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一般質問全文No.009 6月議会一般質問全文


介護保険利用料の7%助成の存続等について

今回は、「介護保険料の7%助成の存続について」と、「井の頭公園池の湧水復活、都市型水害の防止に役立つ、雨水浸透ますのさらなる増設について」の2点の質問をいたします。



1.介護保険利用料の7%助成の存続について

2006年4月1日から改定された介護保険制度は、「介護に対する国の財政負担抑制」を口実に、高齢者の介護サービス利用を切り下げ、大幅な国民負担増を押し付ける大改悪です。

改悪の影響は、今まで利用していたサービスが受けられなくなったり、ヘルパーさんの時間数が減るなど、深刻な問題となっています。私が直接聞いた、具体的な例を紹介します。

これまでは要支援でも借りられたギャッジベッドは、4月から要介護2以上でないと借りれなくなりました。軽い脳梗塞の後遺症で要支援だった86歳の女性は、4月の更新申請で、要支援1となり、9月30日までは経過措置として借りられますが、その後返すか、すぐ返却か、自費で買うかの選択をせまられました。

膝と腰が悪く、ベッドなしの生活はできないため、やむなく、中古のギャッジベッドを4万5千円で購入しました。この女性は84歳の弟さんと二人暮らしで、弟さんもギャッジベッドを借りており、現在要支援が6月更新で要介護1になるので、9月30日までは経過措置でベッドを借りて、その後どうするかは、どうしたらいいのかわからないといっています。

また、脊椎圧迫骨折で要介護1だった78歳の女性は要支援2となり、週1回風呂・トイレ・掃除機での掃除のためヘルパーさんに来てもらっていますが、1時間30分だったのが、1時間になってしまった上に、掃除を一緒にやれといわれています。掃除機をかける姿勢は痛くて自分では無理なので、ヘルパーさんを頼んでいるのに、これでは意味がないと嘆いています。

改悪は,事業者にも影響し、事業者がサービスしていた部分が利用者負担になるものがでています。また、市独自の7%助成は、介護度の高い方ほど利用度も高く、利用料の7%助成は在宅介護をしている方にとって、大きな支えとなっています。7%助成の存続を望む声は、説明会でも、市長とのタウンミーティングでも出ているのは、市長ご自身も直接聞かれたことだと思います。

具体的な例を紹介しますと、要介護4のパーキンソン病のご主人を自宅で介護している方は、デイサービスで入浴サービスを受けていますが、これまでは事業者が用意していた入浴時に必要なものが、この4月から石鹸からタオルまですべて個人の負担となり持参しなくてはなりません。具体的な説明がなかったこのような細かい変更があり、混乱しています。また、今までは、利用料の7%助成があるから安心して週3回の訪問介護と週2回の通所介護を受けていますが、7%助成がなくなるとどうなるのか、まだ何の説明もなくとても不安だといっています。

もう一人の例は、ご自身が変形性関節症で要支援の79歳の女姓です。ご主人は他界し、寝たきりで要介護5の105歳のお姑さんを自宅で介護しています。月曜から土曜日まで週6日・1日4時間ぐらいの訪問介護、週1回の訪問看護と週1回の入浴サービスを受けています。ご自身も週3回1時間30分の訪問介護を利用しています。それでも、自分が法事や、用事で出かけるときにはヘルパーさんを頼むので、今でも持ち出し状態です。そのうえ、介護は夜中のほうが大変なので、週1回夜12時間の家政婦を自費で利用しています。この外に、紙おむつや、清拭用品などの雑費にかかる費用はばかになりません。子どもたちの助けもあり、これまでナントカ自宅介護を続けてこられたそうです。

ご自身が変形関節症の手術を1年前に受け、2ヶ月入院したのですが、そのときはアメリカにいる妹さんに来てもらい、昼はヘルパーさん、夜9時から朝の6時まで家政婦さんを頼み、お姑さんの介護のためだけで100万円以上かかったそうです。収入は、お姑さんの老齢福祉年金とご自身の遺族年金だけなので貯金を取り崩している状況で、これで訪問介護の7%助成がなくなったら貯金がなくなるのが先か、不安材料がまたひとつ増えたと嘆いています。

税制改悪、介護保険の改悪、さらに医療保険まで改悪しようとしている小泉内閣の国民に痛みばかりを押し付ける改革を許すわけにはいきません。

日本共産党は今回の介護保険制度の改悪について批判し、改善のための提案をおこないました。それは、1.国庫負担をただちに25%から30%に引き上げ、利用料、保険料の減免制度をつくること。2.保険料・利用料のあり方を、支払い能力に応じた負担にあらためていくこと。3.在宅でも施設でも、安心して暮らせる基盤整備。4.介護・医療・福祉の連携で、健康づくりをすすめること。5.「福祉はひと」介護労働者の労働条件を守り、改善すること。の5項目です。これらは現在の介護保険がかかえる深刻な問題を解決するための必要最小限のものです。

財源も、数千億円程度であり、予算の使い方、優先順位を見直せば実現できます。例えば、国庫負担を30%に引き上げるのに必要な財源の約3千億円は、アメリカ軍への年間2千8百億円もの「思いやり予算」をなくすだけで、ほぼまかなえる規模です。まさに政府の姿勢が問われています。ところが、政府は、国の財政負担抑制と国民負担増という道をとりました。

国が国民に負担を押し付ける改悪のもとで、すべての市民が心配なく必要な介護サービスを受けられるようにするために、自治体ができる限りの措置をとることが、自治体の役割です。だからこそ武蔵野市は、訪問介護など3事業に対し市独自に利用料7%助成をしてきたのです。

ところが、土屋前市長のもとで任命された「武蔵野市福祉総合計画策定委員会」の中間報告の提言を受け、この7%助成制度を廃止し、7月以降は訪問介護のみ低所得者に対し、個人負担の2分の1を市が負担する制度に改定されようとしています。近隣の市を調べたところ、三鷹市では、訪問介護、訪問看護は自己負担3%、通所介護、通所リハビリは自己負担5%に減免し、その対象者は住民税非課税所帯の方で、介護サービスを受けている方の40%強の方がこの4サービスについて、減免されます。これに関わる予算は約7千万円です。

府中市では、訪問介護、訪問看護、通所介護、通所リハビリ、訪問リハビリ、訪問入浴介護、短期入所(生活・療養)介護、居宅療養管理指導の8サービスは予防介護も含め、自己負担は6%で、訪問介護は生計中心者の所得基準額が265万7千円以下の方、その他は、住民税が非課税の方(介護保険料算定が第4段階以下の方)で、42%の利用者が対象となり、予算は約7千万円です。国分寺市、日野市、国立市、小金井市、多摩市などでもこのような、利用者負担軽減制度を引き続き設けています。

武蔵野市は、7%助成をこの6月末でやめ、訪問介護のみ低所得者対象で自己負担5%の制度へと変わろうとしています。しかし、この対象は、わずか500名余です。市の説明のとおり介護保険利用者を3千人から3千500人で計算してみますと、介護保険利用料の負担軽減の利用者は14%ぐらいとなり、他市の40%台を大きく下まわります。

武蔵野市でも高齢者の生活が苦しくなってきているときだからこそ利用しやすい、介護保険の利用料の独自減免制度は絶対に存続するべきです。武蔵野市の予算規模から考えても決してできない額ではありません。どこに予算を使うかの問題です。日本共産党武蔵野市議団は、市民の命と暮らし、福祉を守るため全力で努力してきましたし、今後も全力を尽くします。

そこで質問します。

(1)小泉内閣による負担増計画で、公的年金等控除の縮小、配偶者特別控除の廃止、老年者控除の廃止、年金保険料引き上げ、定率減税半減などで、高齢者にとっては生活が大変厳しくなっています。このような時に、今回の介護保険の改悪が、現段階で介護保険を利用している市民にどのように影響しているのか、市は把握していますか。具体的にお答えください。

(2)国に対し、国庫負担25%の内に「調整交付金」5%が含まれていますが、これを別枠化し、国庫負担全体を30%に引き上げることは、全国市長会や全国町村会も繰り返し要望していることです。武蔵野市として、改めて政府に対し、強く要請していくべきと考えます。市長の見解を伺います。

(3)居宅サ−ビス利用促進事業の7%補助は全国的に誇れる制度です。在宅で介護を受けている市民にとって、この制度で助かっている市民は大勢います。在宅で安心して、介護できる大きな条件です。7%助成存続を求める市民の声にどのように応えていくのか、今こそ自治体の役割をはたすべきです。もしこの制度を廃止したら、武蔵野市の利用料の独自減免制度は近隣の市のなかで、低い部類になってしまいます。

ホームヘルプ(訪問介護)、デイサービス(通所介護)デイケア(通所リハビリ)を近隣市と比べてみますと、サービス対象は三鷹市は、訪問介護、通所介護、通所リハビリ、訪問看護の4サービス。府中市は、訪問介護、通所介護、通所リハビリ、訪問看護を含めて8サービス、武蔵野市は6月までは、訪問介護、通所介護、通所リハビリの3サービスが、7月からは訪問介護だけになります。

減免対象者の割合を見ると、三鷹市は介護保険利用者の40%以上、府中市は42%、武蔵野市は100%だったのが、14%ぐらいと三鷹市、府中市の半分にもなりません。

軽減制度の予算をみると、三鷹市と府中市は約7000万円ですが、武蔵野市は1000万円です。

市長は「施政方針並びに基本的施策」で「高福祉のまちづくりに向けた施策を継続いたしたいと存じます」と述べています。私は、絶対に存続するべきだと考えますが、市長の決断をお聞きします。



2.井の頭公園池の湧水復活、都市型水害の防止に役立つ、雨水浸透ますのさらなる増設について

私は井の頭公園池の浄化についてはこれが3回目の質問です。昨年の6月議会で、3者協議の場を要求しました。今年、4月8日にシンポジウム「よみがえれ!井の頭池」が開催され、協議の場ができたことを大変うれしく思っています。主催は、東京都西部公園緑地事務所と武蔵野市、三鷹市、吉祥寺ライオンズクラブなどで構成する「井の頭恩賜公園水質浄化事業実行委員会」でした。

2004年10月下旬に池の底がみえるほど透明になったとき東京都建設局西部公園緑地事務所では、湧水調査をし、報告書が2005年3月に、武蔵野市、三鷹市をはじめ、湧水復活のために取り組んでいる関係団体に配布されました

この報告書では、地下に浸透する雨水がより多くなれば地下水位が上昇し、地下水位の標高が池の水位45.8メートルより高くなれば、池の底から湧き出し、46メートル以上になれば、池の周りの園路から湧き出すこと。雨水浸透ますと流量の増加とは相関関係があるものと推測できる。したがって、雨水浸透ますを増加させることによって、地下水面を上昇させる効果となるものと推測できるとしています。

湧水というのは決まった涵養域があり、その涵養域に雨水浸透ますを設置しないと効果がありません。井の頭公園池の湧水涵養域は、武蔵野市6.12平方キロメートル、三鷹市1.90平方キロメートルで、武蔵野市の57%は井の頭公園池の涵養域です。そして、この井の頭公園池の涵養域は、境、境南、桜堤、関前、西久保、中町、本町、御殿山と市内の広い地域です。ここに、雨水浸透ますを設置することは浅層地下水を貯留することと、局地的豪雨を直接、下水道に流れ込ませないため水害防止に役立つこと、地中の水が増えれば大気中へ蒸発量が増え、ヒートアイランド現象の緩和などが考えられます。

市長は、市報「むさしの」の6月1日号の1面に「雨水浸透をすすめましょう」とPRしています。シンポジウムでは、「秋には池の水を透明にする」目標を上げ、雨水浸透ますなどによる雨水の浸透など具体的対策を提起しました。そこで質問します。

(1)三鷹市長は、三鷹市内の雨水浸透ますを2010年までに5万2700基に増やしたいと具体的数字をあげました。武蔵野市内でも、具体的目標を作るべきと考えますが市長の見解を伺います。

(2)井の頭公園池の湧水涵養域の76%は武蔵野市です。三鷹市では1996年に湧水涵養域を指定して、重点的に雨水浸透ますを設置してきました。2004年秋には池の底が見えるほど透明になったことを市民に知らせ、武蔵野市内の湧水涵養域を指定し重点的に雨水浸透ますを設置することを指導するべきと考えますが、市長の見解を伺います。

(3)雨水浸透ますのPRのため、今回の市報に掲載したことは大きな前進です。具体的に、湧水涵養域のコミセンの文化祭などに雨水浸透ますの実物を展示し、補助金のあることを知らせるなど、市民が設置するように行政として強く働きかけることについて市長の見解を伺います。

以上で、一般質問を終わります。




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