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一般質問全文No.004 3月議会一般質問全文

防災の観点から、まちづくりを考える等について

 今回は、「防災の観点から、まちづくりを考える」と「東京都に、30人学級の実施を要求することについて」の2点について、質問いたします。

 1点目は、「防災の観点から、まちづくりを考える」についてです。

昨年は、豪雨・台風などの自然災害や、10月17日の中越地震,12月26日のインドネシア・スマトラ島沖の巨大地震・津波と災害のとても多い年でした。

政府・中央防災会議の専門委員会は、12月15日首都直下地震の被害想定の中間報告を発表しました。

首都直下地震とは,東京,神奈川,埼玉,千葉の各都県とその周辺の直下で起こる地震で、中央防災会議の専門委員会は、この地域でプレートの沈み込みや活断層が動くことで起こるとされる18の地震を想定し、それぞれ、どの場所でどのような揺れや被害が発生するか検討をすすめていました。

南関東では、日本列島がのる陸のプレート(岩盤)の下にフィリピン海プレート、さらにその下に太平洋プレートが沈みこんでいます。そのため、関東大震災のようなマグニチュード(M)8クラスの地震が200〜300年周期で起き、その間に茨城県南部から神奈川県までの南関東のどこかを震源とするM7級の地震が数回発生してきました。政府の地震調査委員会は8月に、30年以内ではM8級が0.8%、M7級は70%程度の確立で,10年以内ではM7級は30%の発生確率との予測を公表しました。中央防災会議の被害想定はM7級を対象とした18タイプの震源を想定して推計されています。

2月25日、政府・中央防災会議の専門調査会は、首都直下地震による被害想定の最終報告を公表しました。初めて試算した経済面での被害額は,建物倒壊といった直接的な損害のほか、被災地以外も含めた生産力の低下や交通機関の寸断などによる間接被害を含め、最大で、日本の年間予算を上回る約112兆円となるとしています。専門調査会は、今後、被害想定を踏まえ、避難所,仮設住宅のあり方や、食糧・水の確保など避難者対策を具体的に検討する方針ということです。

推計では、東京湾北部地震(M7.3)が午後6時に発生した場合、翌日に約700万人の避難者が発生。240万人が被災地以外に疎開し、460万人の被災者が学校の体育館など避難所での生活を余儀なくされます。発生1ヵ月後でも、避難所には270万人が残るとしています。

政府は最終報告を踏まえ,この夏までに被害軽減対策を策定し、2005年度には「南関東地震対策大綱」を見直し,対策を本格化させるといっています。武蔵野市は、阪神・淡路大震災を教訓に、地域防災計画を平成12年度に修正しています。しかし、その後の直下型地震の研究や,この中央防災会議の被害想定をうけ、市は、被害想定の見直しを計画しています。

震災は人災の面も強く,地震は避けることができませんが、起きる以前のまちづくりなどはすすめることができます。災害はいつ起こるか解りません。あらゆることを想定して、住民の安全と、財産を守るため安全なまちづくり対策を考えるべきです。

今回、私の一般質問は、市民が,実際に避難することを考えたとき命を守るための具体的な疑問を、市民の声を聞き、現状を踏まえた防災計画の見直しをいそぐ観点で、質問します。

(1)大地震発生時の避難システムでは、まず一時集合場所に行くことになっていますが、一時集合場所にすべての人が行くという想定は、机上のもので,市民はその時の時間、風向きなどの気象条件で,一番近くて安全だと考える場所に避難すると考えるのが自然だと思います。

 広域避難場所に近い市民は、初めから近くの広域避難場所に避難すると思われます。市の職員は、一時集合場所にしか派遣されないとしていますが、災害発生時には市民の避難が予想される公的施設や公園などに、一時避難場所と同じように市の職員を派遣して混乱の起きない対策が必要ではないかと考えます。これらのことについて、防災計画の改正時点での検討について、伺います。


 (2)自宅から避難所までの避難路は、その時の条件で何通りか考えておくことが必要です。そのためには、地元の市民参加で検討することが必要です。


 武蔵野市
では「基本構想・長期計画」を策定する上での討議資料とするため、市民などの参加により全市的に「タウンウォッチング」をおこなっています。

 平成8年度は阪神・淡路大震災の教訓から災害時の冷静な防災行動力を身につけるため、地域を知ることが重要であることから「防災」をテーマに設定しました。1
5年度は、日本列島が地震の活動期に入った感があり、南関東における直下型地震の発生はいつ起こってもおかしくない状況で、平成8年度と比べると、街の状態に変化がみられるため「防災」の観点から街を再考察することにしました。ということで16のコミュニティ協議会区域を基本に調査しています。調査員は、各コミュニティ協議会、青少年問題協議会、市民防災協会、防犯協会の各団体から推薦する市民と、災害時の緊急初動態勢において避難所を担当する各初動支部から推薦された職員で構成しています。この「タウンウォッチング」は報告書としてまとめられています。

 具体的に普通の市民が実際に歩き、体験し、徹底することが大切だと思います。市の見解を伺います。


 (3)井の頭公園の、池の周り・神田川沿いは、
三鷹市ですが、 井の頭公園に避難する際に利用する武蔵野の市民は大勢いると思われます。武蔵野市内には、液状化発生の可能性はないとして、防災情報マップには,何の注意も掲載されていません。井の頭池の周り・神田川沿いは、東京都の情報では,液状化の「可能性あり」とされています。近隣の情報も防災情報マップには載せるべきだと考えます。市の見解を伺います。

 (4)武蔵野公会堂は駅に近く、不特定の吉祥寺来訪者や市民が避難してくると考えられます。避難してくる市民への対応はどのように想定しているのかを伺います。


 (5)防災計画では電力設備の被害想定は、電柱7561本中被害量24本で、被害率0.32%となっています。電線=架空線がひっぱりあい、電柱は倒れないというのがいろいろな震災からの経験として考えられているようですが、
武蔵野市でもあてはまるのでしょうか。狭い道路では、傾いた電柱や電線(架空線)がビルや家屋にのしかかり、危険なのではないかという想定は、しているのでしょうか。具体的に,中道商店会の中道通りを考えますと、すべての電柱にはトランスが載っており,電線の本数も異常なほど多いです。日中でとても人通りの多いときに大地震が起き、電柱や架線が傾いたり垂れ下がったら逃げ場がなく、とても危険です。

 電線・電話線の地中化は、道路の幅員、工事費用など容易でないこともありますが、防災対策の観点から、道路の幅が狭く、人通りの多い道路を優先的に考えるべきだと思います。市の方針を伺います。


 (6)市内には、
東町・南町に高圧線が通っています。地域防災計画には、高圧線の被害想定はのっていません。

 高圧線の鉄塔の耐震性と通電中の安全性は確認されているのか伺います。また、大地震が発生した場合の安全対策はどのようになっているのか、会社側とは、協議しているのか,している場合は協議内容を伺います。


 (7)防災の観点で、公園にトイレの設置を要望します。


 防災広場には、災害のときに使用する防災トイレが設置されています。また、新しくできた公園や、公園の改修に伴い吉祥寺公園や境山野緑地には、災害のときなどに使うトイレが設置されてきています。これは,家屋の密集地にある公園には優先的に考え、今後も続けていくべきだと考えます。


 同時に、日常的にも使用できるトイレの設置も、防災の見地からも考えていくべきです。市長の見解を伺います。



2点目は、「
東京都に、30人学級の実施を要求すること」についてです。   

全国42道府県では、30人を含む少人数学級を独自にはじめています。今年度未実施の5都県のうち石川県佐賀県が昨年、岐阜県が2月の予算内示で2005年度から実施を表明したため、全国で少人数学級を実施しないのは、香川県東京都だけとなりました。

しかも、香川県では「香川の教育をよくする会」が少人数学級の実施を求める7万8千人の署名を集めて、30人学級実現を要請したのに対して、今後の方向をあらためて検討する姿勢を示したとつたえられています。

少人数学級を実施した山形県では、校長先生が「欠席の減少」「読書の増加」「保健室利用の減少」が顕著で、学習と生活が相乗的に向上したと回答し、実際に一人の児童の欠席日数が平均で年間4.1日から3.0日と減ったことなどを明確な成果として報告されています。

来年度の東京都に対する予算要望で多摩地域の26市の市長会と市教育長会は、少人数学級の実現を求めています。東京の公立小学校長会も30人程度の学級を要望しています。小一プロブレムなどこれまでにない様々な問題をかかえた子どもたちに毎日接する現場の先生方は切実です。

2月23日の衆議院文部科学委員会で、日本共産党の石井郁子議員は、大阪府寝屋川の教師殺害事件について質問しました。その中で、教職員殺傷事件を起こした少年の、小・中学校時代の学校規模と1クラスの人数はなんにんだったのかを質問しました。政府参考人の銭谷文部科学省初等中等教育局長は、35人前後のクラスで過ごしたことを明らかにしました。これを受け、石井議員は「いま子どもたちは、不登校をはじめさまざまな問題をかかえています。家庭の事情も非常に複雑です。一人ひとりに目が行き届くよう、30人学級に踏み出す決断を文部科学省としてするべきではないか」と求めました。

これに対し、中山成彬文部科学大臣は「私も小学校中学校のころ50人以上のクラスでございましたし、集団的な行動などを学ぶには、ある程度の数が必要ではないかという認識だったものですが、大臣になりましてあちこちまわると、現場の先生からいわれるのは、『昔に比べてもいまの子どもは手がかかるんだ』などということです。教師をしていた妹からも『兄さん、それは違うよ。本当にもう少し減らさないと先生方も大変だ』といわれました。そういう意味で少人数といいますか、少しずつでもクラスの(人)数を減らすほうにいかないといけないんだなと思っております」と答弁しました。現職の大臣がクラスの人数を減らす方向性をはっきり打ち出した答弁として注目されます。

そこで、以下のことを質問します。

(1)全国で45道府県が少人数学級を実施したり、計画しています。このことは、少人数学級の効果をみとめているからです。中山文科相の発言にもあるように、少人数学級こそ求められていると思います。全国のこの動きをどう考えるか、市長・教育長に伺います。


(2)教室の広さから考えます。
武蔵野市の学校の普通教室の広さは、小学校も中学校も同じで、8メートル×8メートル・64平方メートルです。

 (五小では64uの広さの教室に1年生は26人、6年生は29人で勉強しています。)一中では、身長の平均値は女子156.3センチ、男子159.9センチ。体重は女子
474キロ、男子は486キロと、体格のいい中学2年生が39人で、朝の8時30分から6時間目が終わる3時30分まで生活しています。しかも、お弁当もこの中で食べます。これが、いまの子どもたちが学習する環境として適切だと考えるのか市長・教育長に伺います。

(3)市の歴代の教育長の答弁は、「30人学級は、都が実施しないと市だけではできない」ということです。
東京都に対し、他県のように都として30人学級を実施するように要求することを改めて市長・教育長に求めます。市長・教育長の見解を伺います。

(4)国が加配教員を自由に少人数学級のために振り替えることを認めた元で、学校現場の要求があれば、加配教員を少人数学級に振り向けることを東京都に申請することを求めます。答弁を求め、一般質問を終わります。




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