星を見る人(1)
今夜もつきあわされる羽目になった……と、ハイネはため息をついた。
行き先は、オタル・シティ郊外の原っぱである。
車に詰め込む望遠鏡は、老人が運び込むには充分の重さがあったが、ハイネは手伝う気にもなれない。
そのかわり、携帯用のゲーム機に新しいゲームを差し込んだ。出かける寸前に、はっと気がついて、テレビの録画予約をした。そして、しぶしぶ外に出る。
ハイネは、おじいさんの趣味につきあうよりも、友人との対戦ゲームで遊ぶことのほうが好きだし、新しいアニメも見たい。
なのに、忙しい両親ときたら、7歳のハイネにかまうこともしないうえに、邪魔なおじいさんを押し付ける。
手間のかかる者同士、仲良くやれ……とはあんまりである。