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一般質問全文No.016 3月議会一般質問全文


高齢者をとりまく医療制度等について

今回は、「高齢者をとりまく医療制度について」と、「自転車の安全な利用について」の2点を質問いたします。



大きな1点目は、「高齢者をとりまく医療制度について」です。

今、高齢者をとりまく医療の状況はとても厳しいものです。私の知人の85歳の寝たきりで市内の特養にいる方は、肺炎になり市内の病院に緊急入院しました。そのとき病院からは、「緊急だから2週間ぐらいで出てもらう」といわれ、特養からは「退院後は引き取れない、家族が病院を探し、どこもなかったら自宅にひきとってくれ」といわれました。そして、病院に入院した数日後には特養から荷物が帰されてきました。緊急で入院した病院の支払いは、40日の入院で59万円かかり、もし、転院先の病院に入院できてもこんどは経済的に続けられるのかとても心配だといっています。最後まで特養で看てもらえると思っていたので、人生の最後にこんな心配ごとをかかえるとは思いもしなかったと83歳の奥様は嘆いています。。

89歳の方は、大腿部骨折で田無の病院に行きましたが、検査だけで入院はできないということで帰され、50代の娘さんが一日中電話をかけまくり、一日1万4千円の差額ベッド代がつく三鷹の病院に入院させましたが、痴呆の状態がすすみ、転院をいわれ、茨城県にある病院に転院しました。

このように高齢者に対する医療状況が厳しい中で、この4月より実施されようとしている後期高齢者医療制度では、75歳以上というだけで国保や健保から追い出され、保険料が年金から天引きされ、払えなければ保険証を取り上げられる、さらには保険の利く医療が制限されるなど、高齢者をムチ打つもので、不安や怒りが高齢者の中に広がっています。

後期高齢者医療制度に関する、共産党市議団のアンケートには、「75歳以上を切り捨てたい本音がうかがえます。弱者に対して傲慢な政府と都政を変える運動をしたいです。」「姥捨て政策そのもの、あまりにも老人を『バカ』にしています。」「75歳以上は『お金がなければ死ね』といわんばかりの制度、まるでアメリカ映画の『シッコ』のようにベッドから追われ孤独死する年寄りが増える気がします」など多くの悲痛な声が届いています。そこで、高齢者が安心して生活できる医療制度を求めて質問いたします。


1点目に、いま高齢者がおかれている医療の現状をどのように考えているのか、お伺いします。


2点目に、後期高齢者が支払う保険料について伺います。

@東京都広域連合議会が、2月12日に、75歳以上の後期高齢者医療制度の低所得者の保険料「所得割」分を2008年度と2009年度に限り独自に軽減する条例改正案を全会一致で可決しました。この保険料軽減は、都民が署名を提出したり、都内8割近くの区市町村が意見書を議決するなど、世論と運動が反映されたもので評価します。

平成20年度の国保税と軽減された後期高齢者医療保険料の比較では、低所得者の保険料はどのようになるのか伺います。

A保険料の均等割だけが適用される年金収入153万円以下の人は、収入のほとんどない人も保険料をとられます。

広域連合は、保険料の減免については、自治体ごとの独自減免は「認めない」としていますが「広域連合として、条例18条にもとづき風水害や、収入が著しく減った場合のほか、収入が生活保護基準の何倍かなどの基準を設けて、別途対応したい」と、答弁しています。この要綱を実現するためには各加盟自治体の了解が必要となります。

広域連合議会の条例第18条の保険料の減免制度に、生活保護基準で減免する要綱を作るように、広域連合議会に強く要求してください。

B低所得者対策を採っても、夫婦二人世帯の場合は、年金収入だけの世帯は軒並み負担増です。これまでの国保税より上がることを是正することが必要です。国や東京都にさらなる財政支援を求めてください。

C2年間の激変緩和措置のあとは、大幅な負担増になります。激変緩和措置を延長するよう広域連合議会に要求してください。


3点目に、滞納者への対応について伺います。

今まで75歳以上は老人保健法で、資格証は発行されませんでした。資格証は発行するべきでありません。12月の第3回定例会で、わが党の橋本議員の質問に市長は、「厳格かつ、より慎重な運用を行い、機械的に取り上げるようなことは決してないようにする」と答弁しています。

広域連合議会では、「地元の審査会の意向は尊重する。審査会には口は出さない。しかし、手続きがされているかは口を出す」と答弁しています。武蔵野市では、どのような体制の交付審査委員会を設置するのか、資格証発行の基準や要綱はどうするのか伺います。また、国保でも資格証は発行していません。発行しない方針を貫くべきです。市長の見解を伺います。


4点目に、受けられる医療について伺います。

@中央社会保険医療協議会は2月13日の総会で、公的医療保険から医療機関に支払われる診療報酬の改定案をまとめ、厚生労働大臣に答申しました。

改定案では、75歳以上の診療報酬は、外来・入院・在宅・終末期の全ての分野で74歳以下と差をつける項目が盛り込まれました。

外来医療では、75歳以上だけを対象にした「後期高齢者診療料」を新たに設け、慢性疾患を「管理」する医療機関を1カ所に限ることで、高齢者が複数の医療機関を受診することを制限しようとするものです。しかも、「後期高齢者診療料」は、検査、画像診断、処置、医学管理をすべて含んで、定額で6千円が原則です。

通常の診療では、いくら検査や治療をしても医療機関には月6千円の報酬しか支払われません。このため、医療機関は必要な検査や治療であっても回数を増やさないことになります。75歳以上の医療内容の劣悪化になります。

入院医療では「長期入院」にならない体制をとった医療機関への評価を重視。終末期医療も、「過剰医療」をしない確約を取るなどした医療機関への報酬を高くするなど、75歳以上を「手厚い医療」から締め出す方向を打ち出しました。

高齢者の方は、内科と眼科、整形外科など複数の診療科や病院にかかっている方が大半です。しかし、4月からは、現在受けている医療が、どのように変わるのかわからず、不安になっています。高齢者の医療の全体像がどうなるのか、どんな影響を受けるのか伺います。早く情報をつかみ、現に病院にかかっている方たちに周知徹底することを求めます。

A入院していた病院を追い出されたり、転院を迫られたりして、医療が受けられなくなる医療難民を作らないために、医療相談の窓口や支援の仕組みを作るべきと考えます。市の対応についてお聞きします。


5点目に、制度のPRを徹底させることについて伺います。

受けられる医療などまだ、決まっていないこともあるのに、4月1日から実施され、4月15日支給の年金から保険料が天引きされます。制度自体が市民に十分知らされていないもとで、制度が実施されようとしています。

@武蔵野市でも、75歳以上の被保険者全員にダイレクトメールでチラシを2月25日に送付しました。26日から「何でこんな制度になったのか」「保険料は高くなるのか」など、窓口に直接来る人と、電話での応対に係員と嘱託職員全員で応対にあたっています。

今後、3月中旬に新しい保険証の送付、4月上旬に保険料の仮徴収額決定通知書が郵送され、4月15日の年金は、介護保険料と後期高齢保険料の両方が引かれた額が支払われます。

75歳以上の方は、「おしらせ」がきて初めて知る方や、チラシを見てもよくわからない方、4月15日に年金額を見て初めてわかる方などが、大勢いると思います。制度が変わることへの周知は、一度では、わからないと考えられます。今の、この段階でまた説明会をするなど、いろいろな方法で何度もすることが必要だと思いますが、市の対応について伺います。

A相談・問い合わせ・苦情の対応を万全にするため、市役所や、市政センターに、相談窓口を設置し、個々の具体的相談にのれるようにしてください。見解を伺います。

6点目に、後期高齢者医療制度をめぐっては、「保険料の年金からの天引き、保険で受けられる医療の制限」という中身がつたわるにつれて、「まさに姥捨て山ではないか」という怒りが広がり、制度実施の中止・撤回、見直しを求める世論が急速に広がっています。議会でも、東京都内ではすでに全体の76%に当たる17区26市3町2村の議会で、意見書が可決されています。このような高齢者・国民の厳しい批判の中で、政府・与党も、「扶養家族」として被用者保険に加入している人の保険料徴収を「半年間」延長するなど、一部「先送り」を決めましたが、このことは制度の破綻をみずから認めたものにほかなりません。

後期高齢者医療制度は、くらしの問題だけではなく、心の問題でも高齢者を追い詰めています。75歳になったらこれまでより負担を増やし、医療を抑制・制限する制度は、部分的・一時的な「凍結」のごまかしではなく、制度の中止・撤回しかありません。中止・撤回を国に申し入れるよう強く求めます。



大きな2点目は、「自転車の安全な利用について」質問いたします。

自転車による歩行者への事故がふえ、歩道を走る暴走自転車、放置自転車など問題があります。しかし、自転車は環境にやさしく健康にもいい交通手段です。自転車が歩行者の安全と共存できるように、以下のことを質問いたします。

1点目は、道路の整備についてです。

@現在、自転車は車道通行が原則とされ、例外的に道路標識等で通行が認められている場合に歩道を通行することができることとされています。道路交通法の一部が改正され、児童が車道を通行することが危険な場合も歩道を通行することが可能になります。しかし、実際は自転車の歩道通行が無秩序になされていますし、車道を走るのは大変危険です。

文化会館通り(かたらいの道)の車道には、八丁通りから井の頭通りまでは、自転車通行帯が両側にあり、井の頭通りから五日市通りまでは片側にあります。自転車は安心して車道を走れます。

片側でも、このように改良した道路を増やすべきと考えますが、市の見解を伺います。

A車道の一部を自転車が専用に走れる道に改良し、自転車専用道路を市内に作る考えはあるのかお聞きします。三鷹市の2008年度予算には、「かえで通り」自転車道整備に5987万円が計上されています。武蔵野市内の「かえで通り」はどのような計画がなされているのか伺います。


2点目は、自転車による事故をなくすためには、飲酒、無灯火、二人乗り運転などをなくしていくことが必要です。大人が自転車の交通ルールをきちんと学習する機会はありません。来年度の予算に、自転車安全利用促進に伴う講習会などの実施が組まれました。講習会の所定の課程を修了し、かつ、自転車の正規の点検整備をした方には、自転車安全利用者として認定し、市民の認定者には賠償障害保険がセットされた「TSマーク保険」の加入補助を行ない、認定者に対しては駐輪場使用料の減免などを計画しています。

三鷹市では、市主催の自転車安全講習会を受けた人は、三鷹駅南口駐輪場の6ヶ所の駐輪場登録を優先される特典のついた自転車安全運転証がもらえます。自転車安全運転証の有効期限は、小学生は小学校卒業まで、一般向けは3年です。特典の有効期限も3年です。特典を受けるため、講習を受けなおしている人もいます。

市民が正しい自転車の交通ルールを身につけるため、多くの市民が講習を受けるよう登録優先など、いろいろな特典をつけた方法を考えるべきと思いますが、見解を伺います。

3点目は、吉祥寺周辺の自転車置き場の有効利用についてです。

@末広通りは電線の地中化の工事中で、道路が生まれ変わりつつあります。ところが、末広通りの入口は放置自転車が依然として大変多いところで対策を求める声が多く寄せられています。根本的には駐輪場の増設が必要ですが、放置自転車指導員をおくなど、放置自転車の対策を考えるべきです。見解を伺います。

A吉祥寺駅前広場を地下利用し自転車駐車場の建設に向けて、調査が続いています。2008年度予算では、「庁内委員会を立ち上げ、より具体的な検討を行ない周辺の地下利用に関しての基本計画を策定する」ことになっています。今後の調査の見通しと、駐輪場建設が可能な場合、どれぐらいの期間が必要になるのか、見通しについて、市長の見解を伺います。


以上で、一般質問を終わります。




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