「んっ…、ぅ……」
「(あ、やってるやってる。)」
姜維は夏侯覇の部屋の扉に耳を付け、中の声を聞いていた。
漏れ聞こえる声が自慰による呻き声だと分かると、姜維はニヤリと笑った。
「っ…、あぁ…、姜維…、姜維っ…!!」
「(…私の名前……まぁ、悪い気はしないな…。)」
本人に聞かれているとは露知らず、夏侯覇は姜維の名前を口にしながら自慰を続けている。
扉を少し開けて隙間から覗いてみると、寝台の上で布の擦れる音を響かせながら悶える夏侯
覇の姿が目に入った。
「んあぁ…、欲しい…、姜維のチ●ポもっと欲しいっ…!!」
自分が想像していた通りの状態になっている夏侯覇の姿に、姜維は笑みが零れるのを抑えら
れなかった。
「(夏侯覇殿もああ言ってることだし、そろそろ行ってあげましょうか。)」
姜維は楽しそうに笑いながら扉の隙間に手をかけ、一気に開け放った。
「お呼びですか? 夏侯覇殿。」
「っ……!?」
姜維は素早く夏侯覇に近づき、毛布を引き剥がしその体を押さえつける。
自慰の最中に止められたためか抵抗する力も弱く、驚くほど簡単に押さえ込めるような状態だ
った。
姜維はその弱々しい抵抗に心地よさすら感じながら、手を掴んで後ろに回して縛り、うつ伏せ
にさせ尻を高く上げた格好にさせた。
「姜維…っ…、や、やだ……」
「…親友に寝込みを襲われる気持ち、少しは分かりましたか?」
姜維がそう言うと、夏侯覇は何も言い返せずに黙ってしまった。
やはり罪悪感はあったのだろうか、暫く黙った後震える声で謝罪の言葉を口にした。
「ごめん…、姜維…。……この前…お前が…、鍾会を…抱いてるのを見て……、我慢できなく
なって……、本当にごめん……」
「…あぁ、やっぱり見ていたんですね。」
夏侯覇が謝っても、姜維は彼の拘束を解こうとはしなかった。
それは許さないという事ではなく、これからやる事が決まり切っているからだ。
「勝手に覗いた事も…悪いと思ってる…、だから…解いてくれ……」
「貴方は解いて欲しいなんて思っていないはずです。本当はこのまま鍾会殿と同じように犯して
欲しいのでしょう?」
それが図星だったのか、夏侯覇はビクッと体を震わせた。
…犯して欲しいと思っていた相手が自慰の最中に現れて自分を縛り上げたのだから無理はな
いが。
「あはは…、分かりやすいですね。」
「姜維…、お…、俺…っ……、ひぁっ!?」
いきなり肛門に触れられ、夏侯覇は驚いたような声を上げた。
姜維はそれに構うことなくもう片方の手で尻たぶを広げ、その周辺を凝視する。
「…先日はよく分かりませんでしたが、こんな所に毛が生えてるんですね。」
「っ…!」
肛門の周りに生えている毛の事を指摘されると、夏侯覇は耳まで真っ赤にして敷布に顔を埋
めてしまう。
姜維はそんな夏侯覇の反応も意に介さず、その毛を指で撫でて楽しそうに笑っている。
「…別に気に病むことはありませんよ。私、貴方のなら気になりませんから。」
「で、でも…っ、そんな所に生えてるのって…、変だし……、っ…、んぁっ…!」
それまで周りを撫でていた指が肛門に差し込まれ、夏侯覇の体に快感の鳥肌が立つ。
そのまま根元まで潜り込ませると、腸内が待ち構えていたかのように吸い付いた。
「ひぁ…っ…、姜維…っ!?」
「気にしないで下さいと言ったじゃないですか。それより、貴方に聞きたいことがあります。」
「な、何…を……」
恐る恐る振り返った夏侯覇と目が合うと、姜維は笑みを浮かべながらその疑問をぶつけた。
「貴方をこんな淫乱にしたのは、誰なのですか?」
「……っ」
夏侯覇は慌てて目をそらすと、また敷布に顔を埋めてしまった。
暫く待っても答えが返ってこなかったためか、姜維はしびれを切らしたように指をグリグリと動
かして刺激を与えた。
「ひぃ…っ!?」
「答えて下さい。…私の寝込みを襲ったことを本当に反省しているなら。」
姜維がそう言うと、夏侯覇は敷布に顔を埋めたまま体を震わせて嗚咽を漏らし始めた。
「っく…、ひっく……、だって…、それ…言ったら…、ううっ……、姜維…は…、絶対俺のこと…、
嫌いになる…っ!!」
どうやら、姜維に嫌われることが怖くて質問に答えられずにいたようだ。
すると姜維は、そんな夏侯覇に言い聞かせるように話をし始めた。
「…先日、鍾会殿にも同じ事を聞きました。最初は今の貴方と同じような台詞を言いましたが、
最後にはちゃんと答えてくれましたよ。…ケ艾に無理矢理、それも何度も犯された事を。」
「な…っ!?」
その辺りの事情は知らなかったのだろうか、夏侯覇は敷布に埋めていた顔を上げ驚いたよう
な表情をしていた。
何か聞きたげな夏侯覇を尻目に、姜維は更に言葉を続ける。
「それはだいぶ前に聞き出しましたが、私が今でも変わらず鍾会殿と仲良くしているのは貴方
自身が見ているでしょう。…何を聞いても、貴方だけを嫌いになったりはしません。」
「………」
「さぁ、話して下さい。夏侯覇殿。」
夏侯覇は暫く視線を右往左往させたり、口を開いたり閉じたりを繰り返した後、意を決したよう
に声を絞り出した。
「…魏に居た頃に…、兵士達に、犯されて……」
「達、ですか? 一人ではないのですね。…続けて下さい。」
「っ…、何回もマワされて…、でも気持ちよくて…、そのうち…俺…、自分から…して欲しいって
言うようになって……。」
声を震わせながら懸命に自分の秘密を話した夏侯覇に、姜維は優しく微笑みかけた。
「…分かりました。よく話してくれましたね。」
「姜維……」
腸内を嬲っていた指が抜き取られ、両手を戒めていた縄も解かれた。
「あ……」
「正直に話して頂けたので、今回の事は綺麗さっぱり許します。」
姜維はそう言ってニコッと笑い、夏侯覇の側から離れた。
体を起こした夏侯覇と目が合うと、一礼をしていつも通りの挨拶をする。
「それでは、また明日。」
「……」
ようやく自由の身になったというのに、夏侯覇の顔には不満気な表情が浮かんでいた。
勿論、その理由は姜維には分かっていた。
どうやら姜維は、夏侯覇がどうして欲しいのかを自分から言うのを待っているようだった。
「どうしました?」
「っ…、その…、……もう帰るのか…?」
夏侯覇が必死に絞り出した言葉が意外だったからか、姜維は笑い出しそうになるのを抑えな
がら聞き返す。
「……と、言うと?」
「………、もう少し…一緒に……、居て欲しいんだ…けど……」
そう言われて耐えきれなくなったのか、姜維はとうとう笑い出してしまった。
「あはは…っ! そのような貴方も可愛いですけど、らしくないですねぇ。」
「ぅ……」
姜維は笑みを浮かべながら、再び夏侯覇に近づいていく。
そして、寝台に座る彼の目の前に、そそり立ったモノを見せつけるように突き付けた。
「あ…っ……」
夏侯覇はそれを見て、思わずゴクッと喉を鳴らした。
待ち望んでいたモノを突き付けられて、目が釘付けになってしまっている。
「…人の寝込みまで襲っておいて、今更何を恥ずかしがっているんですか? コレが欲しくてた
まらないのでしょう? 正直に言って下さらないなら、コレは鍾会殿に差し上げますが。」
「っ…!! そ…んな……、嫌だ…! 姜維…の…、姜維のチ●ポ…、欲しい…!!」
必死に声を絞り出して求めた夏侯覇に対し、姜維はさらに意地悪な質問をする。
「…どこに欲しいのですか?」
そう聞かれ、夏侯覇の顔が赤くなっていく。
まだ恥ずかしさがあるらしく少し口ごもったが、散々焦らされて余裕がなかった為か、その言葉
が出てくるのにそれほど時間は要さなかった。
「お、お尻…に…、入れて欲しい…!」
「…分かりました。」
姜維はそう返事をすると、夏侯覇を再び寝台に寝かせ、膝の裏に手を添えさせ足を抱え上げ
るように言う。
勿論夏侯覇にはもう抵抗する気はなく、言われるがまま身体を折り曲げるようにして秘部を晒
した。
「そのままにしていて下さい。」
香油を肉棒に垂らし、わざと夏侯覇に見えるようにしながら全体に塗していく。
「ぁ……」
「もう充分解れているようなので、このまま入れますよ。」
そう告げると、姜維は躊躇うことなく自分のモノを夏侯覇の中に埋め込んでいった。
「あぁっ…!!」
根元まで挿入すると、潤った腸粘膜が肉棒を緩やかに包み込んだ。
一方で、肉棒を逃がすまいとするかのように、括約筋が根元をギュッと締め付けている。
「んぅ…っ…、あぁ…、コレ…が…、欲しかったのぉ……」
「相当溜まっていたみたいですね。…そういえばあの夜も、私のモノを一晩中くわえ込んで離し
ませんでしたよねぇ。」
「い、言うなよっ…、恥ずかしい……」
「…あの時だけでは満足できなかったのでしょう? 私がこうしていなかったら、どうするつもり
だったのですか?」
「そ、そんな…、うぅ……」
わざと意地の悪い言葉を掛けると、腸内がそれに反応してぎゅうぎゅうと収縮する。
そこを狙い澄ましたように腰を動かし始めると、夏侯覇は身体を震わせて喘ぎ声を漏らした。
「んぁ…! 姜維…、だめ…っ…、ひあぁ…っ!」
「…夏侯覇殿。魏の兵士達と私のモノ、どちらが良いですか?」
姜維が腰を動かしながらそう聞くと、夏侯覇はその大きな瞳で姜維を見つめ、喘ぎを漏らしな
がらも懸命に答える。
「ふぁ…、そんなの…姜維に決まってるだろ…! あぁ…っ…、姜維のチ●ポの方がずっと良
い…っ!!」
「…ふふっ、ありがとうございます。」
その返答に満足したのか、姜維はご褒美と言わんばかりに夏侯覇の中を突き上げた。
「ひあぁっ!!」
「…ここが一番感じるのでしょう?」
その部分を重点的に擦り上げ、緩急をつけながら抽送を繰り返す。
すると夏侯覇は、今まで膝裏に添えていた手を姜維の背中に回し、足は腰の辺りに巻き付け
るようにして完全に姜維に身を任せるような状態になった。
「おや、随分と積極的ですね。」
「だって…、っ…、ふあぁ…、俺…、姜維の…事…、んんっ…、大好きだから…っ!!」
「…ふふっ、嬉しいです。」
姜維がその気持ちに応えるように激しく中を掻き回すと、夏侯覇はそれに合わせるように腰を
動かす。
肉棒に擦られている腸内は火照っていて、奥を突かれるたびにヒクヒクと収縮している。
「うぁ…っ…、姜維…、いい…っ、あはぁ…っ…! 気持ち良い…っ!!」
「っ…! 凄い…、千切れそうなくらいの締め付けですね…!」
先程から、腸内が断続的に強く締め付けては緩めるという動きを繰り返している。
それは夏侯覇の身体が昂ぶっていて、絶頂が近い事を示していた。
「んあぁ…っ! 姜維…っ…、もう、俺…、俺…っ…!!」
「良いですよ。思う存分イッて下さい。」
姜維はとどめとばかりに胸の突起をギュウッと抓りながら、肉棒で腸内の奥深くを抉った。
「ひ…ぎぃ……、うああぁ……っ!!」
夏侯覇はがくがくと身体を痙攣させ、獣じみた叫び声を上げながら絶頂に達した。
快感が強すぎたのだろうか、身体の震えがなかなか収まらない。
それどころか、腸内がさらに肉棒を締め付け、精液を欲するかのようにグッと絞り上げる。
「うぅっ…!? 夏侯覇殿っ、は…激しすぎます! 私のモノを千切るつもりですか…ッ!!」
姜維もこれには耐えきれず、搾り取るように蠢く夏侯覇の中に精液を叩き付けた。
「ひぅん…っ……、出てる…ぅ……、姜維の…が…、いっぱい……」
夏侯覇は恍惚とした表情のまま、中に出されたものを受け止めていた。
ようやく痙攣が収まった腸内から肉棒が抜かれると、そこから白く濁った粘液が零れだした。
「ふぅ……、まさかこれ程とは…。」
今までの鬱憤を晴らすかのような激しい絶頂に、さすがの姜維も驚いたようだ。
…先日の性交では、親友の寝込みを襲ったという罪悪感から快感に浸りきれなかった、という
事なのだろう。
「ぁ…、あぁ……、姜維……」
「(でも、調教のしがいはありそうですね…。)」
茫然と天井を見つめ絶頂の余韻に浸っている夏侯覇の姿を眺めながら、姜維は一人笑みを
浮かべた。
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