「はぁ……」
夏侯覇は、化学準備室の扉の前で憂鬱そうな表情をしていた。
「放課後、化学準備室に来るように」と言われて来たのだが、それがテストが返却された後の
事で、確実に怒られると分かっているから浮かない顔をしているのだ。
成績が悪いから呼び出されるのは仕方ないとしても、問題は呼び出した人物の方だ。
「(…また、父さんと比べられて色々言われるんだろうなぁ…。)」
化学教師である郭淮は、同じく教師で夏侯覇の父である夏侯淵と昔からの知り合いだった。
それ故、郭淮は事あるごとに父を引き合いに出して夏侯覇の成績が悪い事を詰っていた。
そんな事もあって、夏侯覇は郭淮に対してすっかり苦手意識を持ってしまったのだ。
「(……しょうがない、行くとすっか。)」
遅れるとまた怒られるしな…と独りごちて、扉に手を掛け恐る恐る開ける。
「…失礼します。」
中に入ると、机に向かっていた郭淮が「そこに座って下さい」と自分の隣に置いた椅子を指し示
した。
夏侯覇が言われた通りそこに座ると、郭淮は書類を手に持ち向かい合うように椅子を回した。
「まず、テストの点数の事ですが……」
化学の試験での点数が低かった、という話を皮切りに説教が始まった。
長々とした説教を真面目に聞いていては疲れるので、いつも通り適当に聞き流しながら終わる
のを待った。
しかし、夏侯淵の事を引き合いに出されると、夏侯覇は怒りを隠そうともせず郭淮をキッと睨み
つけた。
「(何だよもう…、いつもそればっか…!)」
恨めしげに睨む夏侯覇の視線に気付くと、郭淮はぴくっと眉を吊り上げた。
「…夏侯覇殿、何か文句でも?」
「……」
夏侯覇が何も言わずそっぽを向くと、郭淮は仕方ないなという風に溜め息をついた。
「…貴方のその性根、叩き直す必要がありますね。」
そう言うと郭淮はスッと立ち上がり、夏侯覇の横を通り過ぎドアの前まで行き鍵を掛けた。
「え…?」
殴られると思い身構えていた夏侯覇は、拍子抜けしたように身体の力を抜いた。
しかしその瞬間、郭淮は後ろからその身体に腕を回し、薬液を染み込ませた布で夏侯覇の鼻
と口を塞いでいた。
「(えっ…!? な、何…っ……)」
自分が何をされたのかも分からぬまま、夏侯覇は意識を失った。
「……う、ぁ…?」
夏侯覇が目を覚ました丁度その時、カシャッ…とシャッター音が響いた。
「…っ!? な、何、何っ…!?」
夏侯覇はすぐに自分の身体の異変に気付いた。
制服のズボンと下着だけが脱がされた状態でうつ伏せに寝かされ、足を広げながら尻を上げ
るような格好になっていた。
手首は紐で一纏めにされて縛られていて、足首の方は鉄の棒に括り付けられ、それ以上足を
閉じられないように固定されていた。
「ふむ、よく撮れていますね。」
楽しげに携帯の画面を見つめる郭淮に、夏侯覇は必死の形相で叫ぶように問い掛けた。
「ちょっ…、何だよこれ! 何のつもりだよ、郭淮っ!!」
「静かにしなさい。」
強い口調で言われると、夏侯覇はビクンと肩を揺らして口を噤んだ。
「…それと、大学の中では先生と呼ぶようにと何度も言ったでしょう。」
まったく貴方は…と呟きながら夏侯覇の後ろに回り、様々な器具が入っているであろう箱から
ピンセットを取り出した。
「さて、今から貴方の根性を叩き直します。騒いだり暴れたりしたらその分だけ時間も掛かりま
すし、少々手荒な事をしてしまうかもしれませんので。…分かりましたね?」
「うぅ……」
今の状況も何故こんな事をされなければいけないのかも分からなかったが、郭淮の言う事を
聞かなければもっと酷い事をされてしまうのは確かだ。
そう思った夏侯覇が震える声で承諾の返事をすると、郭淮は開いている方の手で尻たぶを広
げ、ピンセットを窄まりの部分に近づける。
「うーむ…、先程から気になっていたのですが、変な所に毛が生えていますねぇ。」
それが肛門の周りに生えている毛の事を言っているのだと気付き、夏侯覇はかぁっと顔を赤く
した。
「ぅ……、言うなよ…っ! それ…、気にしてるのに……」
「気にしているなら、処理くらいしたらどうですか。」
郭淮はそう言いながら、ピンセットの先端でその毛を撫で上げ、抜けない程度の強さで摘んで
引っ張り上げる。
「い、痛っ…、何…するんだよぉ…!」
「…まぁでも、このままの方が楽しめそうですし、処理はしなくても良いですよ。」
何を勝手に…と言いたい気持ちを抑えつつ、夏侯覇はその痛みに耐える。
暫くしてピンセットが離れ痛みから開放されると、安心したように息を吐いた。
だが安堵したのも束の間、今度は肛門に滑った感触が走り、夏侯覇は思わず素っ頓狂な声を
上げた。
「ひゃっ…!? な、何……」
肛門に触れた熱く柔らかい物体が郭淮の舌だと理解するのに、そう時間は掛からなかった。
夏侯覇の身体は汚辱感に震え、思わず舌を引き剥がそうとするような動きをしてしまう。
「や、やだ…! 何で…、そんな、汚いとこ舐めるんだよっ…!」
すると、郭淮は一旦口を離し、不機嫌そうに夏侯覇を睨みつけた。
「毛が口の周りに擦れて痛いですよ…。…まぁ、それはいいとして、騒いだり暴れたりしないで
欲しいと言ったはずですが。」
「で、でも……、そんなとこ…、触ったりとか…、舐めたりするなんて…、変だし……」
「(ふむ…。この反応…、ここを使った事は無いようですね。)」
郭淮はそう確信すると、再び肛門に舌を宛い、先程よりも強く刺激し始めた。
「あひっ…!! やだっ、やだぁっ…!」
皺を伸ばすかのように舌を押し付けたかと思うと、唇で肛門に吸い付き、じゅるじゅると音を立
てながら吸い上げる。
「いやあぁ…っ! そ…んな…、吸わないでぇ……、ひっ…!」
尖った舌先が括約筋をくぐり抜けて内部に進入し、粘膜を直接舐め始めた。
腸内で舌が蠢き、内部を擽るように舐められると、夏侯覇は今までとは違う反応を示した。
「っ…!? な、何か…っ…、変…だよぉ……」
舌を更に深くまで押し込まれ、奥の方を刺激されると、内部がそれに呼応するような動きを見
せる。
「(…もう反応している…。思ったより素質がありそうだ。この辺りで次に行ってみましょう。)」
そんな事を思いつつ舌を離すと、綻び始めていた肛門がヒクヒクと蠢いた。
郭淮はその様子を見て満足げに笑うと、手に収まる位の大きさのスポイト状の道具を手に取
り、肛門に近づけた。
「…何、それ……、あっ…!?」
気付いた時にはスポイトの先端が内部に潜り込み、中身が腸内に流し込まれた。
「えっ…!? な、何…、何入れたの…っ!?」
「…危ない物ではありません。ただの潤滑剤です。」
郭淮はそれだけ言うと、指で肛門をなぞり、注ぎ込んだローションを馴染ませるように括約筋に
塗り込んでいく。
「っ……」
「これでよし…と。」
充分滑らせた事を確認すると、郭淮は試験管スタンドを自分の側まで手繰り寄せ、その中から
一番細い物を取り出した。
「…まずはこれですね。」
試験管を当たり前のように肛門に押し当てると、夏侯覇の口から怯えたような声が漏れる。
郭淮は何か言いたげに振り向いた夏侯覇を無視して手に力を込め、内部にそれを埋めていっ
た。
「っく……、冷た…っ……」
「…じっとしていて下さい。暴れると試験管が割れるかも知れませんよ。」
その言葉を聞くと、夏侯覇はハッと息を呑み身体の動きを止めた。
郭淮はそれを確認すると、試験管を注意深く奥まで押し込み、四分の三程が埋め込まれた所
で手を離した。
「うぅ……」
夏侯覇が必死に異物感に耐えているその姿を、郭淮は自らの眼と携帯の画面でしっかりと捉
えていた。
「…ふふ。写真も良いですが、やはり動きや音があった方が良いですね。」
「え…っ!? や、止めて…、こんなとこ…、撮らないで…っ!!」
夏侯覇は自分に向けられた携帯のカメラから逃れようと藻掻くが、その姿は郭淮の眼を楽しま
せるだけだった。
「(こんなの嫌だ…! 何とか、しないと……)」
そう思って一頻り藻掻いてはみたものの、この状況から逃れる事は出来ないと悟ったのか、夏
侯覇は諦めたように身体の力を抜いた。
「…そう、それで良いのです。」
郭淮は満足げに笑って携帯をしまうと、夏侯覇の呼吸に合わせて微かに揺れている試験管を
指で摘む。
そのまま緩慢な動きで出し入れを繰り返すと、夏侯覇の身体に鳥肌が立った。
「っ…、う、動かさないでぇ…!」
硝子の筒で腸内を弄られる恐怖と異物感に、無意識のうちに身体が震え出す。
しかし、郭淮の手の動きが早まるにつれ、辛そうにしていた夏侯覇の表情が少しずつ変わって
いった。
「うぁ…、何…、これ……」
試験管が腸内を擦るたび、何とも言えない感覚が走り異物感が薄れていく。
頭ではまだ理解出来ていなかったようだが、身体の方は既にその感覚の正体が分かっている
ようで、それは目に見える形で現れていた。
「(おや、これはこれは…。)」
熱を持ち始めていた性器に郭淮の指が触れると、夏侯覇はビクッと身体を揺らした。
その部分を触られて初めて自分が勃起している事に気付いたのか、彼は困惑の表情を浮か
べていた。
「えっ…!? 何で…、俺…、どうして…!?」
「(まだよく分かっていないようですね。…まぁ、すぐに分からせてあげますが。)」
郭淮は一旦手を止め、試験管を抜き取りスタンドに戻す。
そして、隣の一回り大きな物を手に取ると、同じように肛門に突き立て抽送を始めた。
「ひぃっ…!! や、止めて…、もう……」
「何を言っているのですか。こんな物、まだまだ序の口ですよ。」
「そ、そんな…、これ以上…、変な事しないでよ…っ!」
夏侯覇が今耐えているのは異物感というより、腸内に走る何とも言えない感覚の方だった。
試験管が太い物に変えられた所為か、先程よりもその感覚を強く感じていたのだ。
「だめ…っ…、お尻…、変だよぉ……」
郭淮はその言葉を聞くと、そろそろ頃合いかと言わんばかりに試験管を引き抜いた。
「ひぅっ…!」
安堵する暇もなく指が突き入れられ、ぐちゃぐちゃと内部を探るように動かされる。
夏侯覇はその感覚に耐えるように唇を噛み締めていたが、郭淮の指がある一点を擦った瞬
間、堪えきれずに声を漏らしてしまった。
「あっ…!?」
「(…成る程、ここですか。)」
郭淮はその部分を指の腹で押さえたり、指先で引っ掻くように刺激したりと、執拗なまでに嬲り
上げていく。
「ひ…あぁっ!! だめっ、そこ…だめぇっ! びりびりするぅ…っ!!」
未知の感覚に恐怖し狂乱する夏侯覇に、郭淮は宥めるように語りかける。
「…夏侯覇殿、怖がる事はありません。我慢せずこの感覚に身を委ねてみて下さい。」
「そ、そんな…事…、言われても…、これ…っ…、何か…分かんなくて……」
「…まだ分かりませんか? でも、この感覚が不快な物ではないという事は分かるでしょう?」
郭淮がそう言いながら敏感な部分を擦ると、夏侯覇は少し間を置いた後こくんと頷いた。
「(…ふむ、良い手応えですね。そろそろ仕上げといきましょうか。)」
柔らかく解れた肛門から指を抜き取り、念のため再度ローションを注入する。
そして、自分の肉棒にも同じローションを垂らして馴染ませ、ぱくぱくと開いたり閉じたりを繰り
返す肛門に押し当てた。
「ふぇ…?」
ローションの滑りを借りて、肉棒が少しずつ夏侯覇の中に潜り込んでいく。
「いっ…!? な、何…っ!?」
郭淮は夏侯覇に覆い被さるようにしながら、ゆっくりと肉棒を根元まで埋め込んでいった。
「う…ぁっ……、郭淮…っ、苦しいよぉ…!」
試験管や指とは比べ物にならない質量のモノで埋め尽くされ、夏侯覇は今までに感じた事のな
い圧迫感に呼吸を荒くしていた。
「…ここでは先生と呼んで下さい、と先程も言ったでしょう。」
夏侯覇の耳元でそう囁きながら、郭淮は緩慢な動きで抽送を始める。
「ひうぅ…!! ご、ごめんなさい、先生っ! 謝るから…、もうやめて…、許してぇ…っ!!」
夏侯覇は必死に謝り行為の中断を訴えるが、郭淮には既に途中で止められるような理性は残
っていなかった。
「…ずっと…、ずっと貴方をこんな風に犯したかった…。やっと思いを遂げたというのに、今更
止める事など出来るものか…。」
郭淮は呟くように言うと、その思いの丈をぶつけるように夏侯覇の中に肉棒を突き込む。
敏感な部分を重点的に擦り上げると、滑った腸壁が生々しい締め付けを返した。
「ひ…いぃっ!! だめ…っ、そこだめっ!!」
「ふふ…、こんなに締め付けて…。貴方の中は、凄く気持ち良いですね。」
耳元で言われたその言葉に対して、夏侯覇が少しだけ反応を示した。
「……気持ち、いい…?」
「ええ。…貴方は、どうですか?」
郭淮にそう問い掛けられ、夏侯覇は程なくしてその「何とも言えない感覚」が快感なのだと自覚
した。
「そっか……、これって…、気持ちいいって…事なんだ……」
「…やっと分かってくれましたか。」
一旦快感を自覚すれば、後はそれに溺れ、堕ちていくだけだ。
夏侯覇は先程までの戸惑いが嘘のように喘ぎ始め、更に郭淮の動きに合わせて腰まで動かし
始めた。
「あぁっ…! 先生…、もっと…!」
「欲しいですか? …では、手加減無しで行きますよ。」
そう言うと郭淮は、夏侯覇の身体に腕を回して密着し、腰を強く打ちつけ始めた。
「ひっ、ああぁ…っ!! せんせぇ…!」
今までに味わった事のない強烈な快感に、夏侯覇の頭の中があっという間に白く塗り潰されて
いく。
「くっ…、これは凄い…。」
夏侯覇の身体の昂ぶりを表すように、腸内が肉棒をきつく締め上げては緩むという動作を繰り
返していた。
それによって、郭淮にも痺れるような快感が送り込まれ、射精欲が急速に高まっていく。
「夏侯覇殿っ…!」
「ふあぁ…っ! いい…、気持ち…いいよぉ…、せんせぇ…、あ…ああぁっ!!」
夏侯覇が叫び声を上げた瞬間腸内が一際強く締まり、その刺激がとどめとなって郭淮の肉棒
から精が吐き出された。
「うぅっ…!!」
「あ…あぁ……、中…、熱い……」
腸内に全てを吐き出し肉棒を抜き取ると、綻んだ肛門から白く濁った粘液が漏れ出し床に垂
れた。
「っ…、はぁ、はぁ……、せん…せぇ……」
ふと床を見ると、そこには郭淮が出したものではない精液も付着していて、夏侯覇も絶頂に達
した事を物語っていた。
「…そうだ、折角なので記念撮影をしておきましょうか。」
郭淮はさも楽しそうに言うと、携帯を取り出してそれを夏侯覇に向ける。
激しい絶頂の余韻で動けずにいる彼の顔や尻を撮影し、ヒクヒクと蠢きながら精を吐き出す肛
門をじっくりと観察しながら動画に収めていった。
「……やだ…、せんせぇ…、こんなの…撮らないで……」
夏侯覇は涙を零しながら必死に制するが、それは郭淮の興奮を更に煽るだけだった。
「あぁ…、素晴らしいです、夏侯覇殿。」
郭淮は携帯の画面を満足げに見つめながら、これからはこの身体を好きに出来るのだという
事実にゾクゾクと体を震わせた。
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