Countdown
Chapter 3 -後8日−
今日の訓練も滞りなく終わろうとしていた。
小さなミスはあったものの訓練機は無事着艦してきた。
パネルを見つめていた僕に
「今日も無事終わったな。
心配しすぎると体調崩すぞ」
「島・・・心配というより何かが引っかかるんだ・・・
だが、このまま何も起こらないといいんだけどな」
「明日から、火星基地で2日間の休暇になるから、訓練生も落ち着くって・・・」
「そうだな・・・
無事地球に帰らないとお互い怒られるものな・・・
それより、昨日のくしゃみの原因わかったか?」
「ああ、真樹がメールで教えてくれたよ。
やっぱり俺たちのこと噂していたらしい・・・」
「いい噂ではないようだな、お互い・・・」
「ま、しょうがないじゃないか。
大変なときにそばにいないんだから奥さんたちが愚痴を言っているんだろう?
帰ってからお互い奥さん孝行しないといけないな。
あ、お前は娘たちも忘れちゃいけないぞ」
「ふん、お前に言われたくないよ」
言った瞬間思いっきり笑ってしまった。
「兎に角今日はお疲れさん」
「明日の夜、一杯飲もう・・・」
「酒の肴は、子育てについてか?島」
「何とでも言え!先に休むぞ」
「ああ、お疲れさん」
『 進さん
昨日真樹さんと保育園の見学に行ってきました。
保育園にいってびっくりしたこと。
ユリがいたの。
北原ユリ。
私の高校時代からの親友なの。
大学は別になってしまってけど、お互いの近況報告はしていたのよ。
イスカンダルへの旅以降連絡が取れなくなっていて、とっても心配していたんだけど・・・
まさかこんな近くにいたなんて・・・ね。
昨日のくしゃみ原因は、私たちのおしゃべりよ。
真樹さんもこの保育園へ子供を入れたいそうです。
進さんと島さんの腐れ縁もいつまでも続くことになったわね。
後、8日ですね。
気をつけて帰ってきてください。
明日は火星基地でのんびりするのかしら?
ユキ 』