授業ノート-関節靱帯04
「まえいき」トップページ> 授業ノート> 関節靱帯04
-LESSON1 上肢帯の関節・靱帯-
1.胸鎖関節 きょうさかんせつ:鞍関節
 ・鎖骨の胸骨端と、胸骨の鎖骨切痕および第1肋軟骨の上面との間の関節です。
 ・上肢帯と上肢を結ぶ唯一の関節です。
 ・関節円板をもち、大きな可動性があります。
 ・鎖骨末端は上方と前方で10cm、下方と後方で3cmの可動域があります。
 ・前胸鎖靱帯 ぜんきょうさじんたい:鎖骨の胸骨端前面と、胸骨柄の前面を結びます。
 ・後胸鎖靱帯 こうきょうさじんたい:鎖骨の胸骨端後面と、胸骨柄の後面を結びます。
 ・肋鎖靱帯 ろくさじんたい:鎖骨下面と、第1肋軟骨内側端の上面を結びます。

2.肩鎖関節 けんさかんせつ:平面関節
 ・鎖骨の外側端と、肩甲骨の肩峰内側縁の間の関節です。
 ・30°(胸鎖関節の可動域とあわせると60°)まで回旋します。
 ・肩鎖靱帯 けんさじんたい:関節包の上面を補強します。
 ・烏口鎖骨靱帯 うこうさこつじんたい:鎖骨の下面と肩甲骨の烏口突起の間の靱帯です。
  (1)菱形靱帯 りょうけいじんたい:前外側にあり、鎖骨の菱形靱帯線と烏口突起を結びます。
  (2)円錐靱帯 えんすいじんたい:後内側にあり、鎖骨の円錐靱帯結節と烏口突起を結びます。

3.肩甲骨の運動
 ・肩甲骨は前額面に対して30°、鎖骨に対して60°の角度をなしています。
 ・挙上、下制、外転、内転、上方回旋、下方回旋を行ないます。
 ・肩甲上腕リズム:上腕の外転が30°を越えると、外転2°ごとに肩甲骨が1°ずつ上方回旋します。
-LESSON2 自由上肢の関節・靱帯-
1.肩関節 けんかんせつ:球関節
 (1)肩関節の特徴
  ・肩甲骨の関節窩と上腕骨頭との間の関節です。
  ・可動域を主体としていて、骨性構造の安定性は強固ではありません。
  ・関節窩に対して上腕骨頭は3倍の大きさがあるため、関節唇をもつことで安定しています。
 (2)靱帯
  ・烏口肩峰靱帯 うこうけんぽうじんたい:肩甲骨の烏口突起と肩峰の間の靱帯です。
  ・烏口上腕靱帯 うこうじょうわんじんたい:烏口突起と上腕骨大結節前面の間の靱帯です。
   ※力学的に重要な働きをし、上腕の屈曲・伸展を制限します。
  ・関節上腕靱帯 かんせつじょうわんじんたい:上、中、下の3つの靱帯が関節包前部にあり、外転や外旋を制限します。
  ・上腕横靱帯 じょうわんおうじんたい:上腕骨の大結節と小結節の間にあります。
 (3)肩関節の運動
  ・屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋をします。
  ・分回し(ぶんまわし)運動:屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋の複合運動です。

2.肘関節 ちゅうかんせつ
 (1)関節
  a.腕尺関節 わんしゃくかんせつ:蝶番関節(らせん関節)
   ・上腕骨滑車と、尺骨の滑車切痕の間の関節です。
   ・屈伸運動をします。
  b.腕橈関節 わんとうかんせつ:球関節
   ・上腕骨小頭と、橈骨上面の小窩との関節です。
 (2)肘関節の靱帯
  ・外側側副靱帯 がいそくそくふくじんたい:上腕骨外側上顆と橈骨、尺骨を結ぶ強力な靱帯です。
  ・内側側副靱帯 ないそくそくふくじんたい:上腕骨内側上顆と尺骨を結ぶ靱帯です。
  ・橈骨輪状靱帯 とうこつりんじょうじんたい:尺骨の橈骨切痕前後縁に付着し、橈骨を輪状に取り巻く靱帯です。
  ・方形靱帯 ほうけいじんたい:尺骨の橈骨切痕の下縁と橈骨頸を結びます。
 (3)肘関節の運動
  ・屈曲と伸展を行ないます。
   ※屈伸運動を行なうため、前後方向の靱帯は緩く、左右方向の靱帯は強固になっています。
  ・肘角 ちゅうかく(運搬角 うんぱんかく):解剖学的肢位で、上腕と前腕がなす角度です。
   ※正常では160〜170°で、これ以上を内反肘(ないはんちゅう)、これ以下を外反肘(がいはんちゅう)といいます。
  ・ヒューター線:肘伸展時には、上腕骨の内側上顆と外側上顆および肘頭は一直線に位置します。
  ・ヒューター三角:肘屈曲時には、上腕骨の内側上顆と外側上顆および肘頭は逆二等辺三角形(▽)になります。
   ※ヒューター線とヒューター三角は、肘関節の異常を見るときの目安になります。

3.橈尺関節 とうしゃくかんせつ
 (1)上橈尺関節 じょうとうしゃくかんせつ:車軸関節
  ・橈骨頭の関節環状面と、尺骨の橈骨切痕との関節です。
 (2)下橈尺関節 かとうしゃくかんせつ:車軸関節
  ・尺骨の遠位端と、橈骨の尺骨切痕とで構成される関節です。
 (3)橈尺関節の運動
  ・上橈尺関節と下橈尺関節が共同して、回外や回内を行ないます。
  ・尺骨はほとんど動かず、橈骨が回転することで運動します。
-LESSON3 手の関節・靱帯-
1.橈骨手根関節 とうこつしゅこんかんせつ(手関節 しゅかんせつ):楕円関節
 ・橈側では、橈骨遠位端と、手根骨(舟状・月状・三角骨)から構成されます。
 ・尺骨と手根骨の間は関節円板で隔てられており、直接間接を作りません。
 ・掌屈、背屈、橈屈、尺屈、分回し運動(掌背屈、橈尺屈の複合運動)ができます。
 ・背側橈骨手根靱帯 はいそくとうこつしゅこんじんたい:後面で橈骨遠位端と手根骨(舟状・有頭・月状・三角骨)を結びます。
 ・掌側橈骨手根靱帯 しょうそくとうこつしゅこんじんたい:前面で橈骨遠位端と手根骨(舟状・有頭・月状・三角骨)を結びます。
 ・掌側尺骨手根靱帯 しょうそくしゃくこつしゅこんじんたい:尺骨遠位端、関節円板と手根骨(月状・三角骨)を結びます。
 ・外側手根側副靱帯 がいそくしゅこんそくふくじんたい:橈骨の茎状突起と手根骨(舟状・大菱形骨)を結びます。
 ・内側手根側副靱帯 ないそくしゅこんそくふくじんたい:尺骨の茎状突起と手根骨(三角・豆状骨)を結びます。

2.手根間関節 しゅこんかんかんせつ:平面関節
 ・手根骨相互間の関節(手根中央関節+豆状骨関節)です。
 (1)手根中央関節 しゅこんちゅうおうかんせつ:平面関節
  ・手根骨の近位列と遠位列の間の関節です。
 (2)豆状骨関節 とうじょうこつかんせつ:平面関節
  ・三角骨と豆状骨の間の関節です。

3.手根中手関節 しゅこんちゅうしゅかんせつ(CM関節)
 (1)母指:鞍関節
  ・2〜5指からは独立した、第1中手骨と大菱形骨の間の関節です。
  ・尺側内転、橈側外転、掌側外転、掌側内転が行なえます。
 (2)2〜5指:平面関節
  ・2〜5指の関節包、関節腔は共通しています。

4.中手指節関節 ちゅうしゅしせつかんせつ(MP関節):顆状関節
 ・第1〜5中手骨と、第1〜5基節骨がなす関節です。
 ・屈曲、伸展、外転、内転、分回し運動(屈伸、内外転の複合運動)が可能です。

5.指節間関節 しせつかんかんせつ(IP関節)
 (1)母指指節間関節 ぼししせつかんかんせつ(IP関節):蝶番関節
  ・母指の基節骨と末節骨の間の関節です。
 (2)近位指節間関節 きんいしせつかんかんせつ(PIP関節):蝶番関節
  ・第2〜5指の基節骨と中節骨の間の関節です。
 (3)遠位指節間関節 えんいしせつかんかんせつ(DIP関節):蝶番関節
  ・第2〜5指の中節骨と末節骨の間の関節です。
-LESSON4 手のアーチ-
1.縦方向のアーチ
 ・MP関節をかなめ石として、手根骨-中手骨-指骨で形成されます。
 ・機能的に示指と中指のアーチが重要です。

2.横方向のアーチ
 ・手根骨アーチ(手根骨遠位列)と中手骨アーチ(中手骨頭)があります。

3.斜方向のアーチ
 ・母指と他の4指で構成されます。把握動作で最も重要です。