次の日、城内に鍾会の姿はなかった。
その事を通りすがりの文官に尋ねると、「お風邪を召されたそうです」と返ってきた。
それが鍾会がついた嘘だと瞬時に理解したケ艾は、文官に一礼をしてすぐに自室へ帰り支度
を整え、鍾会の部屋へと向かった。


部屋の扉を開けると、寝台の上で毛布にくるまっている鍾会の頭だけが見えた。
ケ艾が部屋に入り後ろ手に扉を閉めた所で、物音に気付いたらしく勢いよく跳ね起きた。
「っ…!?」
「鍾会殿、お風邪を召されたと聞いて……」
「く、来るなっ!!」
ケ艾が近づいていくと、鍾会は怯えたように叫び寝台の隅へ逃げるように後退る。
しかし、その距離はすぐに詰められ、鍾会は軽々とケ艾に押さえつけられてしまった。
「い、嫌だ…、離せ…っ!!」
鍾会は必死に抵抗するが、力でケ艾に敵うはずもなく、手首を縄で縛り上げられてしまう。
そして、昨日と同じように着物の裾を捲り上げられ、恥ずべき場所を晒すような格好にされる。
「っ…、い…やだ…、やめてくれ……」
「…怖がる事はない。風邪に効く薬を持ってきただけだ。」
ケ艾がそう言うと、鍾会は怪訝な表情を浮かべた。
…こんな事をしておいて何を言っているのか、と言わんばかりの顔だった。
「な、何を言っている…? …それなら、何故こんな真似を…?」
戸惑いのあまり抵抗が弱まった隙を突き、ケ艾は懐に隠し持っていたイチジク浣腸を素早く肛
門に近づける。
鍾会がそれに気付いた時にはもう遅く、肛門に妙な感触を感じた瞬間冷たい液が流れ込んで
きた。
「あっ…!?」
ケ艾はそのままイチジク浣腸を握り潰し、薬液を残さず注ぎ込んだ所でそっと抜き取った。
「な、何を…した…?」
「風邪に効く薬を持ってきたと言っただろう。…浣腸は初めてだったか?」
「…っ!?」
中に入れられた物が何かを知ると、鍾会は絶望の表情を浮かべ、ブルブルと震えだした。
この時点で薬液だけを排泄してしまえば良かったのだが、あいにく浣腸の経験が無い鍾会に
は勝手が分からないようだった。
「きっ…、貴様…、なんという事を…っ! 離せ…、この旧式が…、っ……」
薬液の効果が現れたのか、鍾会は震えながら身体を硬直させた。
ケ艾はその様子を見て笑みを浮かべると、内容物を漏らすまいと固く閉じている肛門に指を宛
った。
「ひ…っ!? なに…を…、うぅっ…!!」
半ば強引に指をねじ込まれ、鍾会の身体にうっすらと汗が浮かび始めた。
「う…うぅ…、離して…くれ……」
必死に開放を訴える鍾会だが、ケ艾はそれを無視するように指を埋め込んだまま、ただ時間
が経過するのを待っていた。
「おい…っ、聞こえているのだろう!?」
「…勿論、聞こえているが。」
「くっ…、ならば離せ…! か、厠に……、うぅっ…!」
鍾会は懸命にケ艾を睨みつけるが、その表情は苦悶に満ちていて、余裕は完全に消え失せ
ていた。
「…しっかり我慢して腹の中の物を全部出せば、風邪を拗らせずに済むぞ。」
「き、貴様…っ!! 私が…、風邪など…ひいていないと、分かっているくせに…!!」
鍾会が目に涙を浮かべながら叫ぶと、ケ艾は口の端を吊り上げながらそれに対して答えた。
「あぁ、分かっている。自分はただ、鍾会殿がどのように排泄をするのか見たいだけだ。」
言われた事の意味を理解すると、鍾会は目を見張って表情を強ばらせた。
性的な事に疎い彼は、ここまで来ても、排泄を見られてしまうという考えにまでは至っていなか
ったのだろう。
「……嘘、だろう…!? 人前でなんて…、そんな……」
震える声で呟く鍾会を気分良く眺めつつ、ケ艾は微かに反応を示していた性器に手を伸ばす。
軽く擦るようにして刺激を与えると、そこは見る見るうちに硬くなっていく。
「ひっ…、んあぁ……」
そのまま腸内に埋め込んだ指を動かすと、鍾会の口からくぐもった声が漏れ出した。
「っ…、ぐ…うぅ…、や、止め…っ…、厠に…行かせてくれっ…!!」
腸内を刺激された事で更に便意が強まったのか、鍾会は再び必死の抵抗を始めた。
しかし、すでに限界に近い状態ではそれも長くは続かなかった。
「あ…あぁ……、もう…、嫌だぁ…、痛い……」
ケ艾はその様子を見ると、指を埋め込んだまま鍾会の身体を反転させた。
内部を捻られ苦しげに呻く声にも構わず、更に尻を突き出すような格好にさせ、寝台の横に置
いてあった盥をたぐり寄せる。
そして、その盥を丁度鍾会の尻たぶの下に来るように置いた。
「…指を抜くぞ。思う存分出すと良い。」
「え…っ!? ま、待てっ…、今抜かれたら……」
慌てて制止する声を無視し、ケ艾は腸壁を引っ掻くようにしながら指を抜き取った。
「ひぃっ…! 嫌…だ…、嫌だ……、出したく…ないぃ……」
そうは言っても、イチジク浣腸の効き目は強く、到底我慢できるものではない。
浣腸の経験も薬液に対する耐性も無い鍾会に、これ以上自力で排泄を堰き止める事は不可
能だった。
「う…ぐっ……、駄目だ…っ、もう……、う…ああぁっ…!!」
鍾会の身体から力が抜けたかと思うと、肛門から褐色に染まった薬液がビュッと噴き出した。
「ひっ…、嫌だ…っ! 見るなあぁ…っ!!」
一際大きい叫び声が響いたかと思うと、すぐに盥の中に排泄物が叩き付けられた。
「あ…あぁっ! 嫌だぁ…、こんな…事……、う…わあぁ…!!」
鍾会はあまりの恥辱に激しく泣き出すが、それでも排泄を止める事は出来ず、ケ艾の目の前
で無様な姿を晒し続けるしかなかった。
「…ふ、いい眺めだ。」
程なくして排泄が終わると、ケ艾は満足気に笑いながら鍾会の尻たぶに触れ、薬液で濡れ光
る肛門をジッと見つめる。
「う…っく…、ひっく……、ううぅ……」
そこに指を潜り込ませても、鍾会は泣きじゃくるだけで特に反応を示さなかった。
しかし、指の本数を増やされ内部を広げるように動かされると、身体を大きく震わせ怯えた表
情でケ艾を振り返った。
「っく…、何…を…、もう、満足だろう…っ!?」
「…何を言っている、これからが本番だ。」
肛門が充分解れていると確認したケ艾は、躊躇う事なく自身の肉棒をそこに突き入れた。
「ひ…っ、ああぁっ!!」
浣腸の所為で敏感になっていた所を擦られ、鍾会は仰け反って悲鳴を上げた。
相変わらず挿入時の抵抗はあったが、前回よりも円滑に進んでいき、それほど時間を掛ける
事もなく根元まで埋め込まれていった。
「う…ああぁ……、いや…ぁ…、また…、入ってるぅ……」
そう言ってはいるが、鍾会の中は突き込まれた肉棒に吸い付くように蠢いていた。
ケ艾はそれを感じ取ると、絡みついてくる粘膜を雁の部分で引っ掻きながら抽送を始めた。
「ひぅ…、や…、止めてくれ…、うぅっ……」
鍾会は必死に中止を訴えるが、それは苦痛を感じているからではなく、快感を認めるわけには
いかないと思っているからだ。
それを理解しているケ艾は、抽送の勢いを緩めず更に腸壁を擦り上げる。
「ん…あぁ…! っ…、く……」
既に先程の強制排泄によって心が折れていたからか、鍾会はすぐに抵抗する事を放棄し身体
の力を抜いてしまった。
ケ艾は好都合だとばかりに鍾会に覆い被さり、腰をぐっと密着させて一際深く肉棒を打ち付け
始める。
「ひぃ…っ!!」
抵抗を放棄すれば、鍾会はこの行為が終わるまで快感に負けないよう耐えるしかなくなる。
だが、そんな彼の状況は傍目から見ても分が悪かった。
「あ…あぁっ……、奥…っ、届いて…、んひぃ…っ!!」
敷布に顔を埋めているため彼の表情は見えないが、肉棒の動きに合わせるように内部が収縮
していて、相当な快感を味わっている事をケ艾に伝えている。
それに加え、性器の先端からは透明な液が滴り落ち、敷布に染みを作る程の有様だった。
ここまで高まってしまえば、快感に耐える事などとても不可能だろう。
「うぁ…っ、もう…、だめだ…、私…は……、ふあぁっ…!!」
ケ艾が射精に向かって激しく動き出すと、鍾会は絶望的な光を眼に浮かべた。
この先の快感を知ってしまっているからこそ、これ以上は耐えられないと悟ったのだ。
「…鍾会殿は頭が良いのだから、抵抗しても無駄な事くらいとっくに分かっていたのでは?」
ケ艾は鍾会の耳元でそう囁くが、それに対しての返事はなく、代わりに嬌声が聞こえてくるだけ
だった。
「あ…ひぃ…、んんっ……、っく…ぅ……」
それが絶頂に近づいているからだと確信したケ艾は、鍾会の尻たぶを撓ませるほど激しく腰を
打ちつける。
「ああぁっ…!? い、嫌だ…、激し…っ……、あひいぃ…っ!!」
鍾会の絶頂の叫びを心地よく耳にしながら、ケ艾は奥深くまで肉棒を押し込み、叩き付けるよ
うに精を放った。
「ひぅ……、熱いぃ……」
精液を叩き付けられる度、腸壁がそれに反応してビクビクと痙攣する。
ケ艾はその感触を楽しみつつ、中に全てを吐き出していった。
「…二度目でこんなにあっさりと上り詰めるとは…、こちらとしても開発のしがいがあるな…。」
ケ艾が感心したように発したその言葉は、激しい絶頂によって朦朧としていた鍾会の耳には届
かなかった。





風邪のひき始めに浣腸すればそれ以上症状が進まない事が“たまに”あるらしいよ。
でもやたら使っちゃダメなんだぜケ艾殿!(…)

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