難 読 地 名

 出典:読売新聞2000年3月8日

地名は独断と偏見で都道府県から1箇所選んだ

由来は、諸説あるが、一つのみ紹介する

九州地方及び沖縄県

福岡県 和布刈 めかり 北九州市門司区 神功皇后が早鞆(はやとも)の瀬戸のワカメを神前にささげたという伝承にちなみ、「芽刈り」が変化したといわれる。関門海峡に面しており、対岸は山口県下関市。
佐賀県 馬渡島 まだらしま 鎮西町 斑(まだら)島と書かれていたが、平安時代、流人として島に土着した武士が、出身地の馬渡(もうたり)庄(滋賀県)の字をあてたと伝わる。古代に中国大陸から馬が最初に渡ってきたので「馬渡る島」と言ったとの説も。江戸時代、長崎から逃れて来た隠れキリシタンの島として知られ、教会がある。
長崎県 南風崎 はえのさき 佐世保市 「はえ」とは風でなく、岩礁のこと。大村湾に突き出た海岸の岬という意味が込められている。JR大村線の南風崎駅からは戦後、海外から佐世保港の埠頭に引き揚げた約140万人が、それぞれの故郷に向かった。駅舎からは、テーマパーク・ハウステンボスのオランダ風の建物が望める。
熊本県 八景水谷 はけのみや 熊本市 阿蘇の伏流水がわき出る市北部の池のほとりに、肥後細川藩主・綱利(1643〜1714)が茶亭をつくり、庭園に近江八景にちなんだ八景を選んだことに由来する。
大分県 一尺八寸山 みおやま 日田市・山国町 昔、殿様の前で巻狩を行った。仕留められた三頭の大イノシシの尾を合わせると、一尺八寸あったことから、「一尺八寸」と書いて、三つの尾、「みお」という名が生じたと伝わる。標高700m。美しいスロープを持ち、日田盆地を展望する。
宮崎県 銀鏡 しろみ 西都市 天孫ニニギノミコトの妃コノハナサクヤヒメが、妹に劣る容姿を嘆き、自分を映した銀の鏡を投げ捨てた地といわれる。鏡が辺りを明るく(しろく)照らし、よく見えたことから「しろみ」と読まれるようになったという。
鹿児島県 祁答院 けどういん 祁答院町 「宮之城記」などによると、空覚上人という僧が、夢のお告げに従って祈祷院神興寺(鶴田町紫尾)を建て、その山号から取ったとの説が有力。当時の寺院は祈とう中心で、その声と鐘の音が響く一帯を「祈祷院」と呼び、それがなまって「祁答院」と言う字を当てたという。
沖縄県 今帰仁村 なきじんそん 今帰仁村 文明年間1471年に書かれた「海東諸国紀」では「今麻奇時利」と記され、近世になって「今帰仁」と表記された。伊豆大島を脱出した源為朝が航海の途中、あらしに遭い、「運を天に任せて」漂着したのが、同村の運天と伝えられる。沖縄本島北部の本部(もとぶ)半島にある。

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