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一般質問全文No.006 9月議会一般質問全文



アスベスト(石綿)問題対策等について

 今回は、「アスベスト(石綿)問題対策について」と「防災対策について」の2点について質問いたします。

1.アスベスト(石綿)問題対策について

 アスベストは耐熱性、絶縁性、遮音性等に優れているため、古くから広い用途に利用されてきました。しかし、アスベスト関連企業における従業員や家族、周辺住民の健康被害の深刻な実態が明らかになり、市民の間には不安が広がっています。

 日本共産党国会議員団は1970年代から一貫して国政の重要問題として取り上げ、労働者の健康被害や環境対策を国会で追及してきました。89年にはアスベスト使用規制を提起し、92年には「アスベストの使用の禁止というのは世界の趨勢になっている。製造、使用を抜本的に規制する方向を打ち出すべき」と求めています。労災認定の視点からも取り上げ、2000年には中皮腫とアスベストの因果関係を指摘し、中皮腫の患者の全面的な調査を行うことを要求し、アスベストの全面禁止を求めましたが、政府は「十分な情報収集を行ったうえで、適切な対応をしたい」というにとどまりました。

 一方、国は早くから、アスベストによる健康被害が工場周辺住民や労働者の家族にまで広がる危険を認識し、旧労働省は、1976年に全国の労働基準局に当てた通達を出しました。通達は、海外での住民被害の資料を参考に「石綿の有毒性についての周知を図り、関係事業場の石綿粉じんによる健康障害の防止措置の徹底を図られたい」として作業場のアスベスト粉じん濃度の基準を初めて定め、アスベストを扱う工場労働者の家族や周辺住民への健康被害の危険性も指摘しました。しかし、家族や周辺住民の健康診断などの対策はとられませんでした。そして、日本政府は、86年にできたWHO基準の200倍にもなる76年の通達基準を今年4月まで、なんと29年間も放置してきたのです。

 今年7月から石綿障害防止規則が制定されアスベスト作業の規制が強化されましたが、それでも企業の責任が努力目標とされています。政府が代替品のないものを除くアスベストを原則禁止したのは2004年。完全禁止は2008年までに先送りされました。ヨーロッパ諸国では1980年代に相次いで全面使用禁止になっています。政府は26日に、アスベスト問題で閣僚会議を開き、特別立法で被害者の救済をはかる方針を決定しましたが、具体的な行政責任は一切認めず、救済内容も「補償の基準や範囲が明確になっていない」ものです。 安全対策も不十分なまま大量の石綿の製造と使用を続けてきた企業と、危険性を認識しながら長期にわたって使用を容認してきた政府の責任は重大です。

 今回アスベスト問題の重要性を考え、日本共産党国会議員団はアスベスト対策チームを立ち上げ、7月14日に小泉首相に7項目のアスベスト対策緊急申し入れをしました。8月31日には、党としての7つの柱からなるアスベスト(石綿)対策特別措置法案大綱を発表しました。日本共産党武蔵野市議団は、8月2日市長に、アスベスト対策に関する申し入れを行いました。

 申し入れは、

1.市有全施設だけでなく、保育園、老人施設、学校、幼稚園などの民営施設についても、設置者とよく協議し、アスベストの含有の有無、当該施設の空気中のアスベスト濃度等を緊急に調査し、調査結果にもとづく安全対策を早急に実施するよう指導すること。


2.アスベスト被害は、公共施設等へのアスベスト使用にとどまらず、作業現場での被害、その周辺住民の被害などきわめて広範囲にわたっている。市内でこれまでアスベストを使用した作業・労働の有無、周辺環境の実態調査などを緊急に行い、問題があれば直ちに関係機関とも連携して対策を講じること。

3.市民への影響がもっとも甚大と想定される市内の建築物等の解体等の作業における健康被害防止対策指導をいっそう強化すること。

4.国および東京都など関係機関にアスベスト対策の強化を要請するとともに、市の実施する対策への財政支援策をもとめること。

の4項目です。

日本では、政府がアスベストの健康被害を予防する実効性ある対策を採ってこなかったことが、今後も肺がんや中皮腫といった健康被害者を増やす深刻な結果を招いています。8月22日には、大阪府で30年以上石綿吹き付けの店舗で文具店を経営していた男性が中皮腫で死亡した事実が報道されました。調査した医師が「低濃度でも発症する可能性がある。大規模な建物は環境調査が実施されているが、小さな建物の調査も急ぐべきだ」と話しています。市民の間にますます不安が広がっています。

そこで、市民の健康を守る立場から質問します。

(1)共産党市議団は、4項目の申し入れをしました。この申し入れは、検討されたのでしょうか。どのように生かしていくか回答ください。

(2)私の知人の設計家の方は、20年以上も前に設計・建築した家に住んでいる方から、「我が家は大丈夫か」という問い合わせが,何件もきて、「いかにアスベストへの不安が強いかよくわかる」と話しています。 武蔵野市は、耐震診断を実施される民間住宅の所有者の方に、診断に要した費用の一部を助成する制度があります。この民間住宅耐震診断助成制度と同じように、武蔵野市民が実際に住んでいる、マンションをはじめ、すべての民間住宅を対象に、アスベスト使用の有無の調査、除去工事をできるよう市として対策を講ずるべきと考えますが、如何ですか。

(3)8月15日号の市報にも掲載されていますが、市内の水道管は、平成6年度から「石綿管の更新計画」として本格的に敷設替えを進め、平成15年度に完了したということです。個人住宅内の引き込み管や、マンション内の水道管などは、市の指導している鉛管、ポリ管、鉄管、ビニール管などの管を使用しているそうです。現在市は耐震管に敷設がえを行っていますが、個人住宅内やマンション内の水道管の実態を把握し、アスベスト対策や耐震対策を講ずるべきと考えますが,如何ですか。

(4)解体工事などで除去された、アスベストを含む廃棄物は、許可を受けた受け入れ業者に持ち込むことになっているようです。しかし、受け入れ業者との都合で、除去工事後すぐ、そのまま運び込めないこともあるようです。市内の建築業者や家族などの健康を守るために、実際の管理はどうなっているのか、安全に行われているか、市は実態の把握をするべきと考えます。市の見解をお答えください。

(5)アスベストは、吸い込んでから20〜30年以上も後に肺がんや中皮腫を引き起こします。日本共産党国会議員団は7月14日に首相に7項目の緊急申し入れを行いました。その4項目目に、石綿の労災認定を抜本的に見直すとともに、被害労働者に家族・周辺住民も含めた石綿に関するすべての健康被害者を救済する新たな救済制度(公害健康被害者補償法の適用も含む)を早急に実現することを要請しました。国の制度が実現するまで、以前アスベストにさらされる様な現場で働いていた人や居住していた人などで健康に不安を抱いている人の健康診断に対する市の助成を考えるべきと思います。見解をお答えください。


2.防災対策について

 7月23日の地震では、東京・足立区で震度5強の地震が起こり、関東地方全体で交通機関が大混乱し、エレベーター閉じ込め事故が多数起きました。その後も8月16日に宮城県沖で震度6弱の地震、21日にも新潟県中越地方で震度5強の地震が起きるなど、今年に入って震度5以上の地震が10回も観測されるなど、相次いで大きな地震に見舞われています。

私は市民の安全と生命を守る立場で、今年の3月議会では「防災の観点からまちづくりを考える」、6月議会では「耐震補強への大幅な公的支援について」と防災に関する一般質問をしてきました。

 武蔵野市で心配なことは、不特定多数の人々がいろいろな目的できている吉祥寺駅周辺の繁華街で震災が発生したとき、人々の安全と避難の体制をどう考えるのか。武蔵野市民の避難に、影響はないのかなどの問題です。

「武蔵野市地域防災計画」では、「高層建築物、及び地下街の安全化対策ならびに吉祥寺駅等駅周辺の混乱防止策についてさだめる」ことや、「駅周辺地区や業務地区等の帰宅困難者に対して、的確な避難所を指定し誘導を行い、適切な情報を提供するものとする」となっています。今年の総合防災訓練は8月28日に吉祥寺駅北口付近の商店街で行われました。私も参加しましたが、9時半からの開始でまだ不特定の方々の人出がすくなく、参加した人は、訓練に参加するという意識の高い人々なので、スムーズに進行しました。しかし、実際は大変な混乱状態になると想像されます。

 今回は武蔵野市が直接管理するものではありませんが、市民の安全と生命を守る立場で、次のことを質問します。

(1)吉祥寺駅の周辺には、多数の大規模店、JR・京王線の線路下の店舗、通称ハモニカ横丁などがあります。各大規模百貨店は自衛消防組織があり、地震発生時にはお客さんを店内の安全な場所に誘導することになっているようです。通称ハモニカ横丁は直ちに地域から出ることとしています。そして、情況によって広域避難場所の井の頭公園に移動することになるとしています。市として、安全と生命を守る立場で、吉祥寺駅周辺の不特定多数の人々の避難・誘導の責任体制を確立することが急務だと思います。その対策を示してください。

(2)井の頭公園は広域避難場所になっています。市民の中に、自然文化園の動物舎の安全性について心配の声が寄せられています。動物舎の耐震性の調査と対策について市はどのような方針を持っているのか、自然文化園管理者との協議はなされているのでしょうか。もしなければ協議する必要があると思いますが見解を伺います。

(3)エレベーターは地震のとき、旧式のものは緊急停止装置でその場で止まる型、新しいものはおおむね震度5で作動し直下階に止まる型になっているとのことです。旧式のものは、その場で停止した場合は非常通話装置でエレベーター会社と連絡を取りあうことになっているそうです。 実際に7月23日の地震の時、南町の11階建てのマンションでは、エレベーターが途中で自動停止してしまい、復旧するまで3時間半もかかってしまったそうです。幸い閉じ込められた方はいなかったのですが、自動停止したら、エレベーターの中は停電し、電気がつかないこと。復旧まで時間のかかることがわかり、今対策を検討中だそうです。 消防署は市内の建物のエレベーターの形式まで把握することは困難だといっています。市は市内の建物のエレベーターの実態を把握していますか。早急に市の責任で実態調査をすることを要望します。市の見解をお答えください。 。

 主管者会議で部長が答弁することを決めましたが、今まで実行されていませんでした。今回は絶好の機会です。部長からの答弁を求め、一般質問を終わります。




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