「今後の公共施設配置のあり方について」の位置づけ等について
今回は、私 梶雅子、3期12年間の議員生活最後の一般質問です。
毎回の定例会で一般質問をしてきましたので、これが48回目となります。毎回、その時の市民の願いを質問してきました。今回は、武蔵野市公共施設配置の在り方検討委員会の作成した「今後の公共施設配置のあり方について」の位置づけについてと、少人数学級の早期実現についての大きく2点を質問いたします。
1.大きな1点目は「今後の公共施設配置のあり方について」の位置づけについてです。
武蔵野市は、第五期基本構想・長期計画の策定にあたり、今後の公共施設の配置の在り方について、庁内での考え方の整理を行なうため、武蔵野市公共施設配置の在り方検討委員会を設置しました。検討委員会の構成は、2名の副市長と各部の部長で、その下に各部の課長で構成する作業部会があります。この検討委員会の作成した「今後の公共施設配置のあり方について」では、「第五期基本構想・長期計画策定のたたき台として、公共施設配置の原則と個々の施設の今後のあり方について検討を行ない」、個別施設について[検討委員会]の結論をだしています。
一方、第五期基本構想・長期計画の討議要綱では、「長期計画策定にあたっては、市民参加によって策定された個別計画(現在改定中の計画に寄せられた意見も含む)を尊重する」となっています。
武蔵野市は計画行政を重視してきた自治体の一つであり評価すべき点も多くありますが、市民運動をしている方々にとっては、長期計画に今後の実行計画や施策として記載されることが重大なことになります。
今回の討議要綱では、いくつかの具体的な施設の今後のあり方が、「皆さんのご意見を拝聴するため」ということで記載されています。しかし、その内容は「今後の公共施設配置のあり方について」の[検討委員会における結論]は尊重されていますが、この間、それぞれの地域からでている市民の意見、要望を尊重したものになっているでしょうか。個別計画とも違う点もあります。そこで4点質問をしたいと思います。
(1)討議要綱では、旧泉幼稚園跡地・西部図書館・市民会館の図書室・旧桜堤小学校について、市民の意見より、[検討委員会における結論]が尊重されていることを市長はどのように考えますか。 泉幼稚園跡地と、西部図書館に関しての市民の方々の要望、今までの住民運動との関係で伺います。
地域の幼稚園として多くの人々に親しまれた泉幼稚園は、2006年(平成18年)3月閉園いたしました。そして、その跡地については8月に「私立泉幼稚園跡地購入に関する陳情」だされました。内容は、跡地を市に購入してほしいこと、子ども・青少年・高齢者が集うことができ、泉幼稚園の財産である泉文庫1万冊の蔵書を活用できる施設を要望するというもので、採択されました。その実現に向けて11月からは中央・御殿山・吉祥寺西の3コミュニティーのネットワーク事業として会合をかさね、よく平成19年5月には、「泉幼稚園跡地利用を考える会 実行委員会」に継続され、今日まで続いています。実行委員会として、夏みかんの収穫とマーマレードづくり・柿の収穫・施設見学会などにも取り組んでいます。このような地域住民の熱意と努力が実り、「第三次子どもプラン」には、「樹木や果樹を活かした敷地の中に、泉文庫の図書を活かし、乳幼児とその親、若者や高齢者などの交流ができるひろばをもつ子育て支援施設について検討します。施設の検討にあたっては、西部地域の子育て支援施設の再編と関連した全市的な公共施設の配置の視点に留意します。施設開設までの間は、暫定的な利用を継続します。」と記されました。運動してきた市民の方々は、この方向でいくと考えていました。ところが、討議要綱には、市民の意見を尊重した「第三次子どもプラン」の結論ではなく、[検討委員会の結論]がそのままかいてあり、運動してきた方々はとても驚いています。
2月18日発行の庁内報むさしの993号によれば、泉幼稚園跡地を利用した子育て支援施設のあり方について、第三次子どもプランや公共施設配置の在り方検討委員会報告書での内容を踏まえ、第五期基本構想・長期計画を念頭に置いた具体的な検討を行なうため、検討委員会の設置期間の更新と委員の変更を行いました。設置期間は平成24年3月末までで、平成23年度中に施設概要案をとりまとめる予定となっています。この検討委員会に市民の声はどのように反映されるのでしょうか。また、ここでとりまとめられた施設概要案が長期計画に反映されるのでしょうか。伺います。
西部図書館跡地については、「検討委員会における結論」では歴史資料館(公文書・民俗資料等)として活用する。その際、保存していくべき資料を厳選していく。また、資料の閲覧の他、市民の利用可能なスペースを確保するとなっています。討議要綱では、閉館する西部図書館の施設は、市民の利用可能なスペースを持つ歴史資料館として活用するとなっています。これも、検討委員会における結論の通りです。
西部図書館については9月9日の文教委員会での、議案第55号武蔵野市立図書館条例の一部を改正する条例の審議で、「西部図書館移転後の施設利用については、周辺住民と話し合いの場を設け、文教委員会での議論を踏まえ、住民への還元施設としての目的に沿うよう慎重に進められたい。今後、施設利用については議会との議論を通じて理解を得られるよう最大限の努力をされたい」という付帯決議が文教委員会の委員全員の賛成で可決されました。
西部図書館の存続に関しては、今までも陳情が出されてきましたし、現在「西部図書館跡地を市民の複合施設に」の地元住民の会が、陳情署名に取り組んでいます。
市長は、9月9日の文教委員会での発言「西部図書館跡地利用については、今後も議会との議論を続けるとともに、周辺住民のご意見も聞いてまいりたいと考えております。」を守ってください。
ここでは、泉幼稚園跡地と、西部図書館跡地についての地域住民の方々の取り組みを述べましたが、地域住民の方々は、本当にいろいろがんばって息長く運動しています。ぜひ、利用者と話し合いの場を作り、その声を市政に活かしてください。
改めて伺います。市役所の行政サイドでつくった「検討委員会における結論」が尊重されていることを市長はどのように考えますか。
(2)お年寄りが、いつでも自由に利用できる「いばしょ」を各町・各丁目など、地域生活単位としての「コミュニティレベル」に作ることを計画してください。まず本宿こどもクラブ、井の頭こどもクラブ(吉祥寺西コミセン地下)の移転跡、法政高校跡地などに、市民の声・高齢者の要望を聞きながら計画することを検討してください。
(3)吉祥寺美術館音楽室の存続について
この音楽室は、音響効果がよいこと、合唱練習に必要な広さがある市内で唯一つの施設で、利用率も高いものです。[検討委員会における結論]は音楽室の移転または廃止を検討する。というもので、利用者は大変驚き、市長に要望書を出している団体もあり、現在、陳情も出ています。そこで、質問します。
@利用者の意見・要望を聞いて結論を出したのか伺います。
A利用が多い音楽室の廃止は、ただちに撤回してください。
B音楽室の移転を検討するときは、武蔵野公会堂など吉祥寺駅周辺の公共施設の再配置を進めるときに、音楽室は必要な機能の一つと位置づけ、市民・利用者の意見を聞いてください。
(4)本町コミュニティセンターにキャタピラ式の昇降機の設置を考えてください。もし設置が無理なら、2階の和室の1室をイス式でも使用できるような机、いすの設置を考えてください。
2.大きな2点目は、少人数学級の早期実現についてです。
文部科学省は、30人・35人学級を8年計画で実施する計画案を発表しました。そして、平成23年度より小学校1年生の35人学級が実施されます。東京都は今年度1年生を38人学級にしました。よって平成23年度は1年生は35人学級、2年生は38人学級、3年生は39人学級、4年生以上は40人学級というクラス編成になります。そこで、質問します。
(1)市長は、2期目の政策として、8つの重点政策の2番目に小学校低学年の少人数学級実現を掲げて市長となりました。少人数教育というのなら、授業科目ごとに学級が違う少人数指導より、生活集団と学習集団が同じ少人数学級のほうが効果があります。国の方向を先取りし、少人数学級を実施してください。市長の決意を伺います。
(2)武蔵野市は、少人数指導を進めるとしています。今回、国が1年生を35人学級にしたのも少人数学級の効果が実証済みだからです。どうして、市は少人数指導にこだわるのかを伺います。
(3)もし、国の方針で学級編成基準を弾力的に設定できるようになったら、武蔵野市は率先して少人数学級を実施するべきだと考えますが、市長と教育長の考えを伺います。
(4)武蔵野市では、少人数指導・チームティーチング・学習指導員など加配の教員がたくさんいます。教育長は私の2008年9月議会の一般質問に、「確かに1クラスの人数が少なくなると、ひとり一人に目が行くということは当然のことながらあります。」と答弁しています。これら加配教員の市独自の活用で、一人ひとりに目の行き届く少人数学級に、取り組んでください。
私は、一人ひとりの子どもたちが大切にされ、ゆきとどいた教育をと願って、少人数学級の実現については、何回も一般質問をしてきました。少人数学級になれば全てが解決するわけではありません。でも、すべての子どもたちにゆきとどいた教育にするために、行政ができることには最大の努力をするべきです。
いま、少人数学級に取り組んでいないのは全国で東京都だけです。この春に東京が変わり、くらし・いのち・教育が大切にされる東京になることを願って最後の一般質問を終わります。
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