授業ノート-関節靱帯01
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-LESSON1 連結の種類-
 骨と骨との連結(広義の関節)には、可動性のものと不動性のものがあります。
1.不動性連結:骨どうしが密に合わさっていてほとんど動かない連結です。
2.可動性連結:可動性を有する滑膜性連結で、狭義の関節のことです。
 ・一軸性関節:運動軸が1つで、1つの面だけで運動が可能な関節です。
 ・二軸性関節:運動軸が2つで、2つの面で運動がおこる関節です。
 ・多軸性関節:運動の面と軸が多数あり、あらゆる方向への運動が可能な関節です。
可動性連結(関節)の分類
(種類) (例)
一軸性 蝶番関節 ちょうばんかんせつ 指節間関節(IP関節)
螺旋関節 らせんかんせつ 腕尺関節、距腿関節
車軸関節 しゃじくかんせつ 環軸関節、上橈尺関節
二軸性 顆状関節 かじょうかんせつ 環椎後頭関節、顎関節
鞍関節 あんかんせつ 母指手根中手関節(CM関節)
多軸性 球関節 きゅうかんせつ 肩関節、股関節
平面関節 へいめんかんせつ 椎間関節、仙腸関節

不動性連結の分類
(種類) (例)
線維性連結
縫合 ほうごう
:頭部の骨結合
鋸状縫合 きょじょうほうごう 冠状縫合、矢状縫合
鱗状縫合 りんじょうほうごう 頭頂側頭縫合
直線縫合 ちょくせんほうごう 鼻骨間縫合
靱帯結合 じんたいけつごう
:強靭な線維で結ばれたもの
骨間靱帯 こつかんじんたい 脛腓靱帯結合
骨間膜 こつかんまく 前腕骨間膜
釘植(丁植) ていしょく
:歯の歯根と、上・下顎骨の歯槽との間の結合
歯根と歯槽
軟骨性連結 軟骨結合 なんこつけつごう
:骨端の硝子軟骨による結合で、成人では骨結合に変わる
小児の長管骨端、肋軟骨
線維軟骨結合 せんいなんこつけつごう
:骨結合に変わらず、生涯続く結合
恥骨結合、椎間円板
骨性連結(骨結合 ):軟骨結合が骨化したもの 寛骨、仙骨、尾骨

-LESSON2 関節の構造-
 関節の定義は、「結合する2つまたはそれ以上の骨の骨端間に一定の間隙が存在して完全に分離し、両骨が可動的に結合したもの」です。関節の役割は3つあります。
1.可動性
2.固定(支持組織としての役割)
3.感覚受容器(関節の静止位置、動いている方向・速度を中枢神経に送る)
関節の構造
関節面 両骨端の、関節軟骨(硝子軟骨)で覆われた部分です。
凸面のほうを関節頭(かんせつとう)、凹面のほうを関節窩(かんせつか)といいます。
神経・血液・リンパ管がなく、滑液から栄養を得ます。
関節包 線維膜 せんいまく 関節包の外膜です。
弾性・血流に乏しく、修復も遅いのですが、神経支配は豊富です。
滑膜 かつまく 関節包の内膜で、関節腔の内面を形成します。
滑液の分泌・吸収をしています。
滑液 かつえき 関節軟骨に栄養を供給します。
潤滑作用をもち、摩擦を軽減、動きを円滑化します。
関節唇 かんせつしん 関節窩の深さを補うためのためのものです。
関節唇をもつ関節:肩関節、股関節
関節円板 かんせつえんばん 両関節面の適合をよくするためのものです。
関節円板をもつ関節:顎関節、胸鎖関節、肩鎖関節
関節半月 かんせつはんげつ 両関節面の適合をよくするためのものです。
関節半月をもつ関節:膝関節
関節内靱帯 かんせつないじんたい 関節腔内にある靱帯です。
関節内靱帯をもつ関節:股関節、膝関節
靱帯 関節包の周囲を補強するためにある、結合組織性の靱帯です。
関節の外側・内側にあるものを、側副靱帯(そくふくじんたい)といいます。

-LESSON3 関節運動(関節可動域)-
 関節が前額面・矢状面・水平面上を動く範囲を関節可動域(かんせつかどういき)といいます。
 基本的には、解剖生理学編02の表、「面・軸・運動」に書いた通りなのですが、理学療法士はその道のプロなので細かいことまですべて覚えなければならないようです)。

 関節可動域で注意すべきことは、年齢・性・肢位・個体による変動が大きいということです。日本リハビリテーション医学会が評価・測定表を作りましたが、「参考可動域」としての記載になっています。そういった細かい事項は次のページに譲り、ここでは関節運動とその名称をまとめてみます。
関節運動とその名称
屈曲 くっきょく flexion 矢状面 隣接する2つの部位が近づく動き
伸展 しんてん extension 隣接する2つの部位が遠ざかる動き
外転 がいてん abduction 前額面 体幹や手指の軸から遠ざかる動き
内転 ないてん adduction 体幹や手指の軸に近づく動き
外旋 がいせん external rotation 水平面 肩関節は前腕軸、股関節は大腿軸を中心として外方へ回旋する動き
内旋 ないせん internal rotation 肩関節は前腕軸、股関節は大腿軸を中心として内方へ回旋する動き
回外 かいがい supination 前額面 前腕軸を中心に外方へ回旋する動き
回内 かいない pronation 前腕軸を中心に内方へ回旋する動き
水平屈曲 すいへいくっきょく horizontal flexion 水平面 肩関節を90度外転した前方への動き
水平伸展 すいへいしんてん horizontal extension 肩関節を90度外転した後方への動き
挙上 きょじょう elevation 前額面 肩甲帯の上方への動き
引き下げ ひきさげ
(下制 かせい)
depression 肩甲帯の下方への動き
右側屈 みぎそっくつ right lateral bending 前額面 頸部・体幹の右方向への動き
左側屈 ひだりそっくつ left lateral bending 頸部・体幹の左方向への動き
右回旋 みぎかいせん right rotation 水平面 頸部・胸腰部で右方へ回旋する動き
左回旋 ひだりかいせん left rotation 頸部・胸腰部で左方へ回旋する動き
橈屈 とうくつ radial deviation 手関節の手掌面の橈側への動き
尺屈 しゃっくつ ulnar deviation 手関節の手掌面の尺側への動き
10 (母指)橈側外転 とうそくがいてん radial abduction 母指の手掌面の基本軸から遠ざかる動き
(母指)尺側内転 しゃくそくないてん ulnar abduction 母指の手掌面の基本軸に近づく動き
11 掌側外転 しょうそくがいてん palmar abduction 母指の手掌面に垂直で基本軸から遠ざかる動き
掌側内転 しょうそくないてん palmar adduction 母指の手掌面に垂直で基本軸に近づく動き
12 対立 たいりつ opposition 外転、屈曲、回旋の3要素の複合
13 (中指)橈側外転 とうそくがいてん radial abduction 中指の基本軸から橈側へ遠ざかる動き
(中指)尺側外転 しゃくそくがいてん ulnar abduction 中指の基本軸から尺側へ遠ざかる動き
14 外がえし そとがえし eversion 足底が外方を向く動き
内がえし うちがえし inversion 足底が内方を向く動き

 13番のところが橈側、尺側ともに外転なのに注意です。
-LESSON4 関節可動域制限-
●拘縮 こうしゅく:関節構成体以外の軟部組織が関節の動きを制限する場合です。
 ※フィラメントのすべりが悪くなるために起こるのだという仮説もあります。
●強直 きょうちょく:関節構成体(滑膜、関節軟骨、関節包、靱帯など)による制限です。
関節可動域制限の原因
(原因部位) (要因)
関節包 関節包の癒着や硬化による制限
靱帯 靱帯の短縮や癒着による制限
筋の短縮や緊張による制限
神経 中枢性もしくは末梢性の神経障害に伴う疼痛や可動性の低下による制限
皮膚 熱傷後や術後の瘢痕による制限
変形などによる制限
疼痛 疼痛逃避による制限
その他 膨張などによる制限

-LESSON5 指関節の名称-
指関節の名称
(末節骨)
遠位指節間関節 DIP(Distal InterPhalangeal joint) 遠位指節間関節 DIP(Distal InterPhalangeal joint)
(中節骨)
近位指節間関節 PIP(Proximal InterPhalangeal joint) 近位指節間関節 PIP(Proximal InterPhalangeal joint)
(基節骨)
中手指節関節 MCP(MetaCarpoPhalangeal joint) 中足指節関節 MTP(Meta TarsoPhalangeal joint)
(中手骨) (中足骨)
手根中手関節 CM(CarpoMetacarpal joint) 足根中足関節 TM(TarsoMetatarsal joint)
(手根骨) (足根骨)