授業ノート-基礎運動学04
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-LESSON1 人間の運動行動-
運動行動(motor behavior)の3側面
1.運動(movement) 姿勢が時間的に連続して変化したものです。
(例)水平方向に5°動く
2.動作(motion) 運動によって具体的に行なわれる仕事・課題からの視点です。
(例)視線の移動
3.行為(action, conduct) 行動が示す社会文化的意味・意図との関連です。
(例)Aが話の終わりにBを見る、これはAが話を終える合図である。

-LESSON2 運動分析の方法-
●運動分析は、解剖学とは異なり、外力の影響や筋の収縮様態も含めて要因を検討します。

1.基本原則
 (1)分析する運動課題を正しく記載します。
   ※必要なら、部分(part)や相(phase)に区分します。
 (2)運動の各相は関節運動と筋活動との分析によって決定します。
 (3)運動は分析のための一定の評価基準で決定します。

2.注意事項
 (1)運動課題を決定・同定します。
 (2)運動に関与する関節や骨格を確認します。
 (3)運動中に固定される隣接する骨格部分を見極めます。
 (4)骨格構造、靱帯、腱、筋張力などの運動の拘束条件を理解しておきます。
 (5)動いている身体部分に加わる重力の変化に注意します。
 (6)動いている部分(骨、関節)のてことしての働きの変化に注意します。
 (7)多関節筋の収縮による運動では、靱帯・腱などの拘束条件を考慮します。
 (8)動筋、拮抗筋を明らかにしておきます。
 (9)筋収縮が起こしうるすべての運動を理解します(特に中和筋、固定筋の働き)。
 (10)関節の固定・安定化や、一方向への円滑な運動を行なうのに必要な筋を同定します。
 (11)運動に関与する筋群の相対的な大きさや生理的な力を考慮しておきます。

3.運動分析の3段階
 (1)第1段階
  ・運動の記載と細区分:運動課題名、写真、略図、範囲、筋、姿勢などを記載します。
 (2)第2段階
  ・関節運動と筋活動の分析:各相の関節運動を略語で示します。
 (3)第3段階
  ・運動のまとめと評価:分析結果の意味づけをします。

4.運動分析に使用される機器
 (1)電気角度計(ポテンショメータ)
  ・方法:装置を関節につけて回転角度を取り出します。
  ・特徴:2体節間の相対角度を計測でき、安価ですが、変位の測定はできません。
 (2)映画(フィルム)、VTR(テープ)、ストロボスコープ
  ・方法:連続画像を元に角変位を計測します。
  ・特徴:安価ですが、画像処理の手間がかかります。
 (3)特殊テレビカメラ(XYトラッカー)
  ・方法:身体に豆電球をつけ、その位置をカメラで検出します。
  ・特徴:角変位は演算で求めなければならず、4点以上の同時計測も困難です。
 (4)偏光フィルタ、受光素子(ポルゴン)
  ・方法:検出素子をつけ、基準角度から位相差を検出します。
  ・特徴:変位の測定ができません。
 (5)赤外線感応半導体アレイ(セルスポット)
  ・方法:発光ダイオードをつけ、位置を検出します。
  ・特徴:角変位は演算で求めなければならず、価格も高価です。
 (6)その他の機器
  ・多誘導表面筋電図:筋活動を記録します。
  ・トランスデューサ:運動力学的分析を行ないます。
  ・フォースプレート:歩行分析(床反力の分析)を行ないます。
  ・コンピュータ:データ処理を行ないます。
-LESSON3 運動分析の慣用語-
関節の名称
SH.G. 上肢帯 CERV 頸椎関節 HIP 股関節
SH.J. 肩関節 THOR 胸椎関節 KNEE 膝関節
E&RU 肘と橈尺 LUMB 腰椎関節 A&F 足関節と足の(脛腓)関節
WRIST 手関節 SPINE 脊椎関節 I-T 足根間関節
I-C 手根間関節 T-M 足根中足関節
C-M 手根中手関節 ANK
M-P 中手指節関節

体運動の種類
SF SF 持続的自動運動:筋が持続的張力を発生させる運動です。
 ※はやい、おそい、つよい、よわいなどに区分されます。
 ※外力と筋張力との関係から、求心・静止・遠心性収縮に分類されます。
SF- 遠心性収縮をともなう、持続的自動運動です。
SF0 静止性収縮をともなう、持続的自動運動です。
SF+ 求心性収縮をともなう、持続的自動運動です。
PAS PAS 他動運動:筋収縮をともなわない身体の動きです。
MAN 外力によるマニピュレーション(操作)です。
INER 慣性運動です。
GRAV 重力による自由落下運動です。
BAL バリスティック運動:野球でボールを打つときなどのすばやい運動です。
 (1)拮抗筋の収縮をともなわない求心性収縮で動き始め、
 (2)しだいに筋活動は停止して慣性運動となり、
 (3)拮抗筋の遠心性収縮や、靱帯や伸展された筋の抵抗によって停止します。
GUI 追跡運動(トラッキング):正確さや安定性が要求される、目標をゆっくり追う運動です。
 ※主動筋だけでなく拮抗筋も活動し、視覚・感覚のフィードバックも必要です。
DB 動的平衡運動:バランスを保ちながらの運動・歩行・走行です。
OSC 振動運動:拮抗筋間で優位側が急速に交互に変わる運動です。

その他の用語
Syn 共同筋 Neu 中和筋 (?) 疑い
HSyn 支援共同筋 PM 主動筋 Rep 繰り返し
TSyn 真性共同筋 AM 補助動筋

関節運動の名称
Flex 屈曲 UpwRot 上方回旋 HorFlex 水平屈曲
Ext 伸展 DownRot 下方回旋 HorExt 水平伸展
Abd 外転 Elev 挙上 Hyp- 「過-」
Add 内転 Depr 下制 HypExt 過伸展
Sup 回外 Opp 対立 LatFlex 側屈
Pron 回内 Rep 整復 LatExt 側伸
InRot 内旋 DFlex 背屈 Rt- 「右-」
OutRot※ 外旋 PFlex 底屈 Lt- 「左-」
RtRot 右回旋 RFlex 橈屈
LtRot 左回旋 UFlex 尺屈
※"external rotation"とは言わないようなので注意です。
「関節可動域表示ならびに測定法」の定める名称と異なるようです)

筋収縮の種類
Con 求心性収縮 Stat 静止性収縮 Coc 同時収縮
Ecc 遠心性収縮 Rel 弛緩

筋収縮力の程度
0 なし Mod- 中等度(-) Mod+ 中等度(+)
Sl 軽度 Mod 中等度 Max 最大