授業ノート-基礎運動学05
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-LESSON1 作業・動作分析の種類-
●作業・動作分析の種類
 1.方法研究:作業の仕方を分析して、改善や標準化を行ないます。その方法には工程分析、作業分析、動作分析があります。
 2.作業測定・時間研究:作業を測定して、改善や標準化に応用されます。

●課題(task)の複雑さの程度で、階層の数が決まります。
例:課題「箱作り(木工)」
工程 作業 動作 基本動作 運動
・設計
・加工→→→
・接合
・塗装
・墨つけ
・鋸引き→→→
・鉋削り
・木材を固定する(左手)
・鋸をとる(右手)→→→
・切る(右手)
・手を伸ばす→→→
・つかむ
・運ぶ
・肩関節屈曲
・肘関節伸展
・手指伸展
・母指外転

-LESSON2 作業分析-
●作業:ある目的を達成するための身体活動の系列です。
 ・作業分析の方法:ASME記号で表します。
 ・工程表:作業だけでなく、所要時間や移動距離なども記録し、図表で示したものです。
ASME記号
作業 運搬 検査 遅れ 貯蔵

-LESSON3 動作分析-
●動作分析:作業に含まれる、人間の身体運動と眼の動きが分析対象の中心です。

1.主な分析方法
 (1)両手作業分析:作業者の両手動作の関連性を分析して、それを改善する方法です。
 (2)微動作分析:動作を基本動作に分割して、それぞれを個別または関連づけて分析します。
 (3)同時動作分析

2.動作の連合:基本動作の組み合わせです。
 (1)連続動作:単独の基本動作が切れ目なしに行なわれます。
 (2)結合動作:同一の身体部位で、同時に2つ以上の基本動作が行なわれます。
 (3)同時動作:異なる身体部位で、同時に2つ以上の基本動作が行なわれます。
 (4)複合動作:同時動作と結合動作とが一緒に行なわれます。

3.記録方法
 (1)定型的分析:器械を用いず、評価者の手でありのままを記録します。
 (2)定量的分析:器械を用いて、客観的なデータ媒体で記録します。

4.動作分析の原則
 (1)分析対象にした課題を数回観察します。
 (2)ひとつの課題をいくつかの相(基本動作など)に分けます。
 (3)各区分に名称をつけます。
 (4)各区分ごとに定められた記号(ASME記号やサーブリグ記号)で基本動作を記入します。
 (5)分析結果と課題を比較して確認します。
サーブリグ記号
(番号) (記号) (文字記号) (名称) (番号) (記号) (文字記号) (名称)
1 SH 探す 10 RL 放す
2 ST 選ぶ 11 I 調べる
3 G つかむ 12 PP 前置き
4 TL 運ぶ 13 H 保持
5 P 位置決め 14 UD 避けえぬ遅れ
6 A 組み合わせ 15 RE 休む
7 TE から手 16 AD 避けうる遅れ
8 U 使う 17 PL 考える
9 DA 分解

-LESSON4 時間研究-
●時間研究
 ある作業や動作を単位(要素作業、単位動作など)に分けて、時間を測定する分析法です。基本は1/100min計のストップウォッチを利用します。
  ※ストップウォッチ以外を使う場合は、「作業測定」といいます。

1.ストップウォッチによる時間測定法
 (1)継続法:時間測定中は時計を止めず、各要素の終わりで時計の読みを記録します。
 (2)反復法:各要素が終わるたびに、リューズを押して時計の針を0に戻します。

2.単位に分割する際の原則
 (1)各要素間の区分が明らかなこと。
 (2)正確な測定の可能な範囲で時間が短いこと。 ※4DM(2.4sec)〜33DM(20sec)がよい
 (3)恒常的要素とそのほかの要素を分けておくこと。
 (4)各要素を記号で表し、図表に記入すること。

3.作業測定の方法
 (1)テープレコーダ法:必要事項をレコーダに入れ、後でストップウォッチで間隔を測定します。
   →観察時の記入がいらず、暗所や書字不能でも使用できます。細かい計測が可能です。
 (2)フィルム分析:映画に時計を同時に撮るか、frame数から所要時間を算出します。
   ・超高速撮影(200〜3000frames):運動分析に適しています。
   ・高速撮影(4000frames):動作分析に適しています。
   ・微速撮影(50〜100frames):長時間の記録が可能です。
 (3)VTR法:フィルム分析に同じです。
   →機種は豊富ですが、鮮明度が劣り、速い動作にも不適応です。
 (4)普通時計法:被験者1名に観察者1名がついて、その行動を記録します。
 (5)ワークサンプリング:瞬時観測のデータから、統計的な裏づけを行ないます。
   →統計的な推定のため、観測数が大きいほど結果は信頼度が高まります。