授業ノート-基礎運動学09 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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-LESSON1 歩行とは- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●歩様 ほよう(歩容 ほよう:gait) 姿勢と四肢の運動形態を意味しています。「歩行」と「走行」に分けることができます。 ●歩行 ほこう(walk) 重力に抗して立位姿勢を保持しながら全身を移動させる、複雑な動作です。随意的要素、反射的要素が加わり、バランスを失って再び元に戻る現象です。 ●歩行の種類 1.自然歩行(通常速度歩行):好みの速さによる、普段の歩行です。 2.自由歩行:速さを一定に保つ以外は、被験者が自由に行なう歩行です。 3.強制歩行:速さ以外に、歩幅あるいは歩行率を検者が統制する歩行です。 |
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-LESSON2 歩行周期- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.歩幅(step length):1歩の距離です。通常は身長の45%程度です。 2.重複歩(stride):片側の踵が接地して、次に同側の踵が接地するまでの動作です。 ・重複歩距離:通常は身長の80〜90%、速い歩行は100〜110%です。小児や老人は短くなります。 3.歩行周期(walking cycle):重複歩の一連の動作です。立脚相と遊脚相に分けられます。 4.足隔(stride width):両踵間の幅です。 5.歩行率(cadence):単位時間内の歩数です。 6.立脚相(stance phase):地面についている側の下肢です。 ・自然歩行では、歩行周期の60%の時間を占めます。 ・抑制期:遊脚期で失われた体幹のバランスを戻そうとする時期です。 ・推進期:足指が地面を蹴って推進力が加わる時期です。 7.遊脚相(swing phase):地面を離れて振り出されている側の下肢です。 ・自然歩行では、歩行周期の40%の時間を占めます。 8.両脚支持期(double supporting period)・同時定着時期(double stance phase) ・立脚相と遊脚相の移行期にある、両脚で支持する時期のことです。 ・歩行周期に10%ずつ2回、合計20%あります。 |
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-LESSON3 歩行の分析- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.重心移動と体節の回旋 ・重心位置の振幅が少ない歩行が、効率の良い歩行です。 ・上下移動、左右移動とも、立脚中期に最高値となります。 ・体幹上部(胸郭)と体幹下部(骨盤)は、逆方向の回旋運動をします。 2.振幅を少なくする5つの要素 (1)骨盤回旋:片側に4°、両側合計で8°回旋し、上下の振幅を減らします。 (2)骨盤傾斜:遊脚側が下方に5°傾斜し、上下の振幅を減らします。 (3)膝関節:立脚中期に15°屈曲、遊脚期に65°屈曲します。 ・二重膝作用(double knee action):膝関節が1歩行周期に2回屈伸して、衝撃を軽減し、重心の上下移動も減らします。 (4)足と膝 ・足関節が底屈した場合、膝関節は屈曲します。 ・足関節が背屈した場合、膝関節は伸展します。 ・足関節の底背屈は、1歩行周期に2回あります。 (5)骨盤の側方移動:片側に3cm移動し、左右の振幅を減らします。 3.腕の振り:体幹の回旋に対抗する回転モーメントを生み出します。 (1)前方から後方への振り ・肩関節がおよそ9°伸展します。 ・肩関節の伸筋(広背筋上部、大円筋、三角筋後部)や外転筋(三角筋中部)が活動します。 (2)後方から前方への振り ・肩関節がおよそ20°屈曲します。 ・肩関節の屈筋に筋活動はありません。 4.下肢の筋活動 (1)股関節内外転筋 ・立脚相の初期と終期に活動します。 ・骨盤の安定性に役立ちます。 (2)大腿四頭筋・ハムストリング ・遊脚相から立脚相への変換期に働きます。 ・下肢の振り子運動を減速して、運動の向きを変えます。 ・同時に働くと、股関節や膝関節の安定性を保持します。 (3)前脛骨筋 ・踵接地のために、足関節を背屈位に固定しています。 (4)下腿三頭筋 ・立脚相終期に活動します。 ・足関節の背屈を防止し、遊脚相への移行(蹴り出し、加速)に働きます。 (5)脊柱起立筋 ・体幹の前屈を防止します。 5.歩行時のエネルギー ・普通時は3〜4METSのエネルギー消費です。 ・エネルギー消費が最小となるのは、80m/minの速度での歩行です。 ・120〜130m/min以上の速度では、走行のほうがエネルギー消費が少なくなります。 ・柔らかい土の上では30〜40%、ハイヒールでは10〜15%、エネルギー消費が増加します。 |
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