授業ノート-神経学07
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-LESSON1 伝導路-
●伝導路
 中枢神経と末梢神経はいくつかのニューロンを介して結ばれていて、互いに情報交換を行なっています。この情報の通路を伝導路といいます。伝導路には下行性(運動神経系)、上行性(感覚神経系)の2種類があります。

 ・下行性(運動性)伝導路:2個のニューロンがあり、運動野から視床を通らずに下行します。
 ・上行性(感覚性)伝導路:3個のニューロンがあり、視床を通って感覚野へ上行します。
  ※ただし、嗅神経は視床を通らずに上行します。

●以下、各々の伝導路の経路を書いていきます。
-LESSON2 下行性伝導路(運動性伝導路)その1:錐体路-
●錐体路
 前頭葉運動領野の神経細胞の軸索が、内包後脚、大脳脚、橋を通り、延髄の錐体で交叉し、反対側の脊髄側索を下行し、脊髄前角で終わる経路のことです。脊髄前角でニューロンをかえ、末梢神経として筋肉に分布し、随意運動を司ります。

1.外側皮質脊髄路 がいそくひしつせきずいろ:四肢の遠位筋に関与。
 (1)中心前回から内包を通り、錐体で交叉します。
 (2)脊髄の側索を下行し、運動ニューロンに連絡します。

2.前皮質脊髄路 ぜんひしつせきずいろ:体幹の運動に関与。
 (1)中心前回から内包を通り、錐体で交叉しません。
 (2)脊髄の前索を下行し、運動ニューロンに連絡します。

3.皮質核路 ひしつかくろ
 (1)中心前回から内包を通り、錐体で交叉します。
 (2)途中で分かれ、脳幹にある脳神経の運動核に向かいます。
 (3)網様体にある介在ニューロンを介して、運動ニューロンに連絡します。
-LESSON3 下行性伝導路(運動性伝導路)その2:錐体外路-
●錐体外路
 大脳皮質に始まり、大脳基底核でニューロンを変え、あるいは直接脳幹に達し、ニューロンをかえたのちに交叉して脊髄を下行し、脊髄前角に達する経路です。運動の調節を行なっており、錐体外路が障害されると不随意運動が生じます。

1.赤核脊髄路 せきかくせきずいろ:四肢の遠位筋に関与します。
 (1)中脳の赤核からすぐに交叉します。
 (2)脳幹腹外側部、脊髄側索を下行します。

2.視蓋脊髄路 しがいせきずいろ:目や首の運動に関与します。
 (1)中脳の上丘からすぐに交叉します。
 (2)脳幹内側部、脊髄前索を下行します。

3.内側前庭脊髄路 ないそくぜんていせきずいろ:頸部や上肢の平衡に関与します。
 (1)延髄の前庭神経核から同側を下行します。
 (2)頸髄、胸髄に分布します。

4.外側前庭脊髄路 がいそくぜんていせきずいろ:体幹や下肢の平衡に関与します。
 (1)延髄の前庭神経核から同側を下行します。
 (2)脊髄全長に分布します。

5.橋網様体脊髄路 きょうもうようたいせきずいろ:姿勢の制御に関与します。
 (1)橋の網様体から同側性に下行します。

6.延髄網様体脊髄路 えんずいもうようたいせきずいろ:姿勢の制御に関与します。
 (1)延髄の網様体から両側性に下行します。
-LESSON4 上行性伝導路(感覚性伝導路)-
1.外側脊髄視床路 がいそくせきずいししょうろ:温・痛覚に関与します。
 (1)脊髄神経節の一次ニューロンが、受容器からの情報を受けます。
 (2)後根から後角へ入り、二次ニューロンへかわります。
 (3)白交連を通って交叉し、反対側の側索を上行し、視床へ。
 (4)三次ニューロンにかわり、大脳皮質へ向かいます。

2.前脊髄視床路 ぜんせきずいししょうろ:粗大な触・圧覚に関与します。
 (1)脊髄神経節の一次ニューロンが、受容器からの情報を受けます。
 (2)後根から後角へ入り、二次ニューロンへかわります。
 (3)白交連を通って交叉し、反対側の前索を上行し、視床へ。
 (4)三次ニューロンにかわり、大脳皮質へ向かいます。

3.後外側路 こうがいそくろ:識別性触・圧覚に関与します。
 (1)脊髄神経節の一次ニューロンが、受容器からの情報を受けます。
 (2)後根から脊髄へ入り、そのまま後索を上行して延髄へ。
 (3)上半身のものは薄束を、下半身のものは楔状束を通ります。
 (4)二次ニューロンとなり交叉し、反対側で内側毛帯を形成して上行します。
 (5)視床の後外側腹側核で三次ニューロンにかわり、大脳皮質へ向かいます。

4.後脊髄小脳路 こうせきずいしょうのうろ:下肢の非意識性深部感覚に関与します。
 (1)脊髄神経節のニューロンから、後角基部の胸髄核へ。
 (2)ニューロンを変えて、同側の側索を上行して小脳へ向かいます。

5.前脊髄小脳路 ぜんせきずいしょうのうろ:下肢の非意識性深部感覚に関与します。
 (1)脊髄神経節のニューロンから、後角内の胸髄核へ。
 (2)白交連で交叉して、反対側の側索を上行して小脳へ向かいます。
 (3)小脳までに再度交叉します。

6.副楔状束核小脳路 ふくけつじょうそくかくしょうのうろ:上肢の非意識性深部感覚に関与します。
 (1)脊髄の後索を上行し、延髄の副楔状束核へ。
 (2)ニューロンをかえて上行し、同側の小脳へ向かいます。

7.三叉神経視床路 さんさしんけいししょうろ:顔面部や口腔内の温・痛・触・圧覚に関与します。
 (1)一次ニューロンは三叉神経節にあり、橋から入ります。
 (2)識別性の触・圧覚の場合と、温・痛覚や非識別性触・圧覚の場合で異なります。
  ※識別性の触・圧覚の場合、一次ニューロンは三叉神経主感覚核に終わります。
  ※温・痛覚や非識別性触・圧覚の場合、一次ニューロンは下行して、三叉神経脊髄路核で終わります。
 (3)二次ニューロンが交叉して、反対側を上行します。
 (4)視床の後内側腹側核で三次ニューロンにかわり、大脳皮質へ向かいます。