授業ノート-基礎運動学12
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-LESSON1 学習と記憶-
1.学習:運動行動の遂行は、学習によって可能になります。
 (1)反復学習・実践による学習:先行経験によって、行動が変容することです。
 (2)転移による学習:多少異なった事象の先行経験によって、行動が変容することです。
 ※生理的変化(順応・疲労)や構造的変化(動機付け・成熟・加齢)による行動の変容は、「学習」とはいいません。

2.記憶:学習の成果(後になって学習が表され、保持されていること)です。
 (1)感覚記憶:msec単位まで保持されます。
 (2)短期記憶:数secから数minまで保持されます。
 (3)長期記憶:数日から数年、あるいは永続して保持されます。
-LESSON2 運動技能-
1.パフォーマンス
 ・周囲から観察可能な行動のことです。
 ・運動技能の判定に利用されます(4要素に分けて判定、指導、検討します)。

2.運動技能の4要素
 (1)フォーム:運動の協調
 (2)正確さ
 (3)速さ:運動の制御
 (4)適応性:技能の獲得
 ※運動技能の訓練では、(1)→(2)→(3)→(4)の順に指導します。

3.運動課題
 (1)連続課題(オープンスキル):身体運動の始まりや終わりが明らかでない課題です。
  ※例:自動車の運転など。
 (2)不連続課題(クローズドスキル):運動に明らかな始まりと終わりがあるものです。
  ※例:ゴルフスイングなど。

4.感覚系の役割:運動学習では、感覚器から得られたパフォーマンスをフィードバックとして利用します。
 (1)フィードバック制御:遂行中の運動制御に利用し、運動軌道を修正します。
 (2)学習フィードバック:つぎの運動を改善するために、役立つ情報を提供します。
-LESSON3 運動学習-
1.運動技能学習の3段階
 (1)初期相(認知相)
  ・目標と手段を理解すること(宣言的知識の獲得)です。
  ・フィードバックに役立てます。
 (2)中間相(連合相)
  ・個々の運動が系列運動へつながっていきます。
  ・フィードバックが重要になってきます。
 (3)最終相(自動相)
  ・手続きが自動化し、運動への注意も減少します。
  ・言語が不要化されます。
  ・フィードフォワードが可能になります。
 ※頭の中で言葉で考えていた知識(宣言的知識)が、何も考えずに実施できるようになります(言語不要化)。
 ※過去の情報を役立てる(フィードバック)ことで、将来の運動を改善(フィードフォワード)します。

2.訓練および練習
 (1)集中練習:休みなく連続的に行ないます(数min〜数h、数回〜数百回)。
 (2)分散練習:1回の練習を短く、試行回数を少なくして、練習回数を増やします。
 (3)心理的練習:頭の中で繰り返す、イメージトレーニングです。

3.全体法と部分法
 (1)全体法
  ・課題の始めから終わりまでを通して行ない、それを反復します。
  ・練習した諸部分を結合する操作がなく、能率的です。
 (2)部分法
  ・課題内容を部分に分けて、順次実施します。
  ・練習を実施しやすい部分に分けることができます。

4.学習の転移
 (1)転移:以前行なった学習が、後に行なう学習に影響することです。
 (2)正の転移:以前行なった学習が有利に働く場合です。
 (3)負の転移:以前行なった学習が不利に働く場合です。
 (4)両側性転移:身体の片側で行なった学習が、対側に転移することです。

5.運動技能の保持
 (1)連続課題では、学習が充分にされやすく、保持も強力です。
 (2)不連続課題では、学習に言語的要素が多くなります。
 (3)連続課題の学習では、記憶混成が消失しにくくなります。