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一般質問全文No.002 9月議会一般質問全文

憲法第9条の改正に反対する等について

今回は、「憲法第9条の改正に反対する」と「公共施設のバリアフリーについて」「投票所の増設について」の3点について、質問いたします。

1点目は「憲法第九条の改正に反対する」についてです

 いま、憲法9条を中心に日本国憲法を「改悪」しようとする動きがひろがっています。自民党は結党50年の来年秋をめざして、改憲案づくりを進めています。民主党も再来年に改憲案をまとめる作業中とのことです。その中心は憲法9条の改悪です。

 自民・公明・民主3党は8月5日、衆議院憲法調査会で各党の改憲論議の「論点整理」・「中間報告」について発言し、討論を強行しました。自民党の改憲構想は、憲法前文の全面書き換え、「自衛のための戦力の保持」明記、集団的自衛権の行使に関する規定や「国防の義務」などを盛り込んだものです。

 民主党は「従来までの護憲・改憲論議はややもすると過去の歴史に足をとどめたままの論議。そのいずれにもくみせず前に向かって憲法構想を示したい」とし、「国連の集団安全保障活動に積極的に関与する」「限定された自衛権を明記する」など、9条改憲の構想を示しました。

 公明党は「自衛隊の存在を認める記述を置く」、「国際貢献に関する規定を盛り込む」など、9条見直しの議論があることを紹介しました。

 自民党は「自民、公明、民主各党で大まかな方向は一致する。焦点となる安全保障の問題でも、国際協力・国際貢献に関する規定を盛り込むことには三党に違いはない」として三党間での改憲論議の進展に期待を表明しました。

 日本共産党は、「憲法調査会」の目的は、「現行憲法の『広範かつ総合的な調査』を行なうもの」で、「憲法改定を目的とした三党の文書を、特段の枠を設けて調査の対象かのように扱うことは、調査会の目的を逸脱する」と批判しました。日本共産党は憲法の改悪には絶対に反対です。日本共産党は憲法を守るために市民のみなさんと力をあわせ、全力をつくします。

日本国憲法の改憲には、アメリカからの強い要求があります。アメリカのアーミテージ氏は、日米関係で、80年代以降、節々で重要な役割を果たしてきました。特にブッシュ政権で国務副長官に就任してからは、日米関係では決定的な存在感を発揮するようになりました。

この3年間のアーミテージ発言でも、01年9月には「ショー・ザ・フラッグ(日の丸をみせろ)」、03年6月には「フィールドでプレーしろ」、8月には「逃げるな、茶会じゃない」と日本に対し圧力発言をしています。最初の発言は、9・11同時テロの4日後、アフガニスタン戦争を決意して、日本政府代表にペルシャ湾に自衛隊艦隊を出すように求めたものです。二つ目は、イラク戦争でブッシュ大統領が、主要戦闘終結宣言をした40日後、戦場から離れた所ではなく、イラクに自衛隊をだすように求めたものでした。三つ目は、バグダッドの国連現地事務所が自爆テロに襲われて、20数人が死亡した三日後、自衛隊部隊を派遣することを決めた日本政府が動揺しているのを見て、政府代表に発した言葉です。アーミテージ氏の日本国憲法への改憲論は4年前から日本政府につきつけられていました。小泉首相は01年4月に改憲論発言をしています。

 小泉内閣の自衛隊派兵政策が、アメリカ政府を代表するアーミテージ氏のいう通りに行動してきたことがよくわかります。そこへ今度は、「憲法9条が日米同盟関係の妨げの一つになっている。」とアーミテージ国務副長官が7月21日、訪米中の与党と野党第一党の政治家との会談で直接つきつけたのです。

また、パウエル国務長官は、日本が国連安全保障理事会の常任理事国になるには憲法9条の再検討が必要になる。と述べるなど、9条の改悪の策動はアメリカの強い要求で、日本を「戦争のできる国」に導くものです。

いま、日本は小泉政権のもとで、「戦争をしない国」から「戦争をする国」へと変えられようとしています。私たちは、憲法の改悪には反対です。憲法九条の改悪には、絶対に反対です。

国民も望んでいないことは、世論調査で憲法9条改悪に反対を表明する国民が引き続き多数をしめていることでも明らかです。

憲法9条は、第二次世界戦争の深刻な反省を背景に「戦争のない世界」を目指す世界の大きな流れの中で生み出されたものです。戦争放棄という形をとったのは、国連と国連憲章を支えにしたもので、個々の国の勝手な戦争は認めない、平和のルールが守られる世界秩序をつくり上げる強い意思と希望を表明して出発したものです。こうした世界の流れは、同じ時期につくられたイタリアの憲法に戦争放棄条項が盛り込まれたことからもうかがえます。

9条には、侵略戦争への反省にとどまらず、戦争のない新しい世界を展望し、そのさきがけになる決意が込められたのです。さらに戦力不保持、交戦権否認の第2項で、戦争放棄を実効あるものにしました。

国連での活動でも非軍事の立場に徹するのが、憲法制定会議でも確認された九条の考えでした。多国籍軍への参加や海外での武力行使などは到底認められません。

21世紀に入り、世界の平和秩序を求める流れが新たな段階に入り、9条も「いまこそ旬」といわれる新たな力をもってきたことです。

イラク戦争賛成が49カ国にたいし、反対や同意しなかった国は142カ国。多くの国ぐにで戦争に反対する国民的な運動が大規模に起こりました

1999年オランダのハーグで国連事務総長、ヨルダン女王、バングラディッシュ首相も参加して「ハーグ平和のためのアピール会議」が開催されました。この会議では、「公正な世界秩序のための10原則」が提案され、全員の賛成で採択されました。「10原則」の第一は、「すべての国の国会が、自国政府の戦争を禁止する、日本国憲法第9条のような決議を採択すること」。第六は「核兵器廃絶条約の締結をめざす交渉を即時開始すること」が、はいっています。憲法第9条の存在意義が世界の流れなかであらためて明らかになっています。日本が、新しい平和の国際秩序が展望される21世紀の世界の中で、憲法第9条を持つ国として、被爆国として、その平和の力を大いに発揮すべき時です

 今年は原爆投下から59年目、秋葉忠利広島市長は広島平和宣言のなかで、「日本国政府は、私たちの代表として、世界に誇るべき平和憲法を擁護し、国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮をただすべきです。」とのべています。伊藤一長長崎市長も長崎平和宣言のなかで、「日本政府に求めます。日本国憲法の平和理念を守り唯一の被爆国として、非核三原則を法制化すべきです。」と両市長とも平和憲法を守ることを述べています。

憲法9条をいまこそ輝かせたいと日本を代表する9人の著名人、文化人が呼びかけて「9条の会」が発足しました。そして、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを」呼びかけたアピールが発表され、賛同する人たちが急速にひろがっています。

そこで、私は、憲法を守る立場、特に憲法9条を守る立場で質問します

(1)憲法第9条を改悪して集団的自衛権の行使を容認しようとすることは、自衛隊の海外派兵との関連で強まっています。

イラクの悲惨な現状でも明らかなように戦争はあらゆる生物と文明と環境を破壊しています。市民の幸せは家族が健康で日本が平和なことではないでしょうか。市長は憲法の改悪に反対し、9条を守るために最大の努力をされること強く求めます。

(2)武蔵野市も戦争の被害を受けています。武蔵野100年市史の現代編の「第1章戦争と武蔵野町の発展」に戦時下の生活が少しのっています。二度と戦争を起こさないという立場で、戦争の実態、戦時下の市民のくらし、平和の大切さを次の世代に伝えるため、戦時下の市民のくらしなどの記録の作成に市民参加でとりくみ記録集を出版してください。戦争体験者は高齢になっています。至急取り組むことを求めます。

(3)市として、市民の持っている貴重な資料の保存・散逸を防ぐ努力と、一覧表を作成し活用することを求めます。

(4)戦争の実態・被爆の実態を次の世代に伝える平和のための戦争展の開催、広島・長崎に市民の派遣、憲法手帳の発行を復活することを要請します。

(5)以上の事業を推進するために、平和予算を計上することを求めます

大きな2点目は、公共の施設のバリアフリーについてです。

 8月21日に、障害を持つ人と一緒に吉祥寺駅から武蔵野公会堂、本町コミュニティセンター、吉祥寺図書館、市政センターを、バリアフリーの観点で見て歩きました。

武蔵野市には、介護保険制度で車いすの貸与を受けている方は7月現在で、610人、障害者手帳で、電動車いすの貸与を受けている方は約70人いらっしゃいます。免許を必要としない電動スクーターや、腰掛けることができる手押し車などのシニアーカーの利用者数は市では把握していないそうですが、この方たちを加えれば、車いすの利用者は大変多く、今後ますます増えていくと考えられます。そこで質問します。

 (1)三越前の交差点の歩車道境界ブロックは、試験的に取り入れているそうですが、車椅子、障害者、自転車利用者にも喜ばれています。道路の段差・傾斜は交通バリアフリー基本構想に基づきH22年までに順次改善する計画になっています。高齢者、車椅子などの利用者は増えつづけています。計画を早めることを求めます。

(2)狭い歩道、歩道上の放置自転車は健康な高齢者にとってもとても危険です。改善・整備などを研究し進めることを求めます

(3)本町コミセン入り口のスロープ脇のポール・部屋の入り口の段差・階段・和室は、例えば床にじゅうたんを敷き座る・いす両方に使用できるようにする、入り口に縦型の手すりをつけるなど改善を考えてください。

(4)「だれでもトイレ」の複数設置など、障害によって要望も違うので利用者の声を聞いて改善をしてください。

(5)公会堂にエレベーターを設置してください。

(6)市庁舎内のエレベーターは3台のうち右側のだけに手すりがついています。すべてのエレベーターに手すりを取付けてください。また、「だれでもトイレ」は1階と8階だけです。子どもずれでくる市民も多い3階などに「だれでもトイレ」の増設をしてください。

3点目は、投票所の増設についてです。

投票は国民の権利です。選挙法の改正に伴い、期日前投票の制度が制定され、気軽に投票できるようになりました。

高齢者にとって投票をする意思はあるのですが、投票日当日の体調や天候などにより投票所が遠距離だと不本意ですが棄権せざるをえないという声を今回の参議院選挙でもたくさん聞きました。まだ改善するべき問題も多くあります。そこで質問します。

(1)投票所の設置数については、私は昨年の6月議会でも質問しましたが増設の要望は依然強いものです。東町2丁目の練馬区との境から第三中学校、本町2丁目の五日市街道そばから御殿山コミュニティセンター、桜堤3丁目の端から桜堤児童館などは地域的特質などを考慮し、有権者の利便性を考え、投票所を増やすことを要求します。

(2)期日前投票の投票所を駅の近くの3つの市政センターに増設することを求めます。

(3)すべての入院している人や自宅療養をしている人も投票できるように市民の投票権確保のために国に改善を要請してください。

    

再質問 

1.に関して

(1)現行憲法に対する海外での評価、特にアジアにおける評価について、市長の見解を伺います。

(2)9条の価値・・・9条の改悪は、平和の流れに逆行するものです。9条の価値に対する、市長の考えを伺います。

(3)市民の幸せは、家族の健康と日本の平和です。日本がいままで59年間、平和であったことは、憲法、特に前文と9条があったからだと思います。

イラク戦争をみても、武力による解決は、無法と戦争の泥沼化を作り出しただけです。

市長はアメリカのやり方のような、武力による解決が有効だと考えるのでしょうか。見解を伺います。

(4)私は「生命を生みだす母親は 生命を育て生命を守ることをのぞみます」という母親運動のスローガンが大好きです。生命を育て、生命を守るために憲法を、特に9条を守り抜く決意です。

 2.に関して

高齢者が増えれば車いすの利用者は増えつづけると思います。なかでも電動の種類のものはふえると考えます。電動のものは、体力のなくなった高齢者、特に歩行が困難になった方にとっては、自分の意志で自由に行動できる手段になるからです。

車いす、盲人安全杖、補助杖、補聴器などの補装具は進歩していますし、利用者も増えています。今後のまちづくりには、いろいろな補装具をつけている方々の意見を聞いて、誰にもやさしいまち作りの観点で、考えてください。

3.に関して

(1)投票所の設置は自治体の権限、市民の利便性を考え増設してください。高齢者は増えていきます。どのような対応を考えていくのか伺います。




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