2006.01.29
石油ファンヒーターの修理
 今年で5年目になる三○電気製(当時出始めの活性炭フィルターと消臭シャッター付)のファンヒーターの調子が悪くなったために、買い替えまたは業者にて修理をするかで検討しました。


症状としては、昨年度より換気サイン(エラーコード:F2)がたまにに点滅するようになり、最悪の場合、強制消化となり、その後再点火を試みるも失火状態になります。
上記の状態で昨年度はだましだまし使用していましたが、今年に入り頻繁に(エラーコード:F2)発生するようになり、強制消化の連発や朝一から点火不良が出る状態になりました。
 三○電気のサポートにまずは電話を入れる事に、フリーダイヤルではないが時間もかけていられないので電話をする。
すでに三○電機は石油ファンヒーターの製造から2003年度に撤退していたが、サポートは受け付けてくれたが、出張料が2,500円不良箇所チェックが1,500円部品代800円〜15,000円プラス技術料と回答された。
サービスに持ち込みしチェックしてもらうだけでも1,500円掛かってしまう。

この時点で量販店へ価格及び現行品の性能チェックに向かう。高出力機は結構な値段が付いていたので、ここは緊急処置として予備機と言う事で新たにダ○ニチの3.20KWのものを購入した。しかしこれではやっぱり能力不足であった。
暖房能力数値に比例して体感できるものではないと思った。


我が家にある機種は4.50KW(12畳〜16畳用)なので、暖房能力が同等以上の機種を検討するが、製造メーカーによってバーナーの構造や消費電力に差があることが分かった。ブンゼン式・ポンプ噴霧式(ARCバーナー)・ポット式などである。

予備機で購入したダ○ニチはブンゼン式であった。
灯油を気化器と呼ばれる場所で電気の力により熱し、自然吸気よって混合ガス化されたガスを燃焼筒で燃やす仕組みを持つファンヒーター。他の方式より消費電力が多い。ダ○ニチ製品では3.2kWタイプのファンヒーターで最大390W必要で燃焼時98Wの電気が消費されてしまう。反面、初期着火が早く、また仕組みも単純でファンヒーターそのものの価格が安い。・・・・・・価格に引かれ購入したが消費電力が高いとは勉強不足であった。

そこで不調の三○電気製を調べるとポンプ噴霧式石油ファンヒーター(ARCバーナー)でした。灯油を燃焼筒で発生した熱を利用し、機械的に空気と混合させて作った混合ガスを使用して燃焼筒で燃やす仕組みを持つファンヒーター。電気の力で灯油を温めないためブンゼン式に比べ格段に燃焼時消費電力が低い。3.2kWタイプのポンプ噴霧式ファンヒーターで21Wの消費電力ですむと言う事だった。4.50KW以上のブンゼン式を使用すればさらに消費電力が掛かってしまうことになる。しかしARCバーナーは初期着火の時間が遅く、着火までに2分から3分近くかかってしまう。反面、燃焼時に発生する臭気はブンゼン式やポット式に比べ少なく、機械的に空気を混ぜているので、混合ガス用空気を別の口から取り入れているのが特徴である。

灯油が高騰しているさなか、電気代まで支払いが多くなる事は非常に家計に響く(子供が一日中家にいるので17時間前後は連続運転している)ので、よってここはやはりDIYでしょうと言う事で、ネットで下調べすると、メーカーはそれぞれだが、症状は似たようなもので、点火不良や強制消化がやはり多い。

一番の原因は不良燃料によるものらしいが、いかがなものか。
次に多いのがシリコーン系のスプレーなどによる炎検出棒へのシリコーン付着による炎検出エラーとなっていた。リビングで使用しているのでシリコーン形のスプレーは影響がないと思われるが、説明書の注意書きには隣部屋などの部屋での使用でも影響がでる場合があると書かれていたが、これって、不良燃料を含めメーカー側の保障外の範囲を拡張しすぎではないの?

まあ、すでに5年使用しているので石油ファンヒーターの耐年数が来ている事は間違いない(保守部品の保有期間は三○石油ファンヒーターの場合6年である)寿命とは思うが、早速分解にかかる。

分解開始 バーナーお目見え バーナールームアップ バーナールーム 各種ファンネル
内部&噴霧ノズル 気化器 炎検出棒&点火棒 噴霧用電磁ポンプ 気化器底部
  昨年に調子が悪かったので大雑把な掃除はしていたが、気化器及びバーナー部まで分解するのは初めてでしたが、構造は本当に簡単なものです。

1:フィルター洗浄
電磁ポンプを外し、ろ過フィルターを確認しましたが綺麗でした。
2:ノズルチェック
噴霧用のノズルを確認すると多少タール状の物質が付着していましたが、先端部ではなかったため噴霧には影響ない部分でした。
3:炎検出棒と点火棒確認
問題の炎検出棒です。シリコーンが付着すると白い物質が付着し炎の検出が出来なくなると他のホームページに記載してあったが、どのような状態に成るのかは確認出来ていませんが、取り外した検出棒は白っぽくなり表面がザラザラ・ブツブツでした。
こちらは点火棒と共にサンドペーパーで綺麗に磨いてやりました。
4:バーナー部の分解
バーナー部を上から順に分解していきます。外縁リングを固定してあるビス3本を外す。外縁リングが外れると整流用のファンネル(4枚重ね構造)が現れます。気化器に最も近いファンネルはバイクのキャブに使用されているファンネルと同形状です。(当たり前ですがガスが気化器より上方向へ排出されますので下が広く上が狭い形状です)
5:気化器洗浄
気化器の内部を確認してみると、噴霧ノズル近くの壁にタール状の焦げが付着していました。
(気化器内部は結構複雑な形状をしています。気化ガスをトルネード気流状態にするためと思われる)
洗浄作業はここまでとしましたが、欲を言うなら気化器下の燃焼空気の通り道及び風量センサー・風量調整用のファンも洗浄したほうが良いのですが、さらに分解作業が必要ですのでブロワーで吹いただけで今回は手付かずです。換気サイン続出なので本当はここが一番怪しいが・・・
他に各種センサーが5箇所ほどありましたので埃を取り除きました。
後は分解の手順を逆に組み上げて行けば元通りです。

さて、結果の程は・・・現在のところ燃焼中の臭気異常もありませんし点火不良や強制消化は出ていませんが、たまに換気警告ランプが点滅するので(マンションなので気密が高いため湿度などの影響で換気警告が出やすい状況ではあるが)やはり完璧にするには燃焼空気のセンサー部やファンもクリーニングしたほうがよさそうです。

以上で石油ファンヒータの整備は終わりです。
今年度はこの状態で乗り切れそうです、石油ファンヒーターの故障の内3分の2は上記の整備で直ると思われるが、先般のナショ○ルのFF式石油ファンヒーターの件もあり命に係わる場合も有りますのでDIYは自己責任でお願いいたします。


分解整備は、自己責任でお願いします!