※この話の孔明は浣腸は初めての設定です。



「おはようございます、丞相! 体調は如何ですか?」
政務室に入ると、先に仕事を始めていた姜維が心配そうに声を掛けた。
「あっ……、昨日は…よく眠れました…。ありがとうございます…。」
「……」
確かに、諸葛亮の顔色は昨日よりも良く、眠たそうにも見えない。
だが、姜維と目も合わそうとせず顔を赤らめて俯くその様子は、今までと違う違和感があった。
「丞相…、やはりもう少しお休みになられた方が……、」
「い、いえ、大丈夫です…!」
昨日、姜維を思いながら自慰をしてしまった事を思い出したのか、諸葛亮の顔はますます赤く
なる。
上気した顔を悟られないように、そそくさといつもの場所に座って筆を取った。
「(よりによって、あんな事をしている時に気付くなんて…)」
自慰の最中に姜維の事が好きだと自覚してしまったのは、心のどこかで、姜維にそういう行為
をして欲しいと思っていたからだろう。
「(こんな事…、姜維に知られたら…、嫌われてしまう…)」
「…丞相? どうしたのですか?」
諸葛亮が一瞬悲しげな表情を浮かべたのを、姜維は見逃さなかった。
顔を覗き込まれ、諸葛亮は慌てて「何でもありません」と取り繕うが、姜維は納得できないと言
いたげな表情をしていた。
「……」
結局、その日の政務が終わるまで、諸葛亮は姜維とまともに目を合わせられなかった。


「あ…」
部屋に戻ってすぐに机の上を確認すると、見慣れた柄の包みが目に入った。
すると諸葛亮は、楽しみにしていた物が届いたかのように喜び勇んでそれを手に取り、手早く
包みを開けていく。
最初こそ気味悪がっていたが、今では自分の望む物を届けてくれる「誰か」に感謝しているよう
だった。
「(今日は何を入れてくれたのでしょう…)」
期待しつつ箱の蓋を開けると、そこには香油の入った瓶と青い色をした小箱、そして黒い何か
が並んで入っていた。
「これは…?」
まず青い箱を手に取って見てみると、白い字で「イチジク浣腸」と書いてあるのが見えた。
その道具の用途を理解した途端、諸葛亮の顔がカアッと赤くなった。
「か、浣腸……」
そういう自慰のやり方があることは知っていた。
しかし、医薬品を本来の用法と違う事に使うのは抵抗があった為、今まで手を出すことはなか
った。
「(それに…、こんな物、入れたら…、お腹が……)」
浣腸によって引き起こされるであろう激しい腹痛が快感に変わるとは、とても思えなかった。
「……そういえば、こちらは何なのでしょう…?」
イチジク浣腸の箱を元に戻し、その横の黒い物体を手に取る。
取っ手と思われる平べったい部分から紐が伸びていて、その先に鉄製の輪が付いている。
反対側に付いている挿入部分の先端は細く、そこから少しずつ太くなっていって、取っ手に繋
がる直前で不自然に括れていた。
「(…こんな形では入れづらいし、抜けにくいのでは……、あ…、っ……!)」
「抜けにくい」物がわざわざイチジク浣腸と一緒に入っていた、と言うことは、つまり。
「(こ、これを使って…、我慢しろと言う事なのですか…!?)」
諸葛亮は早鐘を打つ心臓を押さえるようにしながら、そのアナルプラグに見入っていた。
身体の奥が疼き、「試してみたい」という気持ちが強くなってくる。
「(浣腸…なんて…、でも…、一回くらいなら……)」
プラグを机の上に置いて、再び青い箱を手に取り中身を出してみた。
それは名前通りイチジクのような形をしていて、大きさは掌で包める程度だった。
…この僅かな溶液が激しい便意を引き起こすなど、俄には信じられなかった。
「(これだけなら…、大丈夫なのでは……?)」
性欲処理のために浣腸を使う事にはまだ抵抗があったが、好奇心には勝てなかったようだ。
「あぁ…っ……」
諸葛亮は香油を手に取って上体を床に突っ伏し、尻を高く上げる格好になった。
余程興奮しているのだろうか、着物を捲り上げる手が目に見えて震えている。
「ん…、っあ…!」
香油で滑る指を肛門に突き入れ、その窄まりを解すように掻き回す。
充分慣らした所で指を抜き、反対側の手に持っていたイチジク浣腸の蓋を取り、ゆっくり呼吸
をしながらそれを肛門に近づける。
「ぁ……」
ノズルを注意深く潜り込ませ、大きく息を吐きながら指に力を込めて薬液を押し出していく。
「ひぁ…っ…!」
腸内に液体が入ってくる違和感と冷たさに体が震え、鳥肌が立つ。
その感覚を我慢しながら必死に容器を潰すと、元々容量の少ないイチジク浣腸はすぐに空に
なった。
「あ…ぁ……、全部…、入った……」
腸の中の薬液を漏らさないよう、容器をそっと抜き取る。
浣腸は効き目が現れるまで少しの時間がある…とは言っても、それほど長時間の余裕がある
わけではない。
慎重に上体を起こしてすぐにプラグを手に取り、それに香油をたっぷりと塗りつける。
「(あぁ…、自分で…栓をするなんて……)」
しかし、プラグを入れるのに手間取っていれば、忽ち薬液の効果が現れてしまう。
諸葛亮は意を決したように手に力を込めると、硬く閉じている肛門にプラグを少しずつ押し込ん
でいく。
「うっ…、く……」
一番太い部分で少し手こずったが、そこを思い切って押し込むと、あとは勝手に呑み込まれて
いった。
「ぁ…、ふあぁ…っ…!」
取っ手の部分を残し、プラグは全て腸内に収まった。
昨日の玩具ほどではないが、確かに入っていると感じさせるくらいの圧迫感はあった。
「はぁ、はぁ……、っ…!!」
薬液の効果が現れたのか、諸葛亮は目をギュッと閉じ、敷布を握りしめる。
初めて味わう薬液による腹痛に涙が滲み、呼吸も荒くなる。
「(うぅっ…、お腹が…痛い…! これが…、浣腸の効果……)」
その痛みを紛らわそうとしたのか、敷布を握っていた手を離し胸の突起に近づける。
ツンと尖っていたそこに指が触れた瞬間、諸葛亮の身体がビクンと跳ねた。
「ひっ…!?」
自分でも信じられないほど身体が敏感になっている事に、諸葛亮は愕然とした。
いつもと同じように触っただけだったが、その指で触れた部分からびりびりと快感が伝わる。
「(そんな…! 排泄を我慢しているだけなのに…、何故……)」
あのイチジク浣腸に特別な薬が入っていた訳ではなく、その突起に香油を塗った訳でもない。
浣腸を我慢しながら自慰をするという事実と、浣腸の感覚自体に興奮して快感を感じてしまっ
ているようだ。
「っ…、う…、あぁ……」
先程からの強い便意が一旦引き、小康状態になった。
排泄の欲求が引いていくと、硬く尖った胸の突起や下腹部が疼き始める。
疼きに耐えられなくなり、先走りの液を流す性器に指を触れさせると、そこから腰が震えるほど
の快感が広がった。
「んぁ…っ!」
そのままその手をプラグにまで伸ばし、取っ手の部分を指で押したり叩いたりして刺激を与え
始める。
「あ…、んんっ…!」
肛門を刺激するような事をすれば、また便意が襲ってくるのは分かっていた。
諸葛亮の心はそれに恐れをなしていたが、肉体はそれを欲するかのように肛門から伝う快感
を貪っていた。
「ひうぅ…、こんなに…感じるなんて…!」
浣腸で快感を感じるはずがない、という先入観が崩れていく。
快楽を感じていることを認めてしまえば、後は素直にそれを享受するだけになる。
プラグを弄る手の動きはますます激しくなり、身体の方は淫らに痙攣を繰り返していた。
「んあぁ…っ、凄い…、気持ち…良いっ…!」
その時、再び腸を抉られるような痛みが襲ってきて、諸葛亮の動きが止まる。
「ひ…ぐっ……、く、苦しい…っ!」
身体を丸め、プラグを浅ましいほどに喰い締めながら崩壊を防ぐ。
さすがにこれ以上の我慢は無理だと思ったのか、諸葛亮は再度便意が収まったのを見計らっ
て慎重に寝台から下りた。
「はぁ、はぁ……、か、厠に……」
まだ達しておらず身体は疼いたままだが、このまま続ければ部屋で漏らしてしまうかも知れな
い。
「(部屋でなんて…、いけない…、厠へ……)」
諸葛亮は腹部を押さえながら、熱を持ったままの身体を懸命に引きずって厠へ向かった。





ここから場面変わらず5話に続きます。

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