授業ノート-解剖生理学05 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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-LESSON1 体液の分類と移動- | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体液は身体の60%を占め、細胞内液と細胞外液に分類されます。細胞外液は血管外液と血管内液にわかれます(血管そのものは「細胞」なので、ここには当てはまりません)。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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●間質液(組織液):血漿成分が血圧によって濾過され、組織間に出た液体のことです。 ・濾過されたため、血漿より薄く、蛋白質も少なくなっています。 ・白血球は見られますが、赤血球は見られません。 ・Na+(ナトリウムイオン)、Cl-(塩素イオン)を多く含みます。 ●リンパ液:余分な間質液が組織圧によってリンパ管に入ったものです。蛋白質を含みます。 ●スターリングの法則:細胞内液と細胞外液との間の移動は、主に浸透圧によって行なわれます。 ・静水圧 せいすいあつ:毛細血管圧により、血管から外に向かう力 ・膠質浸透圧 こうしつしんとうあつ:アルブミンの数による、血管内に引き入れる力 |
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-LESSON2 電解質とその機能- | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●電解質:溶液中で+あるいは-に荷電して、電気的性質を帯びるものをいいます。 (例)Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Cl-、HCO3-など ●非電解質:溶液中でイオン化(電気的性質を帯びること)をしないものをいいます。 (例)ブドウ糖、蛋白質分解産物(尿素、クレアチニン)など 電解質の機能は、 1.体液量の調節をし、分布の適正化をはかる 2.浸透圧の平衡を保つ 3.酸・塩基の平衡を保つ(pH7.4) 4.Na+(ナトリウムイオン)・K+(カリウムイオン)によって、神経・筋が正常に機能するように調節 の4つです。 |
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-LESSON3 酸・塩基平衡- | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
pH(ペーハー)とは水素イオン(H+)の対数のことで、酸と塩基のバランスの指標です。 1.pHを決定する因子は、重炭酸イオン(HCO3-)と動脈血二酸化炭素分圧(PCO2)・炭酸(H2CO3)です。 (1) pH = 6.1 + log([HCO3-(重炭酸イオン)]/[H2CO3(炭酸)]) (2) pH = 6.1 + log([HCO3-(重炭酸イオン)]/α[PCO2(動脈血二酸化炭素分圧)]) 2.生体はpHの変化に対して、恒常性を維持しようとします。ヒトの血液(体液)のpHは7.4です。 ・恒常性を維持するために、肺での呼吸でPCO2を、腎臓での代謝でHCO3-を調節します。 |
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3.酸・塩基平衡の障害 (1)酸性 ・アシドーシス:血漿のH+濃度を増加させ、pHを酸性方向へ変動させる病態です。 ・酸血症(acidemia):血漿のH+濃度が増大し、pHが酸性へ変動したことです。 (2)塩基性(アルカリ性) ・アルカローシス:血漿のH+濃度を減少させ、pHをアルカリ性方向へ変動させる病態です。 ・アルカリ血症(alkalemia):血漿のH+濃度が減少し、pHがアルカリ性へ変動したことです。 |
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●ホメオスタシス(恒常性)の維持:pHや体液のバランスなどを常に一定の状態に保つことです。 ●負のフィードバック:生体に起こった変化と逆の作用を起こして打ち消し、恒常性を保ちます。 |
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-LESSON4 浮腫- | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
浮腫(ふしゅ)とは、体液量の均衡が崩れ、細胞外液が全体的に増加した状態をさします。 ・血漿蛋白濃度が正常の場合:血漿・間質液ともに量が増大している状態です ・血漿蛋白濃度が低下した場合:血管内から血管外へ体液が移動することにより、間質液が増大します ●浮腫の局所性因子 1.静水圧の上昇:静脈の血圧が高まり、間質液が回収されなくなります。 2.膠質浸透圧の低下:浸透圧が下がり、水分を吐き出します。 3.組織圧の低下 ●浮腫の全身性因子 1.アルドステロンの増加:Na濃度が上昇し、水を再吸収して増やします。 2.抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)の増加:水分量を増やします。 3.ナトリウム利尿ホルモンの低下:Naを尿として排泄できなくなり、水分が増えます。 |
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-LESSON5 脱水- | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
脱水は、体液量が不足した状態です。 ・等張性脱水(混合性脱水):水分とNaの欠乏が体液と同じ濃度の場合です。 ・高張性脱水(水分欠乏型脱水):水分の欠乏で、細胞外液が高張となり、細胞内液が欠乏します。 ・低張性脱水(Na欠乏型脱水):Naの喪失が水分を上回った場合で、細胞外液が低張になり、細胞内への水分の移動が生じます。 |
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