授業ノート-病理学01 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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-LESSON1 病理学とは- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
病理学では、病気の本態をあきらかにしていきます。 具体的には、 1.病因:何が原因となって 2.発生機序:どのようにして 3.病変:どのような状態になるか 4.予後:その結果 の4つについて、形態・機能の両面から実態を研究する学問です。 |
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-LESSON2 病因論(内因)- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
病因(病気の原因)は内因、外因に分けられます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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まずは内因です。内因は7つ考えられます。 1.素因 a.年齢要因 ・小児:麻疹、水痘 ・高齢者:動脈硬化症、高血圧、癌 b.性要因 ・女性:全身性エリテマトーデス、乳癌 ・男性:狭心症、前立腺癌 c.人種要因 ・白人:皮膚癌、悪性黒色腫 d.臓器・組織要因(好発部位) ・大腸:赤痢 ・小腸:腸チフス、コレラ ・肺、リンパ節:結核症 2.体質:個人による体質の違い 3.遺伝:遺伝子や染色体の異常 4.免疫:免疫応答 5.アレルギー:抗原抗体反応の程度が激しいとき 6.内分泌異常 ・ホルモンの異常:巨人症、小人症、末端肥大症 7.酵素異常:酵素欠如による代謝疾患 |
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-LESSON3 病因論(外因)- | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.物理的因子 a.機械的因子 ・機械的外力による損傷:切創、刺創、裂創、骨折、銃創、咬創 b.温熱的因子 ・高温:火傷・熱傷(4段階)、日射病、熱射病 ・低温:凍傷(3段階)、凍死 c.気圧変動による障害 ・潜函病(潜水夫病、減圧症)、高山病、鼓膜破裂、内耳障害 d.光線による障害 ・光線性皮膚炎など(癌化すると皮膚癌や悪性黒色腫になります) e.放射線による障害 ・突然変異、癌化 f.電気による障害 ・感電、落雷 2.化学的因子(化学物質により、接触性障害や中毒がおこる) a.化学的原因物質 ・腐蝕剤:蛋白質の変性 ・有毒ガス:一酸化炭素中毒 ・重金属(有機水銀):水俣病(中枢運動障害) ・重金属(カドミウム):イタイイタイ病(骨の変化萎縮、軟骨化、疼痛) ・重金属(ヒ素):神経障害 b.有機溶媒による中毒 ・シンナー:中枢抑制作用があり、意識障害、呼吸障害をおこします ・ベンゼン:造血組織障害 c.薬物による中毒 ・ストレプトマイシン:難聴 ・キノホルム:スモン病 ・クロロキン:網膜症 ・テトラサイクリン:歯の変色 d.食中毒 ・細菌毒素によるもの 3.生物的因子 a.病原微生物 ・細菌感染症:化膿性炎(ブドウ球菌、レンサ球菌)、ジフテリア、赤痢、肺炎 ・真菌症(カビ):カンジダ症、放線菌症、アスペルギルス症 ・スピロヘータ:梅毒、ワイル病、回帰熱 ・リケッチア:発疹チフス、発疹熱 ・ウイルス:麻疹、風疹、ヘルペス、肝炎、日本脳炎、狂犬病、インフルエンザ、ポリオ ・クラミジア:トラコーマ、オウム病、鼠径リンパ肉芽腫 b.寄生虫 ・原生動物、線形動物、扁形動物 4.栄養の異常 a.栄養過剰:肥満 b.栄養不足:栄養失調症、飢餓、るいそう |
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