基本設計が完成し、次は実施設計の段階に入っていきました。
ここでは、平面的な間取り図から立体的なものへと移り、さらにどんな部材を使うのかを
具体的にひとつひとつ決めていきます。

ここまできてから、実は設計士Kさんとの間で不協和音(?)が生じ始めていました。
他の仕事も入ってお忙しくなられたせいか、こちらが訂正して欲しいと頼んであったことが
無視されたり、数字的なミスが多くなったりして、熱意が感じられなくなり不信感を持ち始
めてしまったのです。

設計そのものには納得がいったのですが、部材を決める段階で私たちとの考え方の違い
が明白になってきました。 私たちは、骨太な山小屋風の無垢の家をイメージしていたの
ですが、そしてそれは何度もお伝えしてあったはずなのに・・・・。  Kさんは、同じ木を
使った家でも、店舗住宅のようなどちらかといえば小じゃれた感じのイメージで部材を選ば
れるので、ことごとくぶつかってしまいました。
 
このまま話を進めていいのかな・・?と不安になりながら、それでも一応ここまできたの
だし・・ととりあえず実施設計図だけは完成してもらうようにしました。




そんなとき、たまたま近くで、ある工務店の住宅完成見学会があるとのチラシが目に付き、
その家の写真に太い梁が使ってあって心惹かれるものがあったので、見に行くことにしま
した。
その家自体は自分の好みのものではなかったのですが、無垢材や健康に配慮した部材
を使用していること、そしてもともとが材木問屋がやっている工務店であることから予算的
にはかなり低く抑えられることなどを知り、心が揺れ出しました。

帰る間際に、営業マンの方が、「どちら(場所)で建てられるご計画ですか?」と聞いて
みえ、なにげなく「〇〇町です」と伝えたら、「ちょうどそちらでうちの大工さんが自宅を建て
たばかりなので見にいらっしゃいませんか?」とのお誘いの言葉。
同じ町内だし、参考にもなるかな・・と軽い気分でお受けすることにしたのです。

早速、その大工 F さんのご自宅を拝見したら、まさしく私たちが望んでいるような家だった
ので感激し、また奥様ともお話させて頂いて、家に対する考え方などがとても似ていた為
急激に気持ちが傾いてしまいました。もし、我が家がこの工務店に発注すれば、大工は
このF さん一人に任せます・・・とのこと。同じ町内だから、まさか手抜きされることもないだ
ろうし、なによりも私達の望みを一番わかってもらえるだろう・・という安心感がありました。




そうなると問題があります。設計をS協の住宅事業部の紹介でお世話になっており、その
システムでは、工務店もそのグループに所属している中から3〜4社を選んで合見積もりを
取り、一番価格の低いところに決定すること・・・となっていたからです。

初めはやはりその方が安心だろうと思って参加したグループでしたが、設計士Kさんへの
不信感と、我が家のように無垢材を多用する場合、普通の工務店ではたぶん予算オーバー
するだろう事等から、義理は欠いてしまいましたが、正直にお話して 『K木材』さんと契約
することにしたのです。

契約では、Kさんに設計から監理までをお願いしており、工務店とは別に監理者がいたほう
がいいのでは・・とも思ったのですが、やはり現場監督が2人いては混乱するだろうし、
現場でことを決めていくのに、いちいちKさんに伺いを立てるのも嫌だな・・との思いもあって、
監理からは降りてもらう事にしました。このときは少々後味の悪い思いもしましたが、結果的
には話がとてもスムーズに流れるようになり、このあとの部材決めなどは「ツーといえばカー」
(古いか?)と言った感じで、今までのぎくしゃくが嘘のように決まっていきました。

工務店との出会い