏侯覇は図星を突かれたとばかりにビクンと肩を震わせた。

「ち、違う…、そんな事……」

「誤魔化しても無駄です。貴方が勃起しているのは丸見えですよ。」

硬くなり上を向いている性器の事を指摘されると、夏侯覇は身体をブルブルと震わせて黙りこく
ってしまった。

「っ……」

「（…おや、黙ってしまった。私はもっと貴方の反応が見たいのに…。）」

郭淮は声を掛けるよりもこれが手っ取り早いとばかりに、夏侯覇の中に埋め込んだ指を回す
ように動かした。

「ひぃっ！！」

その反応に気をよくした郭淮は、指を根元まで咥え込ませたままグリグリと回して内部を刺激し
始めた。

「あっ…、うぅっ…、だめぇ…！　苦しいよぉ…、郭淮っ……」

「…苦しいだけではないでしょう？」

夏侯覇が漏らす声に少しずつ官能が混じっていく事に胸を高鳴らせながら、郭淮は改めて自
分の中にある欲望を認識した。

「（そうか…、私は、夏侯覇殿の事を………）」

「あ…あぁっ…、お腹…痛いのに……、こんな…、おかしいよぉ…！」

指に内部を抉られる感触と薬液による苦痛や快感が綯い交ぜになり、夏侯覇は今にも泣き出
しそうな表情で叫んだ。

しかし、性器の先端からは透明な液が滲み出ており、彼が快感を覚えている事はありありと分
かる。

「まったく、こんなに濡らして…。夏侯覇殿にこんな趣味があったとは驚きです。」

「っ…！！　違う…、こんな…事…、初めて…だし…、うぁっ！」

夏侯覇は必死に反論するが、性器の先端に触れられて言葉尻が途切れてしまう。

「初めて、ねぇ……。どうやら、貴方は被虐願望があるみたいですね。ご自分では気付いてい
ないだけで。」

尤も、私には加虐趣味があったようですけどね…貴方限定ですが。と自嘲気味に呟いた郭淮
に、夏侯覇は怪訝な表情を向ける。

「……？　な、何の事だか分かんないよ…、郭淮……」

「…ならば、分からせてあげましょうか？」

そう言って笑みを浮かべる郭淮に夏侯覇は恐怖を感じたが、同時にほんの少しの期待も抱い
ていた。

「ではまず、排泄してしまいましょう。…あぁ、もうとっくに五分を過ぎていますね。」

郭淮はわざとらしく言いながら、そっと指を引き抜いていく。

とうに我慢の限界を越えていたそこは、栓の役割をする物がなくなった事で呆気なく決壊した。

「あ…っ！？　や、やだぁっ！！　み、見るな…ぁ…、見るなよぉ…っ……」

排泄物が叩き付けられる音が響くと、夏侯覇は恥ずかしさからか泣き出してしまった。

だが、郭淮はその様子を見ても可哀想などとは思わず、それどころか更に劣情をそそられて
いた。

「（か…、可愛い…！　もう、我慢の限界だ…ッ！！）」

郭淮は着物の裾を捲って自分のモノを取り出すと、排泄を終えたばかりの肛門にそれを押し
付けた。

「…えっ？　…な、何……」

夏侯覇がその行動の意味を理解する前に、郭淮は肉棒を腸内に突き入れていた。

「ひ…ああぁっ！？」

先程までの行為で充分に解れていたためか、大した抵抗もなく呑み込まれていく。

内部を探りながら注意深く根元まで埋め込むと、滑った粘膜が戸惑ったように締め付けた。

「な…に、これ……、中に……」

「…ふふっ、分かりますか？　夏侯覇殿の中に、私のモノが入っているのですよ。」

夏侯覇の耳元でそう囁いた郭淮の声は、興奮からか少し震えていた。

一方、夏侯覇はそれを聞いて顔面蒼白になり、自分の中に埋め込まれた肉棒から逃れようと
腰を捩らせた。

「や…、やだやだっ！！　こんなの…おかしいよ、郭淮…！」

「何もおかしくなどありませんよ。貴方だって、先程までここで感じていたでしょう。」

郭淮はそう言うと、自分から逃れようと動く腰を手で押さえつけ、内部を抉るように肉棒を動か
し始める。

「うあぁっ…！？　やだ…、止めて…っ！！」

「そう言われましても…、こんなに美味しそうに吸い付いているではないですか。」

「……！？　違う…、そんな事してない…っ……」

夏侯覇はそう言って否定するが、泣き声混じりの台詞の節々に甘い響きも混ざっていた事を
郭淮は聞き逃さなかった。

「…貴方、初めてのくせにイヤらしすぎますよ、まったく…」

郭淮はそう呟きつつ、腸壁を雁の部分で引っ掻くようにして抽送を始める。

浣腸をした事で内部が湿り気を帯びていたからか、結合部分からぐちょぐちょと粘着音が響い
た。

「んひぃっ…！　もう止めてぇ…、中、擦れて…、変だよぉ…！」

指で腸壁を擦られた時のあの感覚を強く味わわされ、夏侯覇の表情に少しずつ欲情の兆しが
現れだした。

「っ…、あぁっ…！！　何…これ…、何か…来るぅ……」

「…成る程、ここが良いのですね。」

強い反応を示したその場所を擦り上げ抽送の勢いを速めると、夏侯覇は体を小刻みに震わせ
ながら内部を擦る肉棒を締め付けた。

「あ…、んっ、…そ、そこ…、だめっ！　びりびりするぅ…っ！」

「…それは、気持ち良いという事ですか？」

「わ、分かんない…けど……、もっと…、その……、擦って欲しい…かも……」

夏侯覇はその怪しい感覚に抗う事を完全に放棄したようで、更に強い快感を求めるように内部
を蠢かせていた。

「う……、そんな事を言われたら…もう手加減できません…！」

しっかりと腰を掴み更に抽送を速めると、腸内が肉棒の動きに合わせるように収縮し始めた。

摩擦を大きくすればより強い快感が得られる事を、無意識のうちに理解したのだろう。

「初めてでこんな締め付け方をするなんて…、貴方、結構変態ですね。」

「あうぅ…、俺、変態なんかじゃ…ないのに…、んぁっ！　そ、そこっ、もっと擦って…！」

「（…全く説得力がない…。）」

夏侯覇は口をだらしなく開いて唾液を零しながら甘い声を上げ、郭淮の動きに合わせて腰を振
っている。

もはや彼にとっては、腸内を肉棒で擦られる事が快感でしかなくなっているようだ。

「ふあぁ…、も、もう…、分かんない…！　けど…っ…、うぁ…、お尻…気持ちいいよぉ…！！」

性器からは透明な液が滴り落ちる程分泌されていて、彼が味わっている快感の強さが分か
る。

郭淮はそれを満足気に見つめながら、射精に向かって激しく肉棒を打ち込んでいく。

「んひいぃ…っ！！　だ、だめ…、もう、俺…っ！」

「…良いですよ、何も考えず快感に身を任せて下さい。」

郭淮が耳元でそう囁くと、夏侯覇は身体をがくがくと震わせながら絶頂の叫びを上げた。

「ぁ……、ああぁっ！！」

「くっ…！」

夏侯覇が達した事で腸内がきつく締まり、郭淮も耐えられないとばかりに迸りを粘膜に叩き付
けた。

「う…あぁ……、中に…出てる……？」

腸内射精という今までに経験した事のない感触に、夏侯覇はブルッと身震いをする。

郭淮はそんな夏侯覇の身体を後ろから包み込むようにしながら、腸の奥に最後の一滴まで注
ぎ込んでいく。

「夏侯覇殿…っ……」

「ぁ…、うぅ……、郭淮……」

全てを出し切ったところで肉棒を引き抜き、夏侯覇の身体を抱いていた腕を離す。

腸内から粘液が漏れ出す感覚に、夏侯覇は再び体を震わせた。

「ふぁ……」

「はっ…！　夏侯覇殿……」

射精した事で興奮が冷め冷静になった郭淮が、目の前の惨状を理解するのにそう時間は掛
からなかった。

思考が正常に戻るに従って、郭淮の元々悪い顔色が更に悪くなっていった。

「っ……、わ、私は何という事を…！！　こんな事…将軍に知られたら………ああぁっ…！！」

とんでもない事をしてしまった、と言わんばかりに目を見開きながらじりじりと後退りをしたかと
思うと、厠の扉を開けて一目散に飛び出していってしまった。

「……郭淮…？　ちょっ………、おいっ！　このままおいてく奴があるかよっ！！」

逃げる背中に向かってそう叫んだが、郭淮の姿はそのまま見えなくなってしまい、夏侯覇は床
の上で暫く途方に暮れていた。