授業ノート-徒手筋力検査05
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-LESSON1 股関節のMMT-
■股関節屈曲
大腰筋、腸骨筋
543 肢位 台の縁に腰掛け、大腿は完全に検査台の上に載せ、下腿は縁から垂らさせる。
患者に体幹を安定させるために台の縁をつかむか、体の両脇の台の上に手を置かせ支えさせてもよい。
検査者はテストする側の下肢のそばに立つ。抵抗を加える手を膝関節のすぐ近位で大腿の下端の上にあてがう。
テスト 患者に股関節を屈曲し、上げうる限り大腿骨を持ち上げさせ、テーブルから離し中立位の回旋を保持する。
この位置を検査者の下方に向け、テーブルに押し付けるような抵抗に対抗して維持する。
段階 (5)大腿を台から離れるように持ち上げ、最大の抵抗に負けず保持できる場合。
(4)強力・中等度の抵抗に打ち勝てる場合。
(3)抵抗がなければ全運動範囲動かせる場合。
指示:「脚を台から離れるようにまっすぐ持ち上げなさい。(押し下げる抵抗に負けずに。)」
2 肢位 テストする側の下肢を上に側臥位をとる。
体幹は中立位のアライメントをとらせ、下側の下肢は安定性を得るために屈曲位にしてもよい。
検査者は患者の後に立ち、片方の手でテストする下肢の膝を下から支えるように抱き上げる。
反対側の手で体幹の股関節に対するアライメントを正しく保つようにする。
テスト 支えてもらっている股関節を屈曲する。膝屈筋の緊張を避けるため、膝屈曲してもよい。
段階 (2)側臥位であれば、患者は運動範囲を完全に動かすことができるもの。
指示:「あなたの膝を胸のほうに近づけなさい。」
10 肢位 背臥位。検査者はテストする下肢のそばに立ち、手を膝の後から腓腹部の下にまわして持ち上げ支えてやる。
空いた方の手で縫工筋の内側で鼡径靱帯のすぐ遠位で触知。
テスト 患者に股関節を屈曲しようとさせる。
段階 (1)収縮を触れうるが、目に見える活動は起こらないもの。
指示:「あなたの膝を鼻の方に近づけようとしてみなさい。」
代償動作:縫工筋(股関節外旋・外転が起こる)、大腿筋膜張筋(股関節内旋・外転が起こる)

■股関節屈曲、外転、および膝関節屈曲位での外旋
縫工筋
543 肢位 両大腿を検査台の上に載せ腰掛け、両下腿は縁から垂らさせる。両上肢は体を支えるために使ってもよい。
検査者はテストする側の下肢の外側に立つ。
片方の手を膝の外側面にあてがい、他方の手で下腿遠位の内側前面をつかむ。
段階5と4では、膝に当てた手で股関節の屈曲と外転に抵抗し(下方かつ内方に力を加える)、
足部をつかんだ手は、股関節の外旋と膝関節の屈曲に抵抗する(上方かつ外方に向かう力に対抗)。
テスト 患者に股関節を屈曲、外転、外旋させるとともに、膝関節を屈曲させる。
段階 (5)最終到達位置を最大の抵抗に抗して保ち続けられる場合。
(4)強力・中等度の抵抗に耐えて保ち続けられる場合。
(3)抵抗されなければ運動を完全に行なえる場合。
指示:「(他動的に行ない)その位置を保って。私が加える力に負けずに、動かさないように。」、
 「あなたの踵を反対側の向こう脛に沿って滑らせながら上の方に持ってきてごらん。」
2 肢位 背臥位をとらせ、検査側の下肢の踵を反対側の下肢の向こう脛の上に置く。
検査者はテストする下肢の横に立ち、必要ならアライメントを正しく保つように下肢を支えてやる。
テスト 患者は踵を反対側の向こう脛に沿わせながら滑りあがらせ、膝まで届かせる。
段階 (2)必要な運動を完全に遂行できる場合。
指示:「あなたの踵を向こう脛の上を滑らせながら膝まで持ってきなさい。」
10 肢位 背臥位。検査者はテストする下肢の横に立ち、
検査者の手をふくらはぎの下から膝の後にまわして膝を支えながら下腿を抱きかかえるようにする。
反対側の手を使い、大腿内側で縫工筋が大腿の上を横切るところで触知する。
検査者はASISのすぐ下で筋の起始部近くで筋を触知するのがよい。
テスト 患者に踵を反対側の向こう脛の上を膝のほうに滑りあがらせようとさせる。
段階 (1)検査者は筋のわずかな収縮を探り当てることができるが、運動は起こらない。
指示:「あなたの踵を膝に届くまで滑りあがらせてみなさい。」

■股関節伸展(全伸筋群の総和)
大殿筋、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋(長頭)
543 肢位 腹臥位。両上肢は頭の上に伸ばすか、外転して検査台の両縁をつかませる。
検査者はテストする側の下肢の横で骨盤のレベルに立ち、抵抗を加える手は足関節のすぐ上で下腿の後にあてがう。
抵抗はまっすぐに下方へ床に向かって押し付けるように加える。
他方の手は、腸骨の上後腸骨棘の部分に当てて骨盤を固定するか、そのアライメントを保持するために使う。
テコの柄が長く、力のいるテストである。
テスト 患者に可能な運動範囲全体にわたって股関節を伸展させる。
段階 (5)全範囲動かし、最大の抵抗に負けずに最終到達位置を保持できる場合。
(4)強力・中程度の抵抗に打ち勝って運動を遂行できる場合。
(3)抵抗がなければ遂行できる場合。
指示:「膝を伸ばしたままで、脚を台から離し、できるだけ高くまで持ち上げなさい。」
2 肢位 テストする側の下肢を上にして側臥位をとらせる。
膝は伸展させ検査者が支えてやる。下側の下肢は屈曲して安定性を得るようにする。
検査者は大腿のレベルで患者の後に立ち、膝のすぐ下のところでテストする下肢を支え、下腿を抱き上げるようにする。
他方の手は腸骨稜にあてがい、骨盤と股関節のアライメントを正しく保つようにする。
テスト 患者に可能な運動範囲全体にわたって股関節を伸展させる。
段階 (2)側臥位でなら完全に伸展運動ができる場合。
指示:「膝を伸ばしたまま、脚を後に伸ばし、私のほうへ向かって動かしなさい。」
10 肢位 腹臥位。検査者は患者の股関節のレベルでテストする下肢の側に立ち、
坐骨結節のところで膝屈筋群を触診する(指を深く組織の中に押し込んで)。
大殿筋の触診には殿部の中央の上に指を深く押し込んで触知し、上部線維と下部線維についても触診する。
テスト 患者に股関節を伸展しようとさせるか、両殿部を寄せ合わせ硬くさせる。
段階 (1)膝屈筋群または大殿筋に収縮を触知することができるが、目に見えた関節の動きは起こらないもの。
 大殿筋の収縮があるときには、殿筋皮線が狭くなる。
指示:「あなたの脚を検査台から持ち上げてごらん。」、「両方のお尻を寄せ合わせてごらん。」

■股関節伸展(大殿筋分離テスト)
大殿筋
543 肢位 腹臥位をとらせ、膝関節を90°まで屈曲させる。
検査者は骨盤のレベルでテストする下肢のそばに立つ。
抵抗を加える手は膝のすぐ上で大腿の後面の上にあてがう。抵抗はまっすぐに下方に向かって加える。
他方の手は骨盤を固定するか、そのアライメントを保つのに用いる。
段階3では、膝を屈曲位に支えてやる必要がありうる(足部を持つ)。
テスト 患者に膝関節は屈曲位のままで、可能な運動範囲全体にわたり股関節を伸展させる。
段階 (5)全範囲動かし、最大の抵抗に負けずに最終到達位置を保持できる場合。
(4)強力・中程度の抵抗に打ち勝って肢位を保持できる場合。
(3)抵抗がなければ保持できる場合。
指示:「足を天井に向かって持ち上げなさい。」、「膝を曲げたままで、脚を持ち上げてごらん。」
2 肢位 テストする側の下肢を上にして側臥位をとらせる。
膝は屈曲し検査者が支えてやる。下側の下肢は屈曲させて安定性を高める。
検査者は大腿のレベルで患者の後に立ち、
検査者の前腕と手を、屈曲した患者の膝の下にまわして上の方の下肢を抱きかかえる。
テスト 屈曲した膝を支えながら、股関節を伸展させる。
段階 (2)側臥位なら可能な運動範囲の運動を完全に行なえるもの。
指示:「あなたの下肢を後ろのほうに、私に向かって動かしてみなさい。」
10 ※股関節伸筋群の総和のものと同じ

■股関節外転
中殿筋、小殿筋
543 肢位 テストする側の下肢を上にして側臥位をとらせる。
下肢を中間位より軽度屈曲し、骨盤を軽度前方に回旋した位置からテストを開始する。
下側の下肢は屈曲させて安定を保たせる。検査者は患者の後ろに立つ。
抵抗を加える手は膝関節の外側面にあてがい、抵抗はまっすぐ下の方に向かって加える。
中殿筋の収縮を触知するための手は、大腿骨の大転子よりすぐ近位の部分におく。
テスト 患者に股関節を屈曲することなく、またどちらの方向に回旋することもないようにしながら、
できる限りの運動範囲全体にわたって完全に股関節を外転させる。
段階 (5)可能な運動範囲全体に運動を行ない、最大抵抗に抗して肢位を保ち続けられる場合。
(4)強力・中等度の抵抗で保持できる場合。
(3)抵抗がなければ保持できる場合。
指示:「あなたの脚を空中に持ち上げなさい。私が押し下げても負けずに位置を保ちなさい。」
2 肢位 背臥位。検査者はテストする側の下肢の横に立つ。
片方の手を足の下にまわし、台との摩擦が起こらない程度に下肢を台から持ち上げ、下肢を持ち上げたまま支えてやる。
この手は抵抗を与えることも運動を助けることもしないようにする。
他方の手は大腿骨大転子のすぐ近位のところで中殿筋の収縮を触診する。
テスト 患者に可能な運動範囲の最後まで外転させる。
段階 (2)抵抗を加えられず、摩擦が最小限かゼロであれば完全に外転運動が行なえるもの。
指示:「脚をできるだけ横に滑らせ動かしなさい。膝が常に天井に向かうように注意して。」
10 肢位 背臥位。検査者は大腿のレベルで検査する側の下肢の横に立つ。
片方の手を使って、足の果部のすぐ上で足の下から手をまわし下肢を持ち上げ支えてやる。
その手は抵抗を加えることも、運動を助けることもしないように注意すること。
他方の手は大転子のすぐ上のところで股関節の外側に中殿筋の収縮を触診する。
テスト 患者に股関節を外転するようにこころみさせる。
段階 (1)中殿筋の収縮を触知できるが、運動は起こらないもの。
指示:「あなたの脚を横のほうに動かしてごらん。」
代償動作:股部引き上げ(体側側方の筋)、外旋位屈曲、大腿筋膜張筋(股関節屈曲位の場合)

■股関節屈曲位からの外転
大腿筋膜張筋
543 肢位 側臥位をとらせ、テストする上側の下肢は股関節を45°に屈曲し、
下側の下肢の上を横切って足が検査台の上に載るようにする。
検査者は骨盤のレベルで患者の後ろに立ち、抵抗を加える手は膝よりすぐ上で大腿の側面の上にあてがう。
抵抗は大腿遠位の側面に押し下げるように加える。他方の手は腸骨稜の上において安定を助ける。
テスト 患者に30°の運動範囲外転させる。
段階 (5)可能な範囲の運動を完全に行ない、最終到達位置を最大の抵抗に負けずに保持できるもの。
(4)強力・中等度で保持できるもの。
(3)抵抗に抗すことができないもの。
指示:「あなたの脚を持ち上げ、私が押し下げようとしても負けずに持ち上げ続けなさい。」
2 肢位 患者に長座位をとらせ、両手を身体の後ろに伸ばし、台の上において体幹を支えさせる。
体幹は垂直位から45°までは後ろに傾けてもよい。
検査者はテストする側の下肢の横に立つ。片方の手は足の下に当てて下肢を支える。
この手は運動する際に表面との摩擦が起こらないように浮かせるためのものであって、抵抗や介助をしてはならない。
他方の手で大腿筋膜張筋が腸脛靱帯に付着する大腿近位の前外側部にその収縮の有無を触診する。
テスト 患者に30°まで股関節を外転させる。
段階 (2)股関節外転を30°まで完全に行なえるもの。
指示:「あなたの脚を横のほうに動かしてごらんなさい。」
10 肢位 長座位。検査者は片方の手で膝の外側のところで大腿筋膜張筋の付着部を触診する。
他方の手は大腿の前外側部で大腿筋膜張筋の収縮を触診する。
テスト 患者に股関節を外転しようとさせる。
段階 (1)大腿筋膜張筋に収縮を触知できるが、下肢の運動は起こらないもの。
指示:「あなたの脚を外のほうに動かしてみなさい。」

■股関節内転
大内転筋、短内転筋、長内転筋、恥骨筋、薄筋
543 肢位 テストする側の下肢(下側の)を検査台の上に載せて側臥位をとらせる。
上側の下肢(非テスト側)は外転25°とし、検査者が支えてやる。
検査者は患者の膝のレベルの後ろに立ち、前腕で患者の下腿を抱えるようにし、
手は患者の膝の内側面に当てて下肢を支える。
抵抗を加える手は大腿遠位部で膝関節のすぐ上のところの内側面にあてがう。
抵抗は検査台に向かってまっすぐ下のほうに向けて加える。
テスト 患者に股関節を内転させ、下の下肢が上の下肢に接触するまで持ち上げさせる。
段階 (5)運動可能範囲完全に動かし、最大抵抗に抗して最終到達位を保ち続けることができる場合。
(4)強力・中等度の抵抗なら保持できる場合。
(3)抵抗には対抗できない場合。
指示:「あなたの下のほうの脚を上のほうの脚に届くまで持ち上げなさい。
 (私が押し下げようとしても)そのままにして落としてはいけません。」
2 肢位 背臥位をとらせる。テスト側でないほうの下肢は、
テストする下肢の運動を妨げることがないようにするために、ある程度外転位をとらせる。
検査者は、テストする下肢の膝のレベルに立ち、片方の手で患者の足部を支え、
検査台の上から少しばかり持ち上げ、下肢が台の上を横切って動く際の摩擦を減らせるようにする。
他方の手は大腿の近位の内側のところで内転筋筋腹を触診する。
テスト 患者に下肢を回旋することなく股関節を内転させる。
段階 (2)患者が完全に運動範囲全体にわたり下肢を内転できる場合。
指示:「あなたの脚を他のほうの脚のところに寄せてごらん。」
10 肢位 背臥位。検査者はテストする側の下肢の横に立ち、
片方の手で足の下から下肢を支えてやり、他方の手は大腿の近位内側で内転筋筋腹を触診する。
テスト 患者に股関節を内転させる。
段階 (1)収縮は触知できるが、下肢の運動は起こらないもの。
指示:「あなたの脚を内側に寄せてごらん。」
代償動作:股関節屈筋(股関節を内旋する)、膝屈筋(股関節を外旋する)→正確な側臥位が必要!

■股関節外旋
外閉鎖筋、内閉鎖筋、大腿方形筋、梨状筋、上双子筋、下双子筋、大殿筋
543 肢位 腰掛ける。体幹を垂直に保ち、骨盤・殿部を浮かせないこと。
検査者はテストする下肢の横にひざまずくか、低い椅子に座る。
抵抗を加える手で、足の果部のすぐ上を握り、足部を外側に向かわせるような力を加え抵抗とする。
他方の手は膝のすぐ上で大腿遠位の部の外側にあてがい、対抗力を与える。
抵抗は膝に内方に向かう力として加える。2つの力はこの回旋運動に対し逆方向に向かい加えるのである。
テスト 患者に股関節を外旋させる。
このテストでは、最終到達肢位に検査者が患者の下肢を置いて、
抵抗に負けることなくそのまま保ち続けられるか検査するほうがよりよい。
段階 (5)最大の抵抗に抗して最終到達肢位を保ち続けることのできるもの。
(4)強力・中等度の抵抗に抗して最終肢位を保ち続けうるもの。
(3)抵抗がなければ保ち続けられるもの。
指示:「私があなたの脚を外に引っ張り出そうとしても、それに負けずに頑張ってください。」
2 肢位 背臥位をとらせ、下肢は内旋させておく。
検査者はテストする側の下肢の横に立ち、片方の手を股部の外側に当てて、骨盤の正しい位置保持に用いる。
テスト 患者に可能な限り股関節を外旋させる。
段階 (2)可能な運動範囲、完全に外旋しきれるもの。
 股関節が回旋し、中心線を通り過ぎるとき、重力が助けにならないようにごくわずかの抵抗を加えてもよい。
指示:「あなたの脚を外に向けて転がしてごらん。」
10 肢位 背臥位でテストする側の下肢を内旋位に置く。
検査者はテストする下肢の横に立つ。
テスト 患者に股関節を外旋しようとこころみさせる。
段階 大殿筋以外の外旋筋群は触知できない。
もし少しでも動きがあることが認められるときは段階1とすべきで、段階0とするのは、
「不確実さを伴うときには、常により低い段階と評価すべき」であるという原則に従って判定する場合である。
指示:「あなたの脚を外に向かって転がしてみなさい。」

■股関節内旋
小殿筋(前部線維)、大腿筋膜張筋、中殿筋(前部線維)
543 肢位 腰掛けて座り、両上肢は体幹を支えるのに用いるか、胸の上で組んでもよい。
検査者は患者の前にひざまずくか、座る。片方の手で足の果部直上で外側面をつかむ。
抵抗は足の部分に内側に向けて加えた力により与える。
他方の手は対抗力を与えるために膝の直上で大腿下端の内側面にあてがう。
抵抗は膝の部分で外側に向かって加えた力により与える。加える力の反対向きになることに注意。
テスト 完全内旋の最終到達肢位に検査者が持ってきてやり、
それを患者が抵抗に抗して保てるか否かをテストするのが最もよい。
段階 (5)最終到達肢位を最大抵抗に抗して保持し続けられるもの。
(4)強力・中等度の抵抗に負けずに保持し続けられるもの。
(3)保持はできるが、抵抗に抗することができないもの。
指示:「私があなたの脚を内側に引っ張り込もうとしても、それに負けずに頑張ってください。」
2 肢位 背臥位をとらせ、テストする下肢を半ば外旋位に置く。
検査者はテストする下肢の横に立ち、中殿筋は大転子の近位部に、
大腿筋膜張筋はASIS(上前腸骨棘)の下で股関節前外側部に触知する。
テスト 患者に可能な運動範囲にわたる股関節内旋を行なわせる。
段階 (2)運動範囲全体にわたり動かせる場合。股関節が内旋し中心線を超えるとき、
 重力が動作の助けとならないようにごくわずかの抵抗を加え、重力の作用を打ち消してもよい。
指示:「あなたの脚をもう一方の脚の方に向けて、内側に転がしてごらん。」
10 肢位 背臥位をとらせ、テストする側の下肢を外旋位に置く。
検査者はテストする下肢のそばに立つ。
片方の手で中殿筋を触診する(大転子より上で股関節の後外側面の表面より)。
他方の手で大腿筋膜張筋を触診する(ASISの下で股関節の前外側面の上から)。
テスト 患者に股関節を内旋することをこころみさせる。
段階 (1)いずれかの筋、または両方の筋に収縮活動を触知する場合。
指示:「あなたの脚を内へ向かって転がしてごらん。」

-LESSON2 膝関節のMMT-
■膝関節伸展
大腿直筋、中間広筋、外側広筋、長内側広筋、斜内側広筋
543 肢位 腰掛けて座らせ、大腿を水平位に置くために、大体の下端の下に楔状物かパッドを置く。
患者の両手は身体の両脇に検査台の上に置き安定を図るか、あるいは台の縁をつかませる。
膝屈筋群の緊張をゆるめるために、患者に身体を後ろに傾けさせるのがよい。
関節をロックさせないように、膝関節過伸展はさせないこと。
検査者はテストする側の下肢の横に立ち、抵抗を加える手は下肢の下端で足首のすぐ上の前面にあてがう。
抵抗は下方に向かう方向(床に向かって)に、膝が屈曲するように加える。
テスト 患者に可能な運動範囲全体にわたり膝関節を伸展させる。ただし、0°を越えないこと。
段階 (5)最大の抵抗に負けずに最終到達肢位を保ち続けられる場合。
(4)強力ないし中等度の抵抗に抗して保持できる場合。
(3)抵抗を加えられなければ、肢位を保てるもの。
指示:「膝をまっすぐに伸ばしなさい。そのまま保って、私が曲げようとしても負けないように。」
2 肢位 テストする下肢を上にして側臥位をとらせる。下側の下肢は安定を図るために屈曲させてよい。
テストする下肢は膝関節90°屈曲位に保つ。
股関節は大腿直筋(二関節筋)の影響を除くため、完全伸展位に置くこと。
検査者は膝のレベルで患者の後ろに立ち、片方の手で膝を下から支えてやりながらテストする下肢を腕で抱きかかえる。
他方の手は、くるぶしのすぐ上のところで下腿を支える。
テスト 患者に可能な運動範囲全体にわたり膝を伸展させる。
段階 (2)可能な運動範囲全体にわたり動かせる場合。
指示:「あなたの膝をまっすぐに伸ばしなさい。」
10 肢位 背臥位。検査者は膝のレベルでテストする下肢のそばに立ち、
触診する手を用いて膝関節のすぐ上の大腿四頭筋腱を、親指と他の指の間で軽く「つまむ」ようにする。
検査者は2本ないし4本の指で膝関節のすぐ下のところで膝蓋腱を触知してもかまわない。
テスト 患者に膝関節を伸展させる。
段階 (1)関節運動はないが、筋に収縮活動が起こっているのを腱を介して触知できる場合。
指示:「あなたの膝の後ろを検査台に押し付けるようにしてみなさい。」(Quadセッティング)
代償動作:側臥位では内旋筋を使い、膝を伸展位に落とすことがある。

-LESSON3 足関節のMMT-
■足関節底屈(総合テスト)
腓腹筋、ヒラメ筋
543 肢位 患者に膝関節を伸展してテストする側の下肢で立たせる。
外から支えるのは、1本か2本の指を検査台の上において、バランスを助ける程度にする。
検査者はテストする下肢の側面を見る位置に立つか座る。
テスト 患者に足を底屈しうる限りいっぱいに底屈させ、連続して踵を床から持ち上げさせる。
段階 (5)完全な踵持ち上げ・爪先立ち動作を、休みを置くことなく、疲労を見せずに最小限20回は行なえる場合。
(4)19回から10回行なえる場合。
(3)9回から1回行なえる場合。
指示:まず、検査者が正しい踵の持ち上げ方をやってみせる。
 「右足で立ち、爪先立ちしてみなさい。降ろしてよろしい。これを20回反復しなさい。」
 このテストを左下肢にも反復させる。
2+
立位
肢位 テストする側の下肢で膝関節を伸ばして立ち、2本の指でバランスが崩れないよう助ける。
検査者はテストする側の下肢の側面がはっきり見えるところに立つか座る。
テスト 患者に完全な底屈運動範囲にわたる床面からの踵持ち上げ動作をこころみさせる。
段階 (2+)患者がわずかに床から踵を離し、持ち上げうるだけにとどまり、
 テストの最終肢位にあたる爪先立ちはできない場合。
指示:「あなたの右足で立って、爪先立ちをしようとしてみなさい。」これを左足にも繰り返す。
2
腹臥位
肢位 腹臥位をとらせ、足は検査台の端からはみ出させる。
検査者はテストする足を前にして、検査台の端のところに立つ。
片方の手は足首のすぐ上のところでテストする下腿の下からまわしてあてがう。
抵抗を加える手の付け根と手掌を中足骨頭列のレベルで足底面に対抗するようにあてがう。
抵抗は下前方に向け背屈させるような方向に加える。
テスト 患者にできる限りの範囲の足底屈運動を行なわせる。
段階 (2+)完全な足底屈運動ができて、最大抵抗に負けずに保てるもの。
(2)抵抗には耐えられないもの。
(2-)運動可能範囲の一部分だけ動かしうるもの。
10 肢位 腹臥位をとり、足は検査台の端からはみ出させる。
検査者は検査台の端のところに、テストする足を前にして立つ。
片方の手で、踵骨のすぐ上のところにアキレス腱の緊張の有無を探ることにより腓腹筋−ヒラメ筋活動を触知する。
筋腹を触知するのもよい。
テスト 患者に足関節底屈をこころみさせる。
段階 (1)腱には筋の収縮活動が存在することがあらわれるが、関節運動としては起こらない場合。
 筋腹を触れて収縮活動の存在を触知することもできる場合。
★腓腹筋は、腓腹部中ほどのところで、正中線の両側に母指と他指を当てて触知するのがよい。
 ただし、ヒラメ筋より上方で触診すること。
★ヒラメ筋は、腓腹部遠位の後外側面で行なうのが最もよい。
210 指示:「あなたのあしゆびを下のほうに揃えて尖らせなさい。トゥーダンスやバレエのダンサーのように。」
ポイント:正しい完全運動範囲の踵持ち上げができない場合は段階を下げる必要がある。

■足関節底屈(ヒラメ筋単独テスト)
ヒラメ筋
543 肢位 テストする側の下肢で膝関節を軽く屈曲して立たせる。
1〜2本の指でバランスをとるのを助けさせてよい。
検査者はテストする下肢の側面が見える位置に立つか座る。
テスト 膝は屈曲したままで、可能な足底屈運動範囲いっぱい踵を床から持ち上げさせる。
正確な踵持ち上げ運動を中休みすることも、大きな疲労を見せることもなく続けて行なう。
段階 (5)完全な踵持ち上げ・爪先立ち動作を、休みを置くことなく、疲労を見せずに最小限20回は行なえる場合。
(4)19回から10回行なえる場合。
(3)9回から1回行なえる場合。
指示:まず検査者がやってみせた上、
 「右足で膝を曲げたまま立ってください。このまま爪先立ちを少なくとも20回繰り返してください。」
 左足についてもテストを行なわせる。
210 肢位 腹臥位で膝関節を90°屈曲する。
検査者は患者のそばに立ち、手掌の根元(母指球と小指球)を患者の前足部の足底面にあてがい、
背屈させる方向に抵抗を加える。
テスト 膝は屈曲位をとり続けたままで足関節底屈をこころみさせる。
段階 (2+)ある程度の抵抗を加えられても、それに負けることなく完全底屈が行なえる場合。
(2)抵抗されなければ完全底屈が行なえる場合。
(2-)膝屈曲位で底屈運動を部分的にだけ行なえる場合。
(1,0)アキレス腱が緊張するのを触れるか、筋収縮を触知できる場合は段階1であり、
 収縮活動が認められないものは0とする。
指示:「あなたの爪先で天井のほうを指すようにしてごらんなさい。」
ポイント:膝を曲げることで腓腹筋の影響を除くが、完全な分離運動は不可能。

-LESSON4 足趾のMMT-