放課後、夏侯覇が郭淮に呼び出されるようになってから数日が経った。
最初の頃こそ複雑な心持ちだったが、次第に郭淮との行為に抵抗を感じなくなっていき、ここ
最近は呼び出しに心を躍らせるようになっていた。
「(今日は何するのかな…。)」
夏侯覇は今から行われるであろう事を想像しながら、早足で化学準備室に向かう。
申し訳程度にノックをし、返事が聞こえるとほぼ同時に扉を開けた。
「待っていましたよ。さぁ、こちらに。」
夏侯覇は後ろ手で鍵を掛けると、郭淮の胸に飛び込んで接吻を求める。
郭淮は誘われるがまま夏侯覇の唇を奪い、舌を絡めながら口腔を好き勝手に蹂躙する。
「んんっ…、ふぁ……、せんせぇ……」
ユニフォームの薄い布の上から臀部をまさぐられると、夏侯覇は切なげな表情で郭淮を見つ
める。
「ふふ…、分かっています。…もっと気持ちよくして欲しいのでしょう?」
夏侯覇の首が縦に振られると、郭淮は「下を脱いで、机に手をついてお尻をこちらに突き出し
て下さい」と耳元で囁いた。
彼が言われた通りの体勢を取ろうと後ろを向くと、郭淮もその後ろで何やら準備を始めた。
たっぷりと水を張った洗面器に薬品と思われる液体を流し込み、手で掻き混ぜる。
夏侯覇はその様子を肩越しに眺めながら、訝しげな表情を浮かべていた。
「先生…、それ、何…?」
「…これが何だかわかりませんか?」
郭淮は硝子製の浣腸器を翳して見せるが、夏侯覇はそれが何なのか本当に分からないといっ
た様子だった。
「…これは浣腸器ですよ。今日は貴方に浣腸をしたいと思いましてね。」
言われた事の意味を理解すると、夏侯覇は慌てて尻を隠すようにしながら郭淮と向き合う格好
になった。
「え…っ!? か、浣腸っ!? そんなのやだっ…!」
「おや…、貴方なら喜んで下さるかと思ったのですが…。」
「そ…、そんなわけないだろ…っ!!」
郭淮の持っている浣腸器はかなり大きい物で、それを目視した夏侯覇は怯えたように視線を
逸らす。
「…しかし、貴方は私には逆らえない。…でしょう?」
「っ……」
例の携帯を目の前でプラプラと揺らされると、夏侯覇はそれ以上どうする事も出来ず唇を噛み
締めながら俯いた。
「ほら、先程と同じ格好をしなさい。」
「うぅ……」
夏侯覇は暫く視線を彷徨わせた後、しぶしぶといった様子で机に手をつき剥き出しになった尻
を突き出した。
「(浣腸なんて…嫌だ…、怖い……)」
彼の恐怖を表すように、脚や腕が微かに震えていた。
それを見た郭淮は、夏侯覇の尻を撫でながら努めて優しい口調で語り掛けた。
「…大丈夫です。貴方のために気持ち良くなる薬も混ぜておきました。少し辛いかもしれません
が、苦痛だけではないはずです。」
「……気持ち良くなる薬…?」
「ええ。…媚薬という物です。聞いた事くらいはあるでしょう?」
郭淮はそう言いながら、洗面器になみなみと満たされた薬液を浣腸器で吸い上げ始める。
洗面器の水位が下がっていき、その分だけ浣腸器の中身が増えていく。
「(あ、あんなに…いっぱい……)」
そうしているうちに洗面器は空になり、浣腸器の目盛りいっぱいの所まで薬液が充填された。
「…さて、覚悟は良いですか?」
「ぁ…、えっと……」
浣腸に対する恐怖はまだあったが、それよりも先程郭淮が言った事が気になって仕方ない…
といった様子だった。
「(媚薬って…、本当に気持ち良くなれるのかな……?)」
そんな夏侯覇の心情を見透かしたように、郭淮は彼の関心を引くような言葉をかける。
「物は試し、ですよ。…合う合わないは勿論ありますが、浣腸自体の快感もなかなかのもので
すよ。媚薬など混ぜなくても病み付きになってしまう方がいるくらいですから。」
「………本当に?」
夏侯覇が関心を示し始めると、郭淮は好機とばかりに嘴管を肛門に押し当てる。
「ひゃっ…!」
そこは反射的に浣腸器の進入を防ごうと窄まるが、薬液を少し押し出して馴染ませると易々と
嘴管を咥え込んでいった。
「では、入れますよ。」
浣腸器の内筒がじわりと押し込まれると、夏侯覇の身体がビクンと震える。
「あ…あぁ……、やだっ…、冷たい…!」
浣腸の味を身体に覚えさせるために、じっくりと薬液を流し込んでいく。
「っく…、うぁ……」
薬液が流れ込むたびに、それに押し出されるように声が漏れる。
その声を心地よく聞きながら更に内筒を押し込んでいくと、夏侯覇の身体に汗が滲み始めた。
「うぁっ……、先生…、お腹痛い…っ!」
「…我慢して下さい。まだ薬液が残っていますから。」
郭淮はそう言うと、薬液を注入する手を一旦止め、夏侯覇の様子を伺った。
便意に耐えているためか身体が突っ張り、肛門の方はヒクヒクと忙しなく蠢いている。
「あ…ぅっ…、せんせぇ……」
「まだ出してはいけませんよ。」
暫くすると、夏侯覇の身体からフッと力が抜けた。
どうやら、最初の便意の波を乗り越えて小康状態になったようだ。
「はぁ…、はぁ……」
夏侯覇の様子が落ち着いたのを確認すると、郭淮は再び内筒を押して薬液を注入し始めた。
「んひぃ…っ!! や、やだぁ…っ!」
「(…残りは一気に入れてしまった方が良さそうだ。)」
そう判断した郭淮は、手早く浣腸器の中身を空にしようと内筒を力いっぱい押し込んだ。
カチッ…と硝子同士のぶつかる音が響いた瞬間、夏侯覇の背筋がピンと仰け反った。
「ひぃ…っ!!」
薬液で腸内を強く叩かれ、脇に追いやられていた便意が再び襲いかかってきたのだろう。
「せ、先生…っ、だめ…、トイレに…行かせてぇ…!」
「まだまだ、トイレはお預けです。」
空になった浣腸器を抜き取り、短い毛に縁取られた肛門をジッと見つめる。
そこは内容物を漏らすまいと必死に窄まっているが、僅かに薬液が漏れ出していた。
「あぁ、駄目じゃないですか。お薬を漏らしては…。」
郭淮は笑みを浮かべながらそう呟くと、痙攣するように蠢く肛門に指先を押し当て、そのまま一
気に潜り込ませた。
「ひ…、ぐぅっ…!!」
夏侯覇は指から逃れようと尻を振るが、円を描くように内部を掻き回されると、ビクンと大きく
震えて動きを止めてしまった。
「ううぅ…っ! せんせ…っ、苦しいよぉ…!」
「…本当に、苦しいだけですか?」
郭淮がそう問い掛けると、夏侯覇は後ろを振り返り涙目で訴え始める。
「こんなの…、苦しいだけだよぉ…! お腹痛いし…、もう、漏れちゃいそうで…、ひっ…!!」
不意に内部の敏感な部分を擦られ、言葉尻が途切れてしまう。
夏侯覇は抗議するように郭淮を睨みつけるが、彼の情欲に澱んだ眼を向けられ、逆に萎縮し
てしまった。
「っ……」
「ふふっ…、もっと浣腸の苦痛を味わって下さい。…貴方ならその苦痛を快感に変える事が出
来るはずです。」
郭淮は指を動かしながら耳元でそう囁き、夏侯覇の胸の辺りに片腕を回し身体を密着させる。
すると、掌が触れた部分に夏侯覇本人も気付いていない変化が現れていた。
「…おや、これはこれは…。こんなに尖らせて…。」
碌に触れられてもいない胸の突起が硬くなっていた事に気付き、夏侯覇は驚いたような表情を
浮かべた。
「(な、何で…!? ……もしかして、媚薬のせいで…?)」
苦痛の中に混じる僅かな快感を自覚すると、夏侯覇は助けを求めるように郭淮の手を握る。
郭淮はそんな夏侯覇に「大丈夫ですよ」と囁き、手を握り返して下方に下ろしていく。
そのまま自分の手ごと局部を握られると、夏侯覇は思わずといったように言葉を漏らした。
「ぁ…、俺…、勃ってたんだ……」
「ふふ…。気持ち良くなってきましたか?」
郭淮はそう言いながら、夏侯覇の手を握ったまま性器に刺激を与え始めた。
「んぁ…っ! そこだめぇ…、変になっちゃう…!」
「構いませんよ、変になっても。…さぁ、後はご自分で扱いて下さい。」
「あっ……、え…?」
命令と共に郭淮の手が離され、夏侯覇は戸惑ったように手の動きを止めてしまう。
…今この状況で自分で扱くという事は、自慰を見られるのも同然だ。
それゆえ暫くの間恥ずかしげに目を伏せていたが、それでも快楽が欲しいという衝動には勝て
なかったのか、すぐに自分の手で性器を弄り始めた。
郭淮はそれを確認すると、夏侯覇の動きに合わせるように内部を掻き回し始めた。
「あ…んっ!! ふ…あぁ…、せんせぇ…、お尻…、気持ち…いい…!」
夏侯覇の下腹部からはごろごろと内容物が暴れ回っている音が聞こえていたが、本人はそん
な事はお構いなしとばかりに尻を揺らしながら嬌声を上げていた。
「あ…あぁ…、お腹痛い…、けど…、いい…っ、気持ちいいっ!!」
「(これは……、やはり貴方には被虐願望があったようだ。それも重度の…、ね。)」
夏侯覇は先程まで苦しんでいたのが嘘だったかのように、腰を振りながら喘ぎ乱れていた。
性器からは先走りの液が溢れるように滲み、夏侯覇が手を動かす度にぐちゃぐちゃと音を立て
る程だった。
「んひぃ…っ!! 凄いぃ…、もう…、い、イクぅ……」
「…駄目ですよ。」
今にも達しそうになった時、それを制止するように郭淮の手が性器を扱く手を掴んで引き剥が
してしまった。
絶頂の寸前で止められてしまった夏侯覇は、訳も分からず郭淮の手を振り解こうと腕を振っ
た。
「や、やだ…、イキたいのにぃ…! せんせぇ…、何で…だめなのぉ……」
「…イキたいなら、私の言う事を聞いて下さい。」
「う…うぅ…、何でも…聞くから…! だから…、イかせてぇ…!!」
夏侯覇は余程切羽詰まっているのか、何をされるのかも分からないというのに郭淮の命令に
従う事をあっさりと了承した。
「…では、今から指を抜きますが、まだ漏らしてはいけませんよ。」
郭淮は心底楽しそうに言うと、ゆっくりと指を抜き取っていく。
「んん…っ!」
色味の付いた薬液が少量漏れだしたが、夏侯覇は必死に肛門を引き締めてそれ以上の決壊
を防いだ。
「ふふ…、よく我慢出来ましたね。…では、あちらに。」
掴んでいた腕を引っ張って体の向きを変えさせ、先程浣腸液が張られていた洗面器を指さす。
「……?」
その意図が分からない夏侯覇が困惑したような表情を浮かべると、郭淮はにこりと笑ってさも
当たり前のように言い放った。
「貴方、トイレに行きたかったのでしょう?」
「え…、それって………、っ…!!」
そこで郭淮が何をさせたいのかやっと理解した夏侯覇は、最後の力を振り絞るように捕まれた
腕を振り解こうとする。
しかし、苦痛と快楽で麻痺しかけた身体ではいつもの力を出す事が出来ず、逆に引き倒されて
しまった。
「うぁっ…!!」
「貴方、何でも言う事を聞くと言ったでしょう? …次に逆らったらこのまま部屋の外に放り出し
ますよ。」
怒気を含んだ口調で言われると、夏侯覇はビクンと身を竦ませ、泣く泣く洗面器まで這ってい
きへたり込むように跨った。
「ひっく……、ぐすっ……」
「…夏侯覇殿。こちらの準備も出来ましたので、どうぞ排泄して下さい。」
「ぁ……、っ…!?」
準備という言葉に疑問を感じて振り向くと、すぐ後ろで郭淮が興奮した面持ちで携帯を構えて
いた。
「う…あぁ……、い、嫌だ…、こんなの…撮らないで……、ぅ…ぐっ…!!」
丁度その時、腹圧が今までにない程に高まり薬液がびゅるびゅると零れ始めた。
それによって決壊が近づいている事を悟った郭淮は、その瞬間を克明に収めようと肛門の辺
りにカメラを向ける。
「あ…、だめっ…、出ちゃう…、い、嫌だあぁーーっ!!」
その叫びと同時に、堰き止められていた物が一気に吹き出した。
ドロドロに溶けきった排泄物が洗面器に叩き付けられる様を、郭淮は瞬きすら忘れて凝視して
いた。
「おぉ…、素晴らしい…。」
「やだやだ…っ! 見ないで…、見ないでえぇっ!!」
不意に夏侯覇の背筋が仰け反り、身体がビクンと大きく震えたかと思うと、床に白濁液が飛び
散った。
「ひ…あぁっ……、ぁ……、な…、何…で……?」
夏侯覇は自分が排泄で気をやってしまった事に驚いていたが、求めていた絶頂にやっと達す
る事が出来た解放感からか、すぐにどうでも良くなってしまったようだ。
「ふあぁ……、でも…、気持ち…良かったぁ……v」
「(何と…、排泄で達するとは…。)」
褐色に染まった薬液と排泄物の残滓を滴らせている肛門を動画に収めつつ、郭淮は夏侯覇
の“素質”に感嘆していた。
一方夏侯覇は、断続的に身体を痙攣させながら至福の表情を浮かべていた。
「(凄い……、浣腸って…、こんなに気持ちいいんだ…。クセになりそう……v)」
絶頂の余韻に浸る夏侯覇の背中に向かって、郭淮は聞こえるか聞こえないか位の声量でポツ
リと呟いた。
「…ちなみに、媚薬入りというのは嘘だったのですよ。まぁ、今の貴方にとってはどうでも良い事
でしょうが…。」 |