授業ノート-徒手筋力検査04
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-LESSON1 肘関節のMMT-
■肘関節屈曲
上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋
543 肢位 腰掛け、両上肢は体側に垂れる。検査者は患者の前に立つ。
抵抗を加える手は手首より上で前腕屈側表面に沿わせてあてがう。
他方の手掌をくぼませて肩関節の前上面の上にあて、対抗力を加える。
段階3では抵抗は加えないが、肘頭を支え持ち上げる。
★上腕二頭筋は前腕回外位、上腕筋は回内位、腕橈骨筋は中間位で行なう。
テスト 患者はできる限りの範囲肘関節を屈曲する。
段階 (5)運動範囲全体を動かし、最大の抵抗に抗せるもの。
(4)強力ないし中等度の抵抗に抗せるもの。
(3)抵抗を加えられなければ、運動範囲を完全に動かせるもの。
指示:「あなたの肘を曲げなさい。(そのままの位置を保って、下げようとしても抵抗しなさい。)」
2 肢位 腰掛け、上肢は90°外転し、その位置で検査者が保持する。
検査者は患者の前に立ち、外転した上肢を肘の下から支えてやる。
肘関節前面のところで上腕二頭筋の腱を、上腕二頭筋腱の内側で上腕遠位部に上腕筋を、
前腕の近位掌側面上で肘窩の外縁を形作っているところに腕橈骨筋を触知する。
★背臥位で肘を45°に屈曲して行なう方法もある。
テスト 患者に肘関節屈曲をこころみさせる。
段階 (2)動作の全範囲を完全に動かす(個々に筋につきテストする)。
指示:「あなたの肘を曲げなさい。」
10 肢位 背臥位をとらせ、検査者はテストする側に立つ。
テスト 患者は手を回外、回内あるいは中間位で肘を屈曲しようとこころみる。
段階 (1)3つの筋それぞれ、収縮が起こっているのを触知しうるだけで運動は起こらないもの。
ポイント:手関節屈筋群は弛緩させること(肘関節屈曲を助けることになりうるから)。

■肘関節伸展
上腕三頭筋
543 肢位 腹臥位。上腕を90°外転し、前腕を屈曲して検査台の縁からはみ出させ、垂直に下に垂らさせる。
検査者は肘のすぐ上のところで支えてやる。
他方の手は手首の背面に下のほうに押し下げるような抵抗を加えるのに用いる。
テスト できる運動範囲内の最終点まで肘関節を伸展させる。
あるいは前腕が床に平行に水平の位置に来るまで伸展させる。
段階 (5)全運動範囲を動かし、最大の抵抗に抗して伸展位で保ち続けられるもの。
(4)強力な抵抗に負けないが、最終点では「抗し切れず負ける」感じのあるもの。
(3)外からの抵抗がなければ、最終伸展位まで持ってこれるもの。
指示:「肘をまっすぐ伸ばしなさい。そのまま保ち、私が曲げようとしても負けてはなりません。」
210 肢位 腰掛ける。上肢を90°外転し、肩関節は回旋中間位、肘関節は45°屈曲位をとらせる。
上肢全体が床面に平行に水平位をとるようにする。
検査者は段階2では肘のところで上肢を支え、段階1・0では前腕の下面に手を当てて上肢を支えてやり、
肘頭のすぐ近位で上腕の後面のところで上腕三頭筋を触診する。
テスト 患者に肘関節を伸展しようとさせる。
段階 (2)重力の影響がなければ全範囲を動かせるもの。
(1)筋の収縮活動を触知できるもの。
指示:「あなたの肘を伸ばそうとしてみなさい。」
代償動作:外旋を利用するもの、水平内転を利用するもの。
ポイント:過伸展(不動化・ロック)を許さないこと。

-LESSON2 前腕のMMT-
■前腕回外
回外筋、上腕二頭筋
543 肢位 浅く座り、上肢は体側に置き肘関節を90°屈曲、前腕は回内位とする。
検査者は患者の横か前に立ち、肘を支え、手首のところの掌側面で前腕をつかみ抵抗を加える。
テスト 患者は掌側面が天井を向くまで前腕を回外する。
検査者は回内方向に抵抗を加える。
段階 (5)運動可能全範囲動かし、最大抵抗に抗せるもの。
(4)強力もしくは中等度の抵抗に抗して動かせるもの。
(3)抵抗されなければ運動範囲全体を動かせるもの。
指示:「手のひらを上に向けなさい。(手首と指の力を抜いて、下を向けるのに抵抗しなさい)。」
2 肢位 腰掛け、肩関節は45°〜90°の間に屈曲し、肘関節は90°屈曲、前腕は回内外中間位とする。
検査者は手掌をくぼませて、テストする側の上肢を肘の下から支えてやる。
テスト 患者に前腕を運動可能範囲の一部でも回外させる。
段階 (2)運動範囲を完全に動かせるもの。
指示:「あなたの手のひらをまわして顔のほうに向けなさい。」
10 肢位 腰掛け、上肢は体側に置き肘関節を90°屈曲、前腕は回内位とする。
検査者は肘関節のすぐ遠位で前腕を支えながら、前腕の背側で橈骨頭の遠位に回外筋を触知する。
テスト 患者に前腕を回外させる。
段階 (1)収縮活動が軽く認められるが、運動は起こらないもの。
指示:「あなたの手のひらをまわし、天井のほうを向くようにしなさい。」
代償動作:上肢を外旋かつ内転。手根伸筋による代償→手関節と指の力を抜いて行なう。

■前腕回内
円回内筋、方形回内筋
543 肢位 腰掛ける。上肢は体側に置き肘関節を90°屈曲、前腕は回内外中間位とする。
検査者は患者の横か前に立ち、肘を下から支えてやり、手首をつかみ抵抗を加える。
テスト 患者は掌側面が下方を向くまで前腕を回内する。検査者は回外方向に抵抗を加える。
段階 (5)運動可能全範囲動かし、最大抵抗に抗せるもの。
(4)強力もしくは中等度の抵抗に抗して動かせるもの。
(3)抵抗されなければ運動範囲全体を動かせるもの。
指示:「手のひらを下に向けなさい。(手首と指の力を抜いて、上を向けるのに抵抗しなさい)。」
2 肢位 腰掛け、肩関節は45°〜90°の間に屈曲し、肘関節は90°屈曲、前腕は回内外中間位とする。
検査者は手掌をくぼませて、テストする側の上肢を肘の下から支えてやる。
テスト 患者に前腕を回内する。
段階 (2)運動範囲を完全に動かせるもの。
指示:「あなたの手のひらを顔から離れるように外に回しなさい。」
10 肢位 腰掛け、上肢は体側に置き肘関節を90°屈曲、前腕は回内外中間位とする。
検査者は肘のすぐ遠位で前腕を支える。他方の手で、前腕の掌側面上方1/3のところで、
上腕骨の内側顆から橈骨の外側縁に引いた対角線の上に当てて、円回内筋の触診を行なう。
テスト 患者に前腕を回内しようとさせる。
段階 @収縮活動は認めるが、運動は起こらないもの。
指示:「あなたの手のひらを下に向けるようにまわしなさい。」
代償動作:肩関節を内旋するか外転する。手根屈筋による代償→手関節と指の力を抜いて行なう。

-LESSON3 手関節のMMT-
■手関節屈曲
橈側手根屈筋、尺側手根屈筋
54 肢位 腰掛ける。前腕は検査台の上に背側面を下に載せる。
テストを始める際には、前腕を回外位に置く。手関節は中間位か軽く伸展(背屈)しておく。
検査者は片方の手で患者の前腕を手首の下から支えてやる。
テスト 患者に手関節を屈曲させる。指の力は抜いたままにすること。
★両方の屈筋:検査者はテストする手掌に母指を手の背側面に回して抵抗を加える。
 抵抗は手関節を伸展させる方向にまっすぐ、下方に向けて手掌全体に均等に加える。
★橈側手根屈筋:抵抗は第2中手骨(手の橈側)の上に、手関節を伸展、尺屈させる方向に向けて集中して加える。
★尺側手根屈筋:抵抗は第5中手骨(手の尺側)の上に、手関節を伸展、橈屈させる方向に向けて集中して加える。
段階 (5)運動範囲を完全に動かし、最大の抵抗に抗せる。
(4)強力・中等度の抵抗に抗せる。
指示:「指の力を抜いて、手首を手のひらの方に曲げなさい。
 そのままの位置を保って、私が引きおろそうと力を加えてもそうさせないように。」
3 肢位 ※段階5・4と同じ
テスト ★両方の屈筋:手関節を橈屈も尺屈も伴わないでまっすぐ屈曲させる。
 「指の力を抜いて、手首をまっすぐ曲げなさい。」
★橈側手根屈筋:橈屈を伴いながらの手関節屈曲を行なう。
 「手首を親指のほうへ向かって曲げなさい。」
★尺側手根屈筋:尺屈を伴いながらの手関節屈曲を行なう。
 「手首を小指のほうへ向かって曲げなさい。」
段階 (3)抵抗がなければできる限りの運動範囲動かせる場合。
2 肢位 腰掛けて肘を検査台の上に載せる。
手の尺側縁を下にして台に載せるように置いて前腕は回内外中間位をとらせる。
検査者は患者の前腕を手首の近位のところで支える。
テスト ★両方の屈筋:手の尺側縁を台の上を滑らせながら、あるいは台から浮かせながら手関節を屈曲させる。
★分離テスト:前腕を支え持って、手関節が台の上から浮くようにしながら、患者に手関節を尺側に、
 ついで橈側に偏らせながら屈曲させる。
段階 (2)重力がかからない状態で、手関節の屈曲を可能な範囲完全に動かせるもの。
指示:「あなたの手首を、指の力は抜いたままで曲げなさい。」
10 肢位 腰掛けて前腕は全体検査台の上に載せる。
検査者は患者の手関節を屈曲位にしながら支えもち、
他方の手の示指を用いてそれぞれ検査対象とする腱を触診する(それぞれの筋を分けてテストする)。
橈側手根屈筋は手関節掌側面外側に位置し、長掌筋の外側に存在する。
尺側手根屈筋は、手関節の掌側面内側に存在する。
テスト 患者に手関節を屈曲しようとこころみさせる。
段階 (1)片方または両方の腱が収縮活動を示すが、運動は起こらない場合。
指示:「手首を曲げようとしてみなさい。力を抜いて。もう一度曲げて。(繰り返す)」

■手関節伸展
長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋
543 肢位 浅く座り、肘を屈曲し、前腕を完全に回内し、両者をテーブルの上に置く。
検査者は患者の斜め前に座るか立ち、前腕を支える。抵抗を加える手は、中手骨の背面に当てる。
テスト ★総合テスト:患者にいずれの側にも偏らない手関節伸展(まっすぐ上に背屈)を行なわせる。
 指の伸展はさせてはならない。
 段階4と5に対する抵抗は、第2〜5中手骨の上に前方かつ下方へ向かう方向へ加える。
★長短橈側手根伸筋:患者に手関節を母指の側に向かうように伸展させる。
 抵抗は第2・3中手骨の背面に屈曲かつ尺側に偏らせる方向に加える。
★尺側手根伸筋:患者に尺側に向かう方向に手関節を伸展させる。
 抵抗は第5中手骨の背面に屈曲かつ橈側に偏らせる方向に加える。
段階 (5)最大抵抗に抗し、完全伸展できること(橈屈・尺屈テストでは完全伸展は必要ない)。
(4)強力ないし中等度の抵抗に抗し、完全伸展できること(橈屈・尺屈テストでは完全伸展は必要ない)。
(3)全運動範囲を動かせるもの(橈屈・尺屈では運動範囲が小さい)。
指示:「あなたの手首を上に伸ばしてごらん。
 (そのままの位置を保って、私が押し下げようとしても負けないで頑張りなさい。)」
2 肢位 前腕を回内外中間位で検査台の上に載せる。
検査者は患者の手首のところを持って支えてやり、手が台から離れ摩擦が起こらないようにする。
テスト 患者に手関節を伸展させる。
段階 (2)重力がかからなければ、運動範囲全体を完全に動かせるもの。
指示:「あなたの手首を手の甲のほうに曲げようとしなさい。」
10 肢位 手を完全回内位にして手と前腕を検査台の上に載せる。
検査者は患者の手関節を伸展位に支えてやり、他方の手で触診する。
1つのテストで1つの筋を触知するのに1本の指を使うこと。
★長橈側手根伸筋:第2中手骨の線上で手関節の背面に腱を触知する。
★短橈側手根伸筋:第3中手骨の線上で手関節の背面に腱を触知する。
★尺側手根伸筋:尺骨茎状突起のすぐ遠位、第5中手骨の近位の手関節背面で触知。
テスト 患者に手関節を伸展しようとさせる。
段階 (1)いずれの筋についても、目に見える、あるいは触知できる収縮活動が存在する。
 しかし、手関節の運動は起こらないもの。
指示:「あなたの手首を手の甲のほうに曲げようとしなさい。」

-LESSON4 手指のMMT-