授業ノート-解剖生理学02
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-LESSON1 基本肢位-
●基本的立位肢位 きほんてきりついしい:
 立位姿勢で顔面は正面を向いて、両上肢は体幹に添って下垂し、前腕の橈骨縁は前方を向き、下肢は平行して足指が前方を向いた直立位です。
●解剖学的立位肢位 かいぼうがくてきりついしい:
 基本的立位肢位から、上肢は手掌を前面、手背を後面に向けた状態です。

●立位(りつい standing)
●座位(ざい sitting)
●腹(伏)臥位(ふくがい prone position):うつぶせの状態
●仰臥位(背臥位)(ぎょうがい・はいがい supine position):あおむけの状態

 解剖学や運動学では解剖学的立位肢位を基本としていくわけですが、姿勢なんかの部分は文章で読むより、絵や図を見たほうが早いと思います。
-LESSON2 面と軸-
面・軸・運動
(面) (軸) (運動)
基本前額面
(きほんぜんがくめん frontal plane)
矢状-水平軸
(しじょうすいへいじく sagittal-horizonal axis)
外転・内転
(がいてん・ないてん)
基本矢状面
(きほんしじょうめん sagitttal plane)
前額-水平軸
(ぜんがくすいへいじく frontal-horizonal axis)
屈曲・伸展
(くっきょく・しんてん)
基本水平面
(きほんすいへいめん horizonal plane)
垂直軸
(すいちょくじく vertical axis)
外旋・内旋
(がいせん・ないせん)
●基本前額面(前頭面、冠状面):人体を前後に分ける面。
●基本矢状面(正中矢状面):人体を左右に分ける面。
●基本水平面(横断面):人体を上下に分ける面。

 「軸」や「運動」については運動学の範囲に入ってしまうのですが、「面」と関連付けて覚えると楽です。
-LESSON3 方向と位置-
方向と位置を示す用語
用語 意味 用語 意味
前(ぜん anterior) 前方 深(しん deep) 身体の表面から遠いほう
腹側(ふくそく ventral) 前側、腹の方 浅(せん superfical) 身体の表面に近いほう
後(こう posterior) 後方 近位(きんい proximal) 四肢における体幹側
背側(はいそく dorsal) 後側、背の方 遠位(えんい distal) 四肢における末梢側
頭方(とうほう cranial) 頭の方 橈側(とうそく radial) 前腕の橈骨側
上(じょう superior) 上方 尺側(しゃくそく ulnar) 前腕の尺骨側
尾方(びほう caudal) 下方 掌側(しょうそく palmar) 手の平
下(か inferior) 下方 背側(はいそく dorsal) 手足の甲
内側(ないそく medial) 中心 底側(ていそく plantar) 足の裏
外側(がいそく lateral) 側方 腓側(ひそく fibular) 下腿の腓骨側
脛側(けいそく tibial) 下腿の脛骨側

 骨の名前を覚えていると、方向なんかも理解できるようになるようです。ちなみに、四つんばいになったときに上になるのが「背側」と覚えておくと混乱しなくてすみます。
-LESSON4 人体の構成-
 人体に関する用語の次は、人体の構成に入ります。解剖生理学編01でも触れたとおり、人体は細胞・組織・器官・器官系・個体というように構成されています。これから、細胞から順に見ていきたいと思います。
細胞の構成要素
細胞外液
細胞 細胞膜
細胞質 細胞質基質 さいぼうしつきしつ(サイトゾル)
封入体 ふうにゅうたい
細胞骨格
細胞小器官 ゴルジ装置
ミトコンドリア
中心小体 ちゅうしんしょうたい
小胞体 しょうほうたい 粗面小胞体 そめんしょうほうたい
滑面小胞体 かつめんしょうほうたい
リボソーム
リソソーム(ライソソーム)
●ゴルジ装置:分泌物とリソソームの加工・貯蔵をします。[工場]
●ミトコンドリア:細胞に必要なATP(アデノシン三リン酸)の95%を産生しています。[発電所]
●中心小体:細胞分裂のときに染色体を引き寄せます。
●小胞体:リボソームのある粗面小胞体と、リボソームのない滑面小胞体があります。{輸送}
 ・粗面小胞体:分泌蛋白質(ぶんぴつたんぱくしつ)を合成します。
 ・滑面小胞体:脂質と炭水化物を合成します。
●リボソーム:小胞体に付着したものと、そうでないものがあります。蛋白質を合成します。
●リソソーム(ライソソーム):損傷した小器官や病原体を除去します。
●核:遺伝情報の伝達、蛋白質合成の設計図の役割をします。
-LESSON5 細胞膜のはたらき-
 選択透過性(せんたくとうかせい):
 水・親水性物質(しんすいせいぶっしつ:水に溶ける物質)は細胞膜を通過できませんが、O2・CO2などの呼吸ガスは細胞膜を出入りできます。また、イオン・グルコース・アミノ酸などは通過しにくくなっています。選択透過性には、次の2つがあります。

 1.受動輸送:濃いほうから薄いほうへ、濃度勾配にしたがって物質が移動することで、エネルギーを必要としません。
 なお、溶質濃度を圧に換算したものを浸透圧(しんとうあつ)といい、細胞膜を境に2つの溶液の浸透圧が等しいときを等張(とうちょう)といいます。また、血液や組織液と等張の0.9%の塩化ナトリウム水溶液を生理食塩水(せいりしょくえんすい)といいます。

 2.能動輸送:濃度勾配に逆らって物質が移動することで、ATPが分解するときにできるエネルギーを必要とします。
 細胞内はナトリウムイオンが少なく、カリウムイオンが多くなっています。それは、ATPを分解したエネルギーによって、ナトリウムイオン3個を細胞外に運搬しているからです(その代わりにカリウムイオンを2個細胞内へ運搬しています)。このような運搬はナトリウムポンプのはたらきで行なわれます。
-LESSON6 細胞の電気現象-
 興奮性細胞(筋・神経・感覚を受容する細胞)では、物理的科学的エネルギーを細胞膜の電気的変化に変換して、他の細胞に興奮を伝導します。

●静止電位:細胞が興奮していないときの電位で、通常は-60〜-90mVです。
●活動電位:静止電位の状態から刺激を受けると電位が変化し、極性が反転する現象です。

 刺激が閾値(いきち)以下では活動電位が発生せず、興奮しません。刺激で閾値を越えた場合は、ほぼ一定の大きさの活動電位を発生します。(全か無かの法則)

 また、興奮直後は絶対不応期、相対不応期があるために興奮しにくくなっており、伝導された興奮が伝導路を逆流することはありません。

●絶対不応期 ぜったいふおうき:どのような刺激にも反応しない期間です。
●相対不応期 そうたいふおうき:かなり強い刺激だけに反応する期間です。